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予測的姿勢調節

2017-03-17 00:30:43 | 解剖・生理・運動学

【予測的姿勢調節(Anticipatory Postural Adjustment:APA)】


随意運動を行う際に先行してみられる姿勢反応のことである.



例として,両上肢を前方へ挙上させたとする.


本来であれば,重心は前方へ移動するため,前方へ姿勢が崩れることになる.


しかし,健常人であれば前方へふらつくことはない.


理由は,両上肢を挙上する前に,無意識的に後背部の筋群が活動して重心を後方へ移動させているためである.


この後背部の筋群が,両上肢の挙上に先行して無意識的に活動することをAPAと呼ぶ.


このAPAは脳幹や小脳,大脳基底核,大脳皮質からの下行性経路により実現されている.



下行性経路は,主に錐体路と錐体外路にて形成される.


錐体路は


①四肢の運動を制御している外側皮質脊髄路(錐体で交叉する錐体路の90%)

②体幹の運動を制御している前皮質脊髄路(錐体で交叉しない錐体路の10%)


により形成される.



錐体外路は,脳幹から脊髄に至る以下の4つがある.


①四肢の屈筋を興奮させて伸筋を抑制する赤核脊髄路

②視覚性の反射的な頸部筋を制御している視蓋脊髄路

③内側は頸部・上肢,外側は体幹・下肢の平衡を保つ前庭脊髄路

④橋からの経路は同側,延髄からの経路は両側の体幹を制御している網様体脊髄路



また,小脳から脊髄に至る以下の3つがある.


①脊髄小脳路

②皮質橋路

③橋小脳路





 

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