かつて銀昆で…

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中村昌生先生のこと

2021-09-28 11:17:23 | 日記

今から8年前の日録を再録したい。

 

当時、KBS京都の番組『極上の京都』の構成を担当させてもらっていた。

京都在住の著名人が、わたし流の京都を案内するというもので、

伝統建築家の中村昌生さんが主役だった。

先生は、京都迎賓館の伝統的技能活用検討委員会委員長を務められ、

数寄屋大工平井家旧蔵の、

「小堀遠州好後藤勘兵衛宅茶室」(擁翠亭)を発見された方である。

番組で先生は曼殊院の数寄屋建築の美しさを語り、

宇治平等院向かいに建てられた茶室「対鳳庵」をめぐり、

千本通りにある銘木店を訪ねた。

京都を縦横無尽に歩く精力的な取材内容だった。

 

おれは撮影後も中村先生に懇意にしていただき、

先生が設計され、北山に建てられた茶室の建設現場にも出かけ、

三条のホテルで何度かお話を聞いたりした。

何らかの形でもう一度、先生を中心とした番組を制作したかった。

企画書も作成したのだが、結局のところ実現しなかった。

力不足である。

 

先生は2018年に91歳で亡くなられた。

 

「上野君、君が以前書いた企画の中村先生はご健在なの?」

先日、東京の番組プロデューサーから電話をもらった。

「いえ、あのう…3年前に亡くなられたのです」

「あゝ、そうか、そうなのか」

「……何かあるんでしょうか?」

「いや、ご健在ならちょっと考えたいことがあって。いや、それは失礼した」

「残念です……」

そんな会話だった。

 

常に好奇心とユーモアにあふれた表情で語ってくれた先生。

『極上の京都』という番組だけは残せたが、もう一つ作りたかったな。

 

この番組のナレーションを担当されていた、

五万回斬られた男、福本清三さんも2021年の元日、見罷れた。

合掌。

 

 

「極上の京都」2013年 01月 28日

 

構成で手伝っているTV番組「極上の京都」(KBS京都)が、

本日の夜、オンエアされます。

京都在住の著名人が「私の京都」を紹介するという内容で、

今回は伝統建築家の中村昌生氏が案内人です。

御年85歳。とても元気な先生で、内容も充実しています。

もし視聴できる環境にあれば、ぜひ見て下さい。

KBS京都  1月28日(月)20:55〜21:20

三重テレビ 2月2日(土)12:00〜12:25

テレビ埼玉 2月17日(日)12:30〜12:55

BS-TwellV 1月30日(水)26:30〜26:55

        2月1日(金)21:30〜21:55

 

今回登場される銘木店「松文商店」のご主人が、

HPで撮影内容をアップされています。

こちらもご覧下さい。

https://ameblo.jp/ege399/entry-11435376533.html

 

ナレーションは、「斬られ役」で有名な福本清三さんです。