五箇山のもり

五箇山の豊かな自然・文化を桂湖ビジターセンターより紹介

朝日町の夢創塾

2011年11月30日 | 日記
今日は富山県朝日町の蛭谷地区にある夢創塾を見学してきました。



夢創塾は長崎喜一さんが定年後の生きがいの場にと
丸太小屋を造ったのが始まりだそうです。
そして今では、
小学生、地域の高齢者の方々など、
様々な人たちの交流の場となっています。



ちょうど私たちが伺った時は、
炭窯でできあがった炭を出して、
次に炭焼きするための準備をしていました。

この炭窯づくりが、
地元のお年寄りとの交流のきっかけ。
炭焼きを昔からしてきた地元のおじいちゃんたちが、
長崎さんの活動に刺激を受け、
たった二週間でこの白炭窯を造り上げてしまったそう!

この他にも料理窯があって、



ピザなどが焼けるそう。
窯の天井には砂利が敷いてあって、焼き芋を焼いたり、熱発電。
その熱を使って、海水を煮詰めて塩づくり。
その塩づくりからできたにがりで豆腐もつくる。
どんどん広がっていきます!

まだまだあります夢創塾ワールド。



ツリーハウスです。



この二つのツリーハウスの間をジップラインで空中散歩。

そして木登りにブランコ。



この大きなブランコはビヨンビヨン跳ねて楽しい~。
そのまわりをウロウロしているのはアイガモ。
 


アイガモ農法の田んぼからやって来たアイガモたち。
畑などの余った野菜を食べてくれる。ごみゼロ作戦。



ヤギさんもいます。

そして水車で磁力発電。
その池にはイワナを養殖していて
その電気でライトを灯して、
その光りに集まってくる虫がイワナのエサになってしまうという仕組み。
(冬支度のために水車はシートに覆われていましたが・・・)



子供たちが造ったダム。



紙すき体験の材料となるコウゾを蒸す装置も手作り。



コウゾも野生のものを採ってくるそうです。



これを使って子供たちは卒業証書の紙をすくそう。
そしてその卒業証書を入れる額も自分たちで作るそうです。

その他にもお風呂があって、
山で採ってきた薬草を入れて、薬草風呂。



トイレも手作り。炭を使って浄化。







たくさんありすぎて、
伝えきれていない感じもしますが・・・。

このようにいくつもの体験プログラムがあります。
そのどれもが「循環」と「自給自足」の精神がテーマ。

ただ子供たちが自然を楽しんでおしまいではありません。

必要なものは自然の中から見つけ出し、
自分たちの手で作る。
そこには知恵や工夫が必要になってきます。
そしてそのプロセスが生きる力となり、
喜びや感動、楽しみへとつながります。

また森の木を薪や炭にして、それを利用して火を焚き、
ピザや塩づくり、豆腐づくり、紙づくりなどを体験。
日常に結びつくことでこの自然の循環システムがわかりやすく
子供たちも楽しんで理解することが出来ます。

