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第4話(1)

 セイル・ホー!(1)

 皆の体力が回復すると、ドレークはパナマ地峡のジャングルに隠したお宝を掘り出し、持ち帰る計画を立てた。

 「今行けば、スペイン人の思うつぼです。」
航海士のオコーナーが反対する。
「奴らは本国から来る財宝船団の日程に合わせて、荷を運ばねばならない。兵力に余裕はないはずだ。」

 ドレークはピンネース3隻を引き連れ、出帆した。
オコーナー以下、ダニエルを含め十数人が基地に残った。

 日がたつにつれ、オコーナーはいらだち始め、隊員を怒鳴りつけることが多くなった。

 2週間たったが、ドレーク隊は戻らない。

 オコーナーは小屋の前に皆を集めた。
「キャプテンは戻らない。スペイン軍に捕まったと思われる。」
「食料、略奪品などをフリゲートに積み込み、本国に帰還する。」
武器を手にした、オコーナーの取り巻き3人が賛成する。

 皆に動揺が広がった。
“これは反乱だ。発覚すれば縛り首だ。”
“反対すれば、オコーナー達に殺されるかもしれない。”
“お宝を持って、早く国に帰りたい。取り分も増える。”

 その時、甲板長のアレックがオコーナーに飛びかかり、首にナイフを突きつけた。

 「さあ、謀反人どもを取り押さえろ!」
皆、わっと取り巻きの3人に襲いかかり、縛り上げた。

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 ドレークが捕獲したスペインのフリゲートを従え、基地に戻ってきた。

 「隠したお宝は、ほとんどスペイン人に見つかってしまったようだ。」

 不在中の、ことの顛末を聞いたドレークは、オコーナーを尋問した。

 そして、
「心の平安を神に祈る準備ができたか?」
と尋ねた後、彼の頭に向けた短銃の引き金を引いた。

 取り巻きの3人は、攻撃時、先鋒となる突撃隊員になることを宣誓した。

     
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