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なぜ有名女優は自殺したのか? 韓国社会の悲劇

2008-12-31 | Weblog
韓国の有名女優、チェ・ジンシルさんが今年10月、自殺した。インターネット上の悪質な書き込みが引き金になったとされる。チェさんは多くの人に愛された国民的女優だったことから、韓国社会に与えた衝撃は大きい。韓国のテレビ局が葬式の様子を生中継したほどだ。韓国国会でも、チェさんの自殺が取り上げられ、ネット上の誹謗(ひぼう)中傷に対して厳罰を科し、本人確認(実名制)も強化する「サイバー侮辱罪」の導入も検討されている。

 韓国では、ネット上の心ない書き込みが原因で有名人が自殺したケースはチェさんが初めてではない。2007年1月に歌手のチェ・ユニさんが首をつって自殺。同じ年の2月には女優のチョン・ダビンさんも自殺した。ともに、美容整形疑惑などに関するネット上の辛辣(しんらつ)な書き込みが原因とされる。

 世の中にさまざまな考えの人間がいるので、批判は付き物だ。どんなに良いことをしても、それを悪く言う人は必ずいる。とくに世間から脚光を浴びるスターに対しては、やっかみ半分の悪口やデマも絶えない。最初からネット上の書き込みを見ないことだが、人が自分のことをどう見ているかを知りたくなるのが、人の常というものだ。

 たとえ自分に対する書き込みを読んでしまったとしても、自殺に追い込まれるほどひどい内容というものは、どんなものなのか。チェさんの自殺騒動のとき、記者には外国語である韓国語の語感がないので、ソウル支局の韓国人スタッフにチェさんに対する書き込みをチェックしてもらったところ、「これはひどい」と絶句していた。
具体的な内容は故人の名誉のため控えるが、チェさんに対しては、過激な悪口だけでなく、過去のゴシップまで書き込まれていた。

 韓国語はもともと罵詈(ばり)雑言の類が豊富な言語だ。たとえば、貞操観念のない女性の場合、「コルレ=雑巾(ぞうきん)」と呼ばれる。よく恋人を替える女優は、この「雑巾」のレッテルをはられ、儒教的な文化がまだ残る韓国ではイメージダウンは避けられない。

 ののしる言葉も、日本語は「バカ野郎」「アホっ!」ぐらいだが、韓国語の場合、バリエーションが多い。よく男性が口にするのが「シッパル」。日本語に訳すのが難しいが、英語で言うと、「FUCK YOU!(くたばれ、バカ野郎)」。卑猥(ひわい)なニュアンスを含んだ言葉で、この「シッパル」に「ニョ(女)」をつければ、「淫売(いんばい)婦」という意味になる。

 ネット上で使われている造語もあり、韓国語の悪口の表現方法は数限りない。尊厳を踏みにじるような書き込みを読み続けていたら、誰でも正気を失うかもしれない。

 日本でも、ネット掲示板「2ちゃんねる」などに芸能人に対する、心ない書き込みが載ったり、ターゲットになった芸能人がネット上で“火だるま”にされたりしているが、それでも自殺に追い込まれたという話を聞いたことがない。
“ネット書き込み殺人”は韓国特有の問題かもしれない。しかも最近、こうした悪質な書き込みの被害が増えている。一体どこの誰が書き込んだ分からないといったネット上の匿名性を隠れみのに、流言飛語や誹謗中傷をネット上に流す人間がほとんど野放し状態だ。

 韓国では、生年月日や性別など個人を識別する住民登録番号があり、この番号の入力を求めるサイトが多いが、住民登録番号を盗用して他人に成りすますケースもあり、ネット上の誹謗中傷はエスカレートするばかりだ。

 チェさんの自殺の引き金になったとされる書き込みは、知人で9月に自殺したタレント、アン・ジェファンさんに約2億円を高金利で貸して追いつめたといった内容だった。この書き込みをした女は逮捕されたが、その後もうわさはネット上で流布し、チェさんを苦しめていたとされる。

 一部報道によれば、身長163センチのチェさんが、体重30キロ代になるまでやせ細っていたという。

 チェさんは日本プロ野球の元巨人軍投手、趙成●(=王へんに民)さんの元妻で、離婚後に鬱病(うつびょう)になり、薬を飲んでいたとされる。自殺も計画的ではなく衝動的なものだったという。
チェさんを自殺に追いつめた原因が、単純にネットの書き込みだけとはいえないかもしれないが、主因となったことは確かだろう。

 韓国では、チェさんの自殺以降、「サイバー侮辱罪」の導入が国会やマスコミで騒がれた。

 しかし、2カ月以上たった現在は、まったく話題にもあがっていない。

 チェさんの自殺が社会に投げかけたものを忘れてはいけないだろう。

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