Kannaishizu.blog

イ キ カ タ ノ チ ガ ウ イ ノ チ ノ ツ ナ ガ リ

Sakura fair

2012-03-29 | Weblog
少し遅くなってしまいましたが、広報します。

昨年壁画を描かせて頂いたイタリアンレストラン「Posto Felice」にて
3月初めから4月の中旬まで桜フェアをやっとります。

店内には本物の桜の木。
料理も春の食材がわんさかの鮮やかメニューです。

そんな桜フェアのお手伝いで、
私も2階の横7メートル程の大黒板にチョークアートを描くことになり、
どうしようかなー・・と空想し妄想し、

FIRENZEの街に桜を咲かせることにしました。




だいぶ昔FIRENZEに数ヶ月間暮らしていたのですが、
街を離れる時、ある人にこんなお別れの言葉をもらいました。

「この街は、ある時点で進化ではなく歴史を選んだんだよ。
 だから貴方がおばあちゃんになって戻ってきても何ひとつ変わってないからね。」

その人の言う通り、FIRENZEは自分の家ですら外壁ひと欠片直すのに国の許可が要ります。
時を止めたので、何百年前に誰かが見た同じ景色を今も見る事が出来ます。

それを素敵と思う心とどうかなと思う心、ふたつ抱えてこの街を好きになりました。

そんなFIRENZEに桜が咲くことはありえないから、
行った事がある人は、違和感がある不思議な感覚になる(かもしれない)。
でもFIRENZEに桜って、私はとても似合うと思うので
行った事のない人には幻想的な街に見える(かもしれない)。


そんな風に映ればいいなと思いつつ、描きました。
もちろん人それぞれ映り方は違うので、ぜひ感想を聞かせてください。








あ。あと4月から‘PostoFelice ジェラート専門店’が自由が丘にオープンしますよー。
これからジェラートの季節!私のおすすめはピスタチオです。
詳細はこちらから→ Posto Felice BLOG




at Fukushima

2012-03-22 | Weblog

旅行記です。


私の中で10代の頃から「誕生日は違う土地へ行く」という勝手なルールがあって、
大人になるにつれ当日は難しくなりましたが、今年は福島へ行きました。


目的は8000万年の歳月をかけて創られた、鍾乳洞。


本当はずっと気になってた諸橋美術館にも行く予定でしたが、直前に冬期休業中が発覚。
「3月って春ではないの?」とぼやきつつ、少しご不満な誕生日の夜の出発。


でも到着すると納得。

まだ玄関口の駅なのに、一面白銀の世界。
これから更に山奥へ行く私は、「甘く見てごめんなさい。」と反省し、
いそいそと防水ブーツを買いました。








鍾乳洞は、原発立入禁止区域のボーダーギリギリにありました。

のにもかかわらず、震災後1ヶ月半で入場を再開した、肝の座った洞窟。
でもやっぱり震災後のお客さんは皆無に近いらしく、
タクシーの運ちゃんにも稀な観光客だと言われました。



魔の巣窟(右の小さな白い柵が人のいる所)



気持ち悪くて素敵。




ついしてしまう影遊び(ずんどう注意)





片田舎に突然時空を切ったように現れる異次元な世界。
秘境好きの方におすすめです。「あぶくま洞





それと、今回のもうひとつの目的。




原発立入禁止区域内に取り残された動物の世話をしたり、
被災し、行き場を無くしたペット達を保護している施設です。

突然訪ねた私を温かく迎えてくれて、
「毎日警察と追いかけっこでね、お陰で車の運転が上手くなったよ。」
「放射能?もう浴び放題よ。」などと、他にも公表できないような笑えない話を、
フラットに穏やかに話しているのを見て、芯のある人達だなと感じました。

(詳しい活動はこちら にゃんだガード@福島


*今回この施設に、昨年Cafe&barSmileEarthで展示した売上げとその他お預かりした支援金全てをお渡ししました。作品をご購入頂いた皆様、大変遅くなりましたが報告致します。




私利私欲だらけの旅でしたが、やっぱり「自分で見る」って一番シンプルですね。
現地の人とも沢山話せて、自分の尺度を持ってお付き合いをしていきたいと思いました。


2012-02-27 | Weblog




私は女性として自分を見つめる事が残念ながら少ないのですが、
茨木のり子さんの文章を読む時だけは、いつも女性として姿勢を正す時間を貰います。
その中の好きな二つの文章をご紹介。



