徒然なるままに・・・

映画よりJAZZにシフトチェンジ中・・・。

クライマーズ・ハイ ★★★

2008-07-07 | 【映画感想・カ行】
ストーリー:
1985年8月12日、
群馬県御巣鷹山にJAL123便が墜落、死者520人の大惨事が起こった。
前橋にある北関東新聞社では、白河社長の鶴の一声により、
一匹狼の遊軍記者・悠木和雅が全権デスクに任命される。
そして未曽有の大事故を報道する紙面作り―闘いの日々が幕を開けた。
さっそく悠木は県警キャップの佐山らを事故現場へ向かわせる。
そんな時、販売部の同僚で無二の親友・安西が、
クモ膜下出血で倒れたとの知らせが届く…。
(goo映画より引用)

出演:
堤真一、堺雅人、尾野真千子、高嶋政宏、山努

監督:
原田眞人

横山秀夫の原作は非常に読み応えがあったし、
NHKのドラマ作品も原作の魅力をきっちり捉えていた。
まぁ、今回の映画版も普通に面白いだろう。
要は、原作とドラマの違いをどのように出すかだ。

原田眞人監督は、社会派作品、
特に集団内の心理を巧みに描くのに長けている。
『金融腐蝕列島 呪縛』は、総会屋に立ち向かう会社員達、
『突入せよ!あさま山荘事件』は、警察組織ないの面々、
会社や組織の上層部、いきり立つ若い面々など、
まるでドキュメンタリーを見ているかのような描き方をしている。
『クライマーズ・ハイ』でも日航機墜落事故発生後、
地元新聞社の喧騒をドキュメント・タッチで迫っていく。
正に原田監督の真骨頂と言えよう。

映画版は、兎に角、新聞社の混沌とした雰囲気を主軸に置いた。
全権デスクの悠木、事故現場で取材した佐山、
悠木を支援する、または嫉妬している編集部にいる面々、
「連赤大久保」という過去の事件に固執する上層部、
暑い夏と情報が錯綜する混沌とする状況の中で、
彼らは冷静さよりも本能を剥き出しに紙面を作り上げていく。
ハンディカメラによる揺れる映像、次々に切り替わるカット割りで、
見る側も「クライマーズ・ハイ」の気持ちを抱かされる。

そんな中で、上層部と現場を踏む若手と板ばさみに合う悠木。
彼の煮えたぎる気持ちがスクープを得ようとするものの、
新聞記者として、ウラが取れて初めて記事にする。
劇中何度も出てくる「チェック、ダブルチェック」が印象的だ。

個性的な面々が演じている中にあって、
佐山を演じた堺雅人の熱い芝居っぷりが素晴らしい。
ワイルドで記事をものにするハンターのような眼差しが印象的。

横軸に置かれている悠木と安西の山登りの場面、
また、悠木を含めた個性的な面々の人物像の掘り下げが甘いのが難。
しかしながら、それを描いていたら、2時間25分には収まらないはず…。

それにしても、上層部は自分の体裁ばかり気にするのか?
現場の意思を全く認めようとしないのは、どこでもおなじみの光景?

(ピカデリー5にて鑑賞)


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