五箇山のもり

五箇山の豊かな自然・文化を桂湖ビジターセンターより紹介

茅葺きワークショップ

2011年11月20日 | 日記
今日は先月の茅刈り体験ワークショップに引き続き、
茅葺きワークショップに参加してきました。

今回は茅葺きのセミプロの方たちの参加もあり、
総勢50名程という大人数での開催でした。

五箇山合掌の里の茅葺き体験施設で
富山県西部森林組合五箇山支所の茅葺き職人の方たちが
講師をしてくださりました。



こんな間近で茅葺きの屋根を見て、
実際に葺くことができるなんて、
五箇山ならではの体験施設です。

まずは合掌造りの骨組みを緊結している“ネソ(マンサクの若木)”を
縄のようにするネソねりを教わりました。

ネソと呼ばれるのはマンサクの木。
マンサク(満作)は
花をたくさんつけるので「満咲く」、
早春に咲くので「まず咲く」ことが名前の由来。

マンサクはとてもよくたわむ弾力のある木なので、
少しずつ曲げていけば折れません。



少しずつ足で押えながら・・・
みるみるしなっていきます。





曲げた部分に象の鼻のようなシワが入るといいようです。

そしてこれをねじっていきます。



最初の方は枝が細いので簡単にねじれますが、
だんだん太くなってくるので、なかなか力が必要です。



これを叩いていくと、強い縄のようになります。

そしてこれを使って骨組みを結束していきます。



枝の太い部分を軸にして、締めていきます。



そうするとみるみる締まっていき、しっかり固定されます。
このネソが乾燥すると縮んで、さらに強く締まるそうです。



そしてネソの端を縄で結んでとめます。
ツノ結びという結び方で、雪囲いもこの結び方だそうです。

まだ家の雪囲いが終わっていないので、
これは覚えるしかないでしょう。
教えてもらいながら何回も、練習しておきました。

職人さんはさらっとやってしまいますが、
縄の結び方一つにしてもそう簡単にはいきません。



次はいよいよ茅葺き体験です。





セミプロの方たちは難易度の高い、
屋根の妻の部分、ハフを葺いていました。
このハフの隅のハフジリは軒の角度をつける基準となり、
屋根の厚みを決めるとても重要で難しい所だそうです。

この場所は一人前の職人さんしかやらせてもらえないとか。

私たちは屋根面のヒラを葺いていきました。



長い木の棒に縄を通して、
針と糸で縫うように、カヤを縫っていきます。
内側にいる人との連携プレー。

そして茅を押さえるヌイボクに縄を結びます。
ヌイボクも同じマンサクですが使う部位で呼び方がかわるようです。



ヌイボクに結んだ縄をしっかり締めるために、
縄を引っ張りながら、叩いていきます。



この作業を繰り返しあの美しい合掌屋根になるわけです。

本当に合掌づくりは昔の人の知恵のかたまりです。

屋根の骨組みを固定するネソにしても、
しなやかで、丈夫なマンサクの性質がいかされています。

合掌屋根を支えるマンサクの強さにも驚きですが、
自然の素材を知り尽くし、
それを使いこなす昔の人たちの技術は感動ものです。

自然にあるものを使って、
人間の力で一つ一つ作り上げていく。
当たり前のことかもしれないけれど、
今の時代にはとても貴重なことです。

自然と共に生きてきた証です。

今日体験したのはほんの一部分ですが、
まだまだ知恵や工夫がたくさん
つまっている合掌づくりなんでしょうね。

そして今もこの技術を伝え、
守り続ける亀清さんをはじめ、
若い職人の方たちを尊敬します。

やっぱり職人さんはかっこいいです!