そして地元のお年寄りたちが里山の暮らしや知恵を、
子供たちに伝えることも、ぬくもりのある循環システム。

どれもこれも長崎さんが誰よりも生き生きと
楽しんでいる様子が、
本当に伝わってきて、
お話を聞いていてるだけでもワクワク。
そして何だかホっとする。

たくさんの人たちが集うというのは、
プログラムの充実もさることながら、
やっぱり人なんだと思います。

その人たちとつながりたいという思い。
そんなことを感じました。

それにしても長崎さんの研究熱心さ、そのパワーにはあっぱれ。

冬支度でお忙しい中ありがとうございます。
今度は子供たちの元気な声で溢れる季節に伺いたと思います。



そしておみやげにいただいた、手作りふくろうの彫り物。
事務所の机に飾って眺めていると、思わず顔がほころびます。

そば打ちin利賀村

2011年11月26日 | 日記
今日は朝から車で40分ほどの利賀村へ行ってきました。
利賀村と言えば・・・そば。
そば打ち体験をしてきました。

ここには利賀そば研究会というものがあり、
そば打ち技術の習得や、そばによる交流を行っていて
全国的なイベントにも参加されているそうです。

そして素人そば打ち段位認定会を開催していて、
今日も会員の方たちが、
そば打ちの練習を熱心にされていました。

今日は二八そば(強力粉2:そば粉8)。



はじめにそば粉と強力粉をふるいにかけ、
右手と左手を交互に円を描くようにすばやく混ぜ合わせます。

これはそば粉と強力粉を均一に混ぜるためと
粉と粉の間に隙間を作って水がしみ込みやすくするためです。

そして粉の43%~44%の水をまず三分の二入れて、
先程と同じようにすばやく混ぜ合わせ、残りの水を入れます。



粉っぽさが完全になくなったら、
手の中で粉の一粒一粒を転がすようにまわします。



そうすると粉同士が自然にくっついてきて
丸い玉のようになってきます。



ひとつにまとめ終わったらしっかりとこねていきます。



そして片手でひねりながら、もう片方の手で押えていきながら、
生地の中にたまった空気を抜く菊ねりをします。



菊模様になった部分を寄せていってへそを作って、
円錐状の形に整えます。

そしてここから「延し」と呼ばれる工程。



手のひらを使って生地を押し広げていきます。



麺棒で押して生地をまわしながら、
延ばしてきます。



ある程度、生地を延ばしたら、
今度は四角い形に延ばす「角だし」です。



そして厚い部分を均一にする「肉わけ」をします。



そうすると丸かった生地が四角になりました!

そして最終の仕上げ、
生地の厚いところを麺棒で延ばしていきます。





そして折りたたんで、



切っていきます。



板にこするように包丁を動かし、
包丁を傾ける事で左にずらしながら切っていくそうです。



できあがりです。

先生は簡単にやっておられますが・・・。

先生が打っていたのは、
そば粉100%・つなぎは卵水の10割そばです!

これは私が打ったおそば。



生地をこねるのと、
丸い生地を四角に延ばすのがなかなか・・・。

麺棒の使い方がちょっと違って、
猫の手のように長い麺棒を持って、
生地を均一の厚みにするのが難しい。

先生は横から見ているだけで
ここが少し厚いなどとわかるようで。
さすがです!

