生活保護制度改革(1) ~ 事業費の半分を占める医療扶助の抑制から始めるべき

2013-10-05 16:20:48 | 日記
介護・医療に関する公的サービスは、一定の自己負担をしつつ介護保険制度・医療保険制度を利用することが大原則だが、生活保護は例外である。資料1〔=生活保護基準の内容〕に示されているように、生活保護には8つの扶助がある。生活保護費は、資料2〔=生活保護費負担金(事業費ベース)実績額の推移〕の通り、医療扶助や生活扶助を中心として年々増加してきている。

資料3〔=年齢階層別被保護人員の年次推移〕によると、生活保護受給者の過半数は60歳以上の者になっている。これらの実績から察するに、生活保護の実態においても高齢化に伴って医療扶助と生活扶助が高止まりないし増加傾向であることが窺われる。

生活保護制度については、去る8月より生活扶助の減額が始まったが、昨日の厚生労働省・社会保障審議会生活保護基準部会では、生活扶助以外の他扶助や加算制度に関する検討が始められた。生活保護制度とて、不断の検証や見直しが必要であることは言うまでもない。それに当たっては、最低生活の保障であるという生活保護の目的に沿いながらも、生活保護による扶助が100%補助金であることを重視せざるを得ないだろう。

生活保護が真に必要な人々に一人でも多く支給されるようにするには、マクロの視点からは、受給者一人当たり保護費を抑制していくべきだ。そうなると、費用項目の多いものから抑制していくことが合理的であり、最大の焦点は医療扶助の抑制となる。その他の費目に関しても極力合理化していくべきではあるが、生活保護制度改革に係る費用対効果を考えると、やはり医療扶助に切り込む以外に妙案はない

先のブログ記事にも書いたが、医療保険制度における患者負担割合は、2011年度実績ベースで約15%である。医療サービス需給両側の既得権を徐々に縮減していくしかない。生活保護受給者にも医療費の自己負担を課すことなど、真剣に取り組んでいくべきだ



<資料1>

(出所:厚生労働省)


<資料2>

(出所:厚生労働省)


<資料3>

(出所:厚生労働省)

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