生活保護制度改革(3) ~ 『医療扶助』と『医療費』の比較

2013-10-09 23:32:21 | 日記
先のブログ記事に書いたように、生活保護費の内訳で最多額は医療扶助である。高齢化の進展が確実な中でこれまでの運用を続けていくと、今後ますます医療扶助費の総額も増えていくと見込まれる。

下の資料1〔=:医療扶助費における構成割合(平成21年度)〕を見ると、生活保護受給者の入院割合は、国民健康保険等の利用者よりも高くなっている。また、下の資料2〔=生活保護の医療扶助と国民健康保険等の比較(平成20年度)〕の通り、受診率の違いもあって1人当たりの医療費は生活保護受給者の方がかなり高いことがわかる。

医療に係る総額について、生活保護受給者は1.4兆円、市町村国保+後期高齢者は21.3兆円と、桁違いではあるので単純比較には難しい面もある。社会保障財政全体の観点からは、『医療扶助』よりも『医療費』の方が合理化効果は遥かに高い。

しかし、真に生活保護を必要としている人々への生活保護に関して、こうした実態から来る生活保護への批判や非難が大きな悪影響を及ぼしていることは事実だ。『医療費』にも相応の強い合理化策が必要であると同時に、『医療扶助』にも相応の強い合理化策が必要である。医療利権の配分先は、患者だけではない。これら両方の医療分野に、財政需要規模の上限を規制するような『高齢社会政策面での痛み』がないといけない時期にとっくに入っている



<資料1:医療扶助費における構成割合(平成21年度)>

(出所:厚生労働省)


<資料2:生活保護の医療扶助と国民健康保険等の比較(平成20年度)>

(出所:厚生労働省)

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