黄昏どき

老いていく日々のくらし 心の移ろいをありのままに

戦争のない平和な世界を

引揚げ寮の生活(よろこび)

2018年01月26日 | 戦争

貧しい過酷な生活だったが けして暗い気持ではなかった

戦争に負け形のある物はすべて失ったが 

母や姉がいて守ってくれる安心感

 

空襲や敵が攻めてくる恐怖から解放され 

何でも自由にものが言える喜びが大きかった

 

私は健気な少女ではけしてなかった

楽しみは読書

活字であれば何でも読みたかった 

読むことでイメージが膨れあがり

自分だけの空想の世界に浸ることができた

姉が借りてくる小説を片っ端から読む 

母にみつかると まだ読むのは早いと取り上げられる

 何故早いかわからないが 読みたい気持ちがもっと強くなる

 トイレで隠れて読んだり 母のいない時をみはからって読む 

姉の借りてくる本は多種多様だったが

「モーパッサンの女の一生」などが印象に残っている

 

夢中になるあまり子守がおろそかになり 

目を離した妹が二階の階段から転げ落ちたこともあったし

銭湯に連れて行き 浴槽に落としてしまったり ドジが多かった

 

引き揚げ寮での経験で得たことは 

どん底から這い上がる強い力となって今も残っている

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする