この本、何年前に読んだのでしたっけ?
あの時の感動よもう一度と映画もとてもよかったです。
細部は忘れてしまっていたけれど、
全体に流れる温もりや、静けさがなんとも言えず心地よく、
決して涙を誘っていないのに、じんわり浸れるものがありました。
吉岡の授業形式で進行するとは予想外でした。
演出もうまいですね。
そして吉岡の寝癖がまたルートになっていてそのユーモアにも脱帽。
吉岡っていうとはっきりしなくて殴りたくなるような役ばっかりだったけれど
今回は本当にいい数学教師になっていましたね。
正直、数学はアレルギーで脳みそが拒否反応ですが
こんな数学教師に教わっていたらもっと数学が好きになっていたかもしれません。
寺尾聰の博士もはまり役。
全然違う人を想像していたけれど映像でみてみるといいなあって思いました。
隆成くんはやっぱりかわいいなあ。
この子は以前、自閉症の役でドラマにでていましたがそのときから注目の子です。
そして深津さん。
ママは美人だから大丈夫って息子に言われてめっちゃ嬉しそうな顔。
女性に最も好感持たれるタイプの方ですよね。
それでも、義姉からは嫉妬されてましたけど。
80分しか記憶がもたない。
連続した80分であればきっとそれは一日中、復習、反復の繰り返しなんですね。
しかし、一旦事象が離れてしまうとそこで記憶が中断されるわけで、
翌日になり、訪れてみると全てがリセット。
決して「その話は一度聞きました」とは言わないことと子供と約束するママ。
訪れるたびに足のサイズを聞かれ、
24です。4の階乗です・・・って。
そして実に潔い数字だと一日の始まりが素敵でしたよね。
数字にこんなに意味があったとはいちいち感動でした。
ルートは全てを守ってくれる友情に篤いそうです。
虚数は虚しいと書いていたのに、それは謙虚な数字だったのね。
家政婦の誕生日は2月20日。
博士の腕時計は博士号を取得した数字、284。
この二つは友愛数で結ばれている。
約数の和がお互いを表している。
神の計らいを受けた絆で結ばれている数字なんですって。
なんてロマンティックなんでしょう。
そして博士の子供好きにもほのぼのするものがあります。
ルートを心から愛してくれた博士。
賢い心が詰まっているといつも頭をなでてくれてました。
子供は常に愛されてないといけないというの。
ちょっと育児に自信を失くした世間に響いたといいですね。
博士を全面的に支持していた深津@家政婦でしたが、
一度だけ息子が怪我をしたことがあり
博士に任せたのが無責任だと監督になじっていたシーンがありました。
そのときの博士の悲しみを共有したルートに泣かされました。
すぐに反省して、息子に謝るママもいいですよねえ。
ルートがこの博士のもとで大きく影響を受けたというのは
本当にすごく分かります。
家にある黒板に何かというと板書していた博士でしたが、
吉岡がクラスの生徒達に話している口調と同じじゃないですか?
時に楽しそうに語る数学への愛と情熱は
そのまま生徒へと伝わっていった模様。
きっとこのクラスは数学好きが増えそう。
映画では描かれてなかったけれど
確か博士は記憶する時間がどんどん短くなり
一緒にいても混乱するようになっていったはず。
最後はかつて愛した義姉が博士を施設に入れて
時々見舞うケースだったかな?
その辺が曖昧になっています。
数字というのは厳然と存在する揺るぎのないものだという印象があったのに
ほんのり優しく多くを語ってくれるものに見えてくるという魔法にかかりました。
そして博士からもらった素敵な言葉は、
大切なものは目には見えない・・心で見るんだって。
星の王子さまも同じことを言ってました。
童話のように心に響く珠玉の映画でした。
原作本も、映画も良かったですね。
心が温かくなります♪
吉岡の数学教師が意外とはまっていて良かったですよね。数学を愛してやまないって私からすると信じられない人種なんですが(苦笑)こうやって数字に愛を見出せるって才能ですねえ。
原作読んで号泣したので、あの感動を壊されたら嫌だと思っていたのですが、原作と同じくらいの感動でした。いい映画でしたね♪