The Spanish Treasure Ships (8)
Meantime the King of Spain, who, as you may suppose, was very anxious for the safety of his treasure, fitted out a large fleet of ships of war under the command of Don Alonso de Bazan－a younger brother of the celebrated Alvaro de Bazan, Marquis of Santa-Cruz－to go to the Azores, and capture, destroy, or drive off the English. Some of our cruisers on the coast of Portugal found this out, and sent a small pinnace to warn Lord Thomas of what was coming. She had not much start, however, and did not reach him till the Spaniards were close at hand.
Howard immediately saw that it would never do to be caught between this great fleet and the land, so as to be driven into a corner and obliged to fight at close quarters, in the way the Spaniards liked best. For the Spaniards were excellent soldiers, and their ships had a great many on board; so that when they could grapple with an enemy’s ship they had a very great advantage.
スペイン黄金船団（８）
その当時のスペイン王（フェリペ2世）は、皆さんが想像するように、宝物が安全に運ばれてくるかどうか大変気をもんでいたので、ドン・アロンソ・デ・バザン－かの有名なアルバロ・デ・バザン、サンタ・クルス侯爵の弟－指揮下の大艦隊をアゾレスに派遣した。 そしてイングランド艦隊を拿捕するか撃破し、さもなければ追っ払うよう命じた。 ポルトガル沖の我が方の巡洋艦はこの大艦隊が出撃するのを発見し、トーマス卿に何が迫り来るかを警告するため、小型のピンネスを送った。 実際にはピンネスの出発が遅れ、スペイン艦隊が身近に迫るまで、トーマス卿のもとに警告は届かなかった。
ハワードはすぐに、自分の艦隊はこの大艦隊と島の間で捕捉されては成らない、ことを見抜いた。 なぜなら、自分の艦隊は隅に追いやられ、スペイン人が最も得意とする肉弾戦で戦わざるをえなくなるからだった。 スペイン人達は飛びぬけて優秀な兵士であり、彼らの船には大勢の兵士を同乗させていた。 それゆえ、敵船を捕まえることができたら、スペイン側に非常に有利になるのであった。
（ひとこと）
軍船は16世紀に革命的な変化をとげた。 ギリシャ、ローマの時代から軍船は櫓でこぐガレー船だった。 帆もつけてはいたが、戦闘時は大勢の奴隷で漕ぐ多数の櫓を使った。 帆より操船性に優れており、地中海のような内海では十分戦えたが、海象の荒い外洋では使用できなかった。 大航海時代に入り、帆船の発達と共に、帆のみで走る大型軍用帆船、ガレオン船が登場した。 500～1000トンの3本以上のマストを持つ大型帆船で、商船としても使われていた。
