神戸の洋食レストラン グリルミヤコ

洋食レストラン「グリルミヤコ」シェフのつぶやきや、ニュース、楽しいお話をお届けします!

グリルミヤコのソース

2011-02-27 10:03:21 | シェフのつぶやき
週1回ペースでカズがシチューを仕込んでくれていまして今日は、ジュドブフ(ほほ肉・ツラミ)と黒タンを煮込んでくれているはずです

黒タン・ツラミ・テールを週1回仕込む事によって使って少なくなったソースの量が元にもどるのです

何度も言っていますが、僕の親父が神戸でお店を始める前にお船から持って降りたものです

そのお船でも同じように作っていて親父の前更にその前と”戦前”から受け継がれてきて親父が言うには楽に百年は続いているソースだそうです

親父が船を降りた理由は姉が生まれるのが1番大きな理由ですが今では当たり前になって来た経営統合によるリストラも有ったと思います

僕とは会った事が無い方でも姉は良くご存知だと思います。彼女も料理補助やサービスなど僕が転落してからというものお店の経営という大仕事を日々取り組んでくれている彼女には特に感謝しています

僕が転落して助かっても脳挫傷の後遺症で身体は思うように動かず高次脳機能障害で精神的に不安定になり料理には全く興味が無くなった僕を救ってくれたのがこのソースでした

高次脳機能障害の症状には色々あるそうですが、僕の場合軽い記憶障害と軽い精神障害を患っていますが記憶をたどって親父がソースについて言ってた事を忠実に再現していきました。

思い出す事によって僕のリハビリにもなり今では自分の思う理想のソースになって来ました


今日ではデミソース(デミグラ(笑)と言う言い方が一般的ですがこの言い方は英語で、フランス語ではソースドゥミグラスになるのですが言い易いようにドゥミソースと言っています(親父はドミソースと言ってました)

ソースドゥミグラスはフランス料理ですが現代のフランス料理とは大きく違います

フランス修行時代に店のシェフにこのソースの事を聞くとそれはソースブレジェール(ブレゼール)だと教えてくれました。

彼がアプランティー(見習い)の時には確かに有ったそうで、そんな作り方のソースはもうフランスには無いと言ってたので、そんな貴重なソースを僕の代で無くしては非常に勿体無い事だと思ってます

自分の命が続く限りこのソースを守って行きます