「汲む」

大人になるというのは
すれっからしになることだと
思い込んでいた少女の頃

立居振舞の美しい発音の正確な
素敵な女の人と会いました

その人は私の背のびを見すかしたように
なにげない話に言いました

初々しさが大切なの 
人に対しても世の中に対しても
人を人とも思わなくなったとき
堕落が始まるのね
堕ちてゆくのを隠そうとしても
隠せなくなった人を何人も見ました

私はどきんとし そして深く悟りました

大人になってもどぎまぎしたっていいんだな
ぎこちない挨拶 醜く赤くなる
失語症 なめらかでないしぐさ
子どもの悪態にさえ傷ついてしまう
頼りない生牡蠣のような感受性
それらを鍛える必要は少しもなかったのだな

あらゆる仕事、すべてのいい仕事の核には
震える弱いアンテナが隠されている きっと...

わたくしもかつてのあの人と
同じぐらいの年になりました

たちかえり今もときどきその意味を
ひっそり汲むことがあるのです



「自分の感受性くらい」

 
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ ばかものよ





茨木のりこさんは享年79歳。

本人の意向で葬儀等は一切しなかったそうですが、
亡くなった数日後、茨木のり子さん本人から
自分が亡くなった旨を伝える手紙が知人達へ届き、皆驚いたそうです。

郵送は親族に頼んでいたのでしょうが、本当に粋な人。
「私、この間この世を離れたんだよ~」なんて手紙が友人から来たら、
「本当にかなわないな」と尊敬の意を込め笑ってしまうかもしれません。

“凛と老いる”という事を感じさせてくれる格好良い女性です。

cosmos

2012-01-27 | Weblog




すべてのものの中に
宇宙が在ること






内側 の 内側 の 内側 に
外側 がありました






ずっと昔に誰かが、
個人の思想の奥に、個人のものじゃない領域があると言っていました。
そこが宇宙と繋がってるような気が、私はします。





move out

2011-12-27 | Weblog


30日に、引っ越します。

といっても今回は杉並区から世田谷区へ、今までで一番小さなお引っ越し。
18歳で静岡を離れてから、3年と同じ場所に住んだ事が無かったから、
この高円寺が3年半、最も長く住んだ場所。
真っ当に暮らしてる人からみたら短いだろうけども。

高円寺には徒歩圏内に大好きな人たちが沢山いるのだけど、
今回移る事にしたのは、本当に直感とタイミング。

毎日自分と付き合っていると、日々変ってる実感なんて一切ないけど、
知らない間に心や身体や感覚にズレが出ていることに、ふと気がつく。
自分が思い込んでる自分と、今の自分は意外と違うもの。
それをたまによいしょって、ズレて進んだ方向へぐいっと引き寄せる。
もしくは進みたい方向へぽんっと背中を押す。たまにそういう作業が必要。
理想郷にはズレがない。私はこの現実世界のズレがすきです。

そういえば静岡にいる頃、母に、
「1回東京へ住みなさい。そして1回海外へ住みなさい。
その後に静岡に戻るのはかまわないから。」と言われていました。
それ以来、本当に東京と海外ばかりに没頭してしまったのですが、
いつだったか「静岡に戻ろうかな。」とぼそっと言った時に母は、
「あなたの今居る場所はこっちではないでしょ。来るなら家賃10万円ね」と。

「居場所」というのは、場所や時間と関係なく存在するものだということ、
それは目に見えるものだけに囚われないでいられる愛情の中に含まれていること、
私は母から教わりました。

...と、なんだか話がとってもずれてしまったけど、
こんどの家は不動産屋さんに「探偵事務所がありそうな雑居ビル!」
ってオーダーしたら、見つけて来てくれた所。
「なんでこんな小汚い雑居ビルに住みたいの?」と、
不動産屋の川路さん(32)には怪訝な顔をされたけど、
今の私には理想の住まい。


年が明けたら、是非あそびにきてくださいね。









Mononoke Dance

2011-12-18 | Weblog



これ、すごくかっこよいです。
一目一聴惚れ。
アニメのオープニングがこんなのって素敵。






pivot

2011-12-04 | Weblog




感情の軸の中心に、するっと抜ける細い水流のような道があります。









染み込んでいく度、柔らかく堅くなります。








TILE ART

2011-11-28 | Weblog





壁画、完成しました!

初めてのタイル画で、簡単には進みませんでしたが、