今回は初めてであっという間に終わってしまいましたが、
楽しかったぁ~。
これまたそばの世界も奥が深そうです。

同じ粉モノつながり、
もう少しじっくりやってみたいなぁ。

事務所に帰ってみんなでいただきました。
初めてにしてはなかなか好評!
おいしかったぁ~。



山の存在

2011年11月25日 | 日記
今日は急きょ、
五箇山自然文化研究会主催の
山岳修験のルーツを探る研修会に参加してきました。

雪の降る中、岐阜県の石徹白に行き、
白山神社・白山文化博物館・白山中居神社などをまわりました。

桂湖も白山国立公園に指定されているので、
白山のことを知らなくては・・。

白山は富士山・立山とともに「三霊山」とされ、
古来より人々は「白き神々の座」と信じ、
信仰の対象として崇めてきました。

農業用水の源であることから水神様、
また海上交通の目印として航海と漁労の守護神でもあったそうです。

白山信仰の村・石徹白にある白山中居神社は
老杉の大木に囲まれたとても神秘的な神社です。









この白山信仰(はくさんしんこう)は
加賀国、越前国、美濃国(現石川県、岐阜県)にまたがる
白山に関わる山岳信仰です。

日本では、もともと「山」に対して二つの信仰が存在してきました。

一つは遠くから眺めて神秘を感じ、
山の神に感謝を捧げる「遥拝(ようはい)」、

もう一つは、山中に分け入って厳しい修行を積み、
宗教的境地を目指す「修験」があり、

白山には全国から修験者(山伏)が集まってきたそうです。

どちらの信仰においても、
白山ほど霊峰という冠が似合う山はなく、
神々しいまでの美しさは多くの人を魅了し続けています。

昔の人たちにとって、
山の存在というのは、
暮らしを支えてきた命の山。

今の私たちが山に抱く思いとはまた違った、
大切な思いがあることを知りました。

白山・立山と登りましたが、
そういう思いを胸に登ると、
また新たな発見や感動があるんでしょうね。
勉強になりました。
自然は本当に奥が深い・・。

そして地元の方たちによる郷土料理をいただきました。



すべて地元の素材。
じゃがいものえごま和えと
自家製お味噌汁が絶品でした。
これぞ贅沢。

地元の季節の素材で、
地元の方たちがもてなしてくださる。
まさに地産地消・身土不二。

あたたかいおもてなしに感謝。



そして五箇山にも郷土料理の名人がいます。
そのすみえさんからいただいた、
たくさんのお野菜が今日のおみやげ。
野菜好きの私には何よりもうれしいおすそわけです。
ありがとうございます。

また郷土料理を教えていただきたなぁ。



バイバイ桂湖また来春

2011年11月24日 | 日記
今日で桂湖ビジターセンターは冬季閉鎖されます。
桂湖への道のゲートも閉められてしまいます。





雪が降る中での引っ越し。
何だかとってもさみしい・・。

たった2カ月しかいなかったけれど、
毎日毎日いろんな表情を見せてくれました。
五感をめいっぱい感じさせてくれました。
ありがとう。

来春までしばしお別れ。
って五月までは、半年もあります・・・。
(本当は雪が積もるギリギリまでいたいところだけれど・・)
冬の桂湖もきっとステキがいっぱいなんだろうなぁ。

明日からはタカンボースキー場。
こっちで冬のわくわく探します!

1122で高落場山

2011年11月22日 | 日記
今日は11月22日。
いい夫婦とかけて、
1122mの高落場山に夫婦で登りましょうという
イベントがありました。

実際夫婦での参加者はいませんでしたが・・・
11人でたいらスキー場を出発。

昨日の雪で上の方はけっこう積もっているかも・・。



ガイドは五箇山自然文化研究会の
よしのやの真照さんと本谷さんです。

今日歩く道は「道宗道」と呼ばれる道です。

道宗というのは、500年程前の五箇山の住人で、
蓮如上人の教えを受け、篤い信仰生活を送りながら、
五箇山地方に真宗の教えを広げた人物です。

そして月に一度井波・瑞泉寺へのお参りに行く道が
「道宗道」と呼ばれるようになったそうです。



朴峠の登山口から旧五箇山街道を進んで行きます。
うっすら雪が積もっていますが、
登っていくうちに・・



一面の雪に。
おひさまも出てきて、











木に雪が吹きつけられて積もっています。
本当にもうきらっきらっ!
寒さなんか忘れてしまいます。

そして朴峠と高落場山の中間あたりにある、
「南砺市のへそ」
南砺市の地理的中心にある場所に到着。





白山を望むこともできました。





そして秋もまだ残っていました。




ムラサキシキブ


ぶなの実

ここからさらに雪深くなり。
初かんじきで
ラッセルの先頭に命じられました。



靴に縄で結びつけるだけのシンプルなものですが、
さすが昔からの道具です!
ざくざく進んでいけますが、
頂上付近は4、50cmはあるさらっさらっの雪で、
さすがに埋まる埋まる・・・。

でも誰も歩いていない真っ白な雪を進むのは最高です。



そして頂上に到着です。
バンザーイ!









少し雲が出てきましたが、
立山・弥陀ヶ原や槍ヶ岳なども見えました。

お弁当もおいしかった~。

帰りは木に積もった雪も落ちはじめて、
朝とは違う景色になっていました。

本当に自然の美しさって一瞬のもの。
一期一会です。
ありがとう。