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1.ナゴルノ・カラバフ

 1.ナゴルノ・カラバフ

 2020年9月、ここはコーカサス山脈南側にあるアゼルバイジャン共和国、ナゴルノ・カラバフ地方のアルメニア軍前哨基地だ。

 トーチカの銃眼からは褐色の砂礫地帯が見える。

 アルメニア人のステファンは、志願して義勇兵部隊に加わった。
 ITの専門学校を出たが、良い就職口が見つからず、なかば冒険の気持ちで志願したのだった。

 義勇兵は、ステファンのような基礎訓練を終えたばかりの若者もいれば、二十数年前の紛争を体験したベテランもいた。
 しかし皆、アルメニアは自分たちが守るんだ、という気概を持っていた。


 ソ連崩壊後の90年代初め、コーカサス南部にあるアルメニア、ジョージア(旧グルジア)、アゼルバイジャンは、それぞれ共和国として独立した。
 その時、混乱の中で、アルメニア人が多く住んでいたナゴルノ・カラバフ地方はアゼルバイジャン領になってしまった。

 直後、同地方の帰属をめぐって、アルメニアとアゼルバイジャンとの間で、激しい紛争が起こった。

 その時は、アルメニア軍が勝利し、以来ナゴルノ・カラバフ地方はアルメニアが実効支配している。
 しかし、同地方の奪還を目指すアゼルバイジャン軍との間に、停戦後も、散発的な衝突が続いていた。
 
 参考図:「コーカサスを知るための60章」、北川誠一他編、明石書店、2006
     
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