五箇山のもり

五箇山の豊かな自然・文化を桂湖ビジターセンターより紹介

きらきら雪

2011年12月28日 | 日記
昨日から今日の晴れはわかっていました。
だから昨日の夜から何だかウキウキッ。

やっとやっと、マイかんじきデビューです。



キラッキラの雪の上を歩いて・・。
なかなかこのかんじき調子いいっ!
何だか自分で作ると愛着がわいてきます。





タカンボースキー場からほんの少し歩いただけで、
こんなステキな世界が広がっています。

本当にぽかぽかで、ただただ気持ち良い!

昨日までの雪かきではぁ~ってなってた気持ちが、
本当にちっちゃなこと。
雪の力、自然の力ってこういうことなんだろうなぁ。



そしてまだ柿がなっていました。
本当は渋柿で渋くて食べられないはずだけれど、



しっかり熟しているので、とっても甘くて、冷たくて、おいし~い。
山からのとびっきりのご褒美です。
自然の恵みに感謝。



そして動物の足跡もちらほら。

今シーズンこの辺りで、
みなさんとかんじきトレッキングができるように、
フィールド探しを頑張りたいと思います!

福野歳の大市

2011年12月27日 | 日記
今日はエコツアーガイド養成講習会の案内もかねて、里に降りたので、
「福野歳の大市」に行ってきました。



慶安3年(1650年)の町立てから現在まで続く、福野地域の朝市。
その朝市の締めくくりであり、年末の風物詩となっているのが「歳の大市」です。

JR福野駅近くの交差点を中心に200余りの店が立ち並び、
市のシンボルである臼や杵などの木製品、
正月用品、野菜などが道路を埋め尽くします。





このお店で、
おじいちゃん手作りの竹ざるを買いました。



とってもしっかりしていて、とってもきれい。
手作りの温かさが伝わってきます。
もう一つ大きいサイズも買っておけばよかったなぁ。

2011年もそろそろおしまい。
年末気分を味わってきました。




THE五箇山

2011年12月26日 | 日記
ここ最近どんどんの雪が降り積もっています。

菅沼の合掌づくりも、







これぞ五箇山してます。

私はと言うと・・・。
初っ端からのこの大雪にちょっと悩まされております。



私のお家はちょっと雪に埋もれ気味。

毎朝玄関から車までの道をつけ、
(これがなかなかな距離)
車の屋根雪をおろし、雪に埋もれた車のまわりをかいて、
除雪車が作っていった壁を砕き、
ようやく仕事へと出発できるわけで・・・。

そして今日仕事が終わって家に帰ってくると、



入口がない・・・!
降り積もった雪と屋根から落ちてきた雪で玄関が閉ざされていました。

これはどうしたものか。
スコップは家の中だし・・・。

写真なんか撮りながら、どうしようかと。

迷惑かけたくはないけれど、真っ暗だし、ちょっと心が折れそうだったので、
ヘルプを呼びました。

待っている間に何とか雪をかきわけ、スコップをゲット。

途方に暮れながら少しずつ雪をかきかき。

そしてスノーダンプのお助け登場。

今までスノーダンプがなかったので、スコップでちまちまやっていましたが、
これからは心強い味方ができました。

しかしかいた雪はどんどん貯まっていくし、これからどうすれば・・。

雪国暮らし、これが当たり前なのか、このお家がちょっとレアなのか。

まぁどちらでもよいけれど、
心地よい暮らしができるように、
日々こつこつとやっていくのみです。

ホンコサマ

2011年12月25日 | 日記
今日は五箇山に来てからず~っとず~っと気になっていた、
ホンコサマ(報恩講)に招待していただきました。

ホンコサマとは、
この地で深く信仰される浄土真宗の宗祖、親鸞聖人の命日(11月28日)の前後に、
宗祖親鸞聖人に対する報恩謝徳のために営まれる法要のこと。

毎年一年の収穫を終えた11月から12月にかけて、
各集落の各家ごとに僧侶や親戚・近所隣の人々を招き、
ご先祖の供養が営まれます。
そして説教を聞いた後に出される精進料理の御斎(おとき)
ホンコサマ料理がもてなされます。





御膳は朱塗りの「宗和膳」が使われ、
この日のためにとっておいた一番出来の良い野菜や山菜を材料に、
心を込めて作った料理が出されます。

この御膳、昔はどの家にもあったとても大切なもの。



こんな形で一つ一つ大切に保管されています。

五箇山地方では
この朱塗りの御膳を仏事などに使い、
黒塗りの御膳は祭りや嫁取りなどめでたい時に使っているそうです。



左端の上が「おひら」



豆腐、里芋、ごぼうなどの煮しめ。
五箇山ではこの堅豆腐(五箇山豆腐)はかかせません。
この大きなお豆腐がふたの代わりになっているそう。

そして右端の上が「つぼ」(こくしょ)。
ささげ豆の甘煮。

その隣が「こじり」
しいたけ、人参、こんにゃく、すすたけなどの煮しめ。

真ん中が「中盛(なかもり)」
ぜんまいの辛子和え。

その他にも「じんだ」青豆をすりつぶし、ワラビなどで和えたもの。

あとは「あずきおつけ」。
これはホンコサマ御膳の特徴づける一品で、
親鸞聖人の好物であるあずきを使ったおみおつけです。
(つい話に夢中になって、写真を撮らずに食べてしまいました・・。)

そしてご飯は一口分だけ。
昔はひえなどが主流で白いお米はとっても貴重品。
そのためホンコサマの時だけはたくさん食べてもらおうと、
一口分だけしか盛らないことでみんなが必ずおかわりする。
遠慮しないような心づかいが感じられます。

そしておひら、つぼ、中盛は持ち帰ってもらって、
とにかく白いお米をお腹いっぱい食べてもらう。

おもてなしの心です。

そしてお食事の後は、「チャノコ」
ガヤ豆、干し柿、栗、みかんなどのおやつをいただきます。

野菜大好きな私にとって精進料理は大ご馳走。
そして大豆などを使った、料理の仕方はどれも勉強になります。
その他にも黒んぼう、こんか味噌、香ばしなどなど興味津津な料理の数々。
話を聞いているだけで楽しいやら、食べてみたいやら、
作ってみたいやら。

私がとても興味を持っている、
五箇山の郷土料理。
雪深い地域だからこその保存食。
すべてを無駄にしないもったいないの気持ち。
そのどれもが理にかなっている。
この厳しい環境を受け入れ、その中で暮らしてきた人々の知恵。

ちょっと不便な場所にある五箇山は、
もしかしたら、昔の暮らしに一番戻りやすい場所なのかもしれない。

五箇山に昔からあるおもてなしの文化。
それを今もかわらず続ける五箇山の人々。

家族の結びつきが少なくなってきた現代に
ホンコサマを通して、家族や人々のつながりを感じて、
感謝の気持ちをあらわす。

本当にすばらしい文化です。

昔からの伝統や文化があまりない土地で育ってきた私にとっては、
今回のホンコサマを実際に味わうことができて、本当にうれしかった。
とてもうらやましい五箇山の暮らしをまた一つ体験できました。

そんな外から来た私を家族の大切なホンコサマに呼んでくださった、
真照さんとその家族の方たちに心から感謝します。
ありがとうございました。

かんじき作り

2011年12月23日 | 日記
今日はかんじき作りに挑戦!
茅葺き職人でもある亀清さんに教えていただきました。

亀清さんのお家の工場で作ることに。
私のお家のすぐ近くなので仕事帰りに前を通ると、
車庫の二階の電気がたまについてたりします。

そこが亀清さん曰く趣味のお部屋。
中には木工の機械などがたくさんありました。
こけしや木の湯飲みなどを作れてしまう、
木工旋盤も!!
亀清さんお手製のの可愛らしいこきりこのこけしもありました。

そして亀清さんと言えば茅葺き。





茅葺き屋根の模型がありました。
これが本当に精巧ですばらしい!
大きさが小さくなっただけで、
骨組みなどの構造や縛り方、茅の葺き方も実際と同じ作り。
しかも屋根がはずせるので、内部の構造もわかります。

茅葺きを知り尽くしているからこそできる技!見事です。
それにしても本当に器用なお方です。

まずはかんじきを観察。





かんじきは雪国で雪上を歩くために昔から使われてきた木と縄で作った履物。
雪の上を普通の靴で歩くと、
踏み固められていないふわふわの雪の上は足を取られて思うように歩けませんが、
かんじきをはくことで体重を分散させ雪の上が歩きやすくなります。

かんじきは「輪かんじき」「和かんじき」「ワカン」などと呼ばれ、
漢字で書くと「橇」。「そり」と同じ字だそうです。
雪の上を滑るから?

かんじきは地方によりそれぞれ特徴がありますが、
五箇山や飛騨地方などでは「くろもじ」の木を使います。
(そう、秋に飲んだクロモジティーの「くろもじ」です。)



もう一人の先生である道端さんがあらかじめ曲げておいてくださったものです。

くろもじは木の成長が止まる秋に切り出します。
そうすると木が締まって固いので丈夫なかんじきになるそうです。

そして湯で煮立たせて、皮をむいて、曲げます。
皮がついたままだと、雪がくっついてしまうので、きれいにはがします。
昔は灰の中に入れて曲げていたそうです。

この中から前後左右の大きさ、太さが、
だいたい同じようになるものを選びます。

そしてツメをつけます。
このツメは滑り止めとして斜面などを登る為に必要になってきます。

ナラなどの堅い木がいいそうです。



ツメに溝を突いて、くろもじの枠を内側・外側にはめ込んでいきます。



これがなかなか手間がかかりまして・・・。
くろもじの木の太さがすべて違うのでそれぞれに合わせて、
削らなければならない・・・。
これが自然の素材を使う難しさでもありますが、
一つ一つ根気よく作り上げる手仕事の良さなのかもしれません。

そして、重なった部分を針金で固く結びます。



枠が完成。



そして足をのせる部分を張っていきます。



そしてついにかんじきの完成!



簡単そうに見えますが、
片方作るのに4時間近くかかってますから・・。
やっぱり問題はツメです。

それにしても実際に作ってみてわかることって、
本当にたくさんあります。
やっぱり体験するということは大切なことです。



ちょっと試し履き。
雪のない場所ではツメが引っかかってちゃんと立つことはできませんが・・・。

このかんじきの固定の仕方にもいろいろあって。

斜面を登る場合は、足の甲の部分しか縛りません。
平地を歩く場合は、ひもを後へ回してクロスさせ前でしっかり縛ります。
雪崩が起きた場合、長靴ごとかんじきを履き捨てて、
逃げやすくするための先人の知恵だそうです。

本当に知恵のかたまり。



フカグツと呼ばれる、雪の中を歩く藁製の長靴もありました。

苦労して作ったマイかんじき。
早く歩き心地を試したいなぁ~。

遅くまでかんじき作りを教えてくだった亀清さん・道端さん、
ありがとうございました。