お誕生日

子供達が寝静まって、乾いた洗濯物をたたみながら子供がちゃんと布団をかけているのかそっと寝室を覗いてみましたタティも一緒に、3人並んでちゃんと首まで布団を掛けてすやすやと眠っていますどんな夢を見ているのでしょうかその寝顔、皆満足そうに嬉しそうに笑いながら寝ている気がしますそんな3人の寝顔を見ながらそっとドアをしめ私は、洗濯物の前に座りましたゆうちゃんの110センチのシャツ、KKの130センチ用のズボン、タティの赤いトレーナー床暖房の上で一つ一つの洗濯物が温度を持ち始め、なんだかその温かな服が愛おしく感じてきました有難うという言葉とともに今日は私の誕生日『ママ、お誕生日おめでとう』耳元で囁くゆうちゃんの声で眼が覚めました『そう、ママの誕生日なんだよね有難う、ゆうちゃん』日常と変わらない一コマの中にある『お誕生日おめでとう』の言葉そこから、その日は特別な日として時を刻み始めました『おめでとう、ママ』『ハッピーバースデー、ママ』皆がこっちを向いて笑っています『有難うね』家族がいて自分の嬉しい時を一緒に喜んでくれることにまたしてもジーンとなる自分がいますそして誕生日スペシャルイベントが決まりました劇団四季のキャッツを鑑賞しに行くことに決定したのです4歳になったゆうちゃんでもきっと判るきっ子供も感動してくれるはず本物を子供達に知って欲しいそんな思いで決まりました会場日向かう途中、『猫を見るの』『怖くないの』『それは人間がやってるの』『触れる』次々に子供達から質問が飛んできますそういえば家族揃ってミュージカルを観に行くの初めてです子供達どんな感想をもってくれるのでしょうかブレイクに食するためのおにぎりと飲み物をバックに詰めてシアターに到着しましたそして開演が近づく放送が流れ、席に着きました会場が暗くなっている中、曲が流れ始めるとゆうちゃん『ママ、怖い、怖い抱っこして』と私の手を手繰り寄せています『怖くないよ、大丈夫、大丈夫』といっても耳元で『ママ、怖いって抱っこして』と怒り始めましたしかしあのしなやかな動き、豪快なステップ、透明感のある素敵な歌声、そして大迫力の大仕掛けのステージに子供達、心が入り込み始めました気がつけば、猫が歌を唄い終わるごとに、ゆうちゃんもKKも観衆の拍手喝采の渦の一人として嬉しそうに手を叩いています『あの猫ぼろぼろの服で一人だよ友達いないんだ』『皆友達にならなくちゃ駄目だよね』ブレイク中もおにぎりを片手に猫の話で盛り上がり、昆布が口の周りについて髭になっているのにも気がつかない程そして二部には近くまで猫が近づいてくると怖がっていたゆうちゃんも身を乗り出してみていますそして終了時には大きな拍手そして猫が座席に握手をしに回ってくるとゆうちゃんもKKも嬉しそうにてを伸ばしましたまさにこれぞキャッツの魅力です帰り道、星が輝く空をみながら子供達が言いました『ママ、楽しかったね』『最初は怖いと想ったけれど、凄く面白かったよ』『あの猫は空に飛んでいって今何処に行っちゃったんだろう』っと『ねッ』っと顔を見合わせて笑う私とタティ私の頭の中にはあの『Memories』の曲が途切れなく流れていましたそして思い出しました私が人生で最初に連れて行ってもらったミュージカルはロンドンに家族旅行に行った時にみたキャッツだったということをあれは25年程前の話自分の家族と初めてみたのがキャッツ、そして自分の築いている家族と初めてみたのもキャッツ色んな感情が湧きでて、嬉しさのあまり駅からの帰り道、電柱の裏に隠れたり、ターンをしたり、架空の尻尾を回したりしてダンスをしながら自宅まで帰りました『ちょっとママ、なんだよう』『尻尾回しているのなんじゃそりゃ』そんな冷たい子供達のコメントは一切気にならず踊る足を止められませんでした夜空の星がいつもよりたくさん光っているように見えました洗濯物を見ながら、思うのです皆と家族になれてよかった、有難うっとこれからの一年も自分色に輝いていられる一年になるよう頑張ろうと思いますお誕生日とは不思議ですねいつも新たな気持ちでパワーを生み出してくれます皆さん、ご自身のお誕生には何をしますか素敵な夢をおやすみなさいませ

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