壱
花ざかりの森には いつも妖気が立ちこめて
花ざかりの森には とても懐かしい人がいる
戻れるならば戻りたい 二度と帰れぬあの世界
聞くも涙 語るも涙の 十四歳の純情詩集
弐
神隠しの径には いつもそよ風吹き抜けて
神隠しの径には 後ろ姿のあの人が
交わせるならば交わしたい いつか夢見たあの世界
寄せては返す 返せば寄せる 少年少女夏の友
参
花ざかりの森には いつも光が射し込んで
花ざかりの森には 輝き放つ道がある
話せるならば話したい 言わず仕舞いのあの言葉
届かぬ想い 尽きせぬ想い 寂しがりやの夢語り
肆
胸騒ぎの夜には 空が見事に澄み渡り
胸騒ぎの夜には 星が幾つも降りそそぐ
愛せるならば愛したい 愛の意味などわからずに
いつか会える かならず会える 同じ匂いのあの人に
伍
花ざかりの森には やはり妖気が立ちこめて
花ざかりの森には 忘れられない人がいる
出遭ったこと運命なのか これがドラマの幕開けよ
聞くも涙 語るも涙
聞くも涙 語るも涙 十八乙女の恋愛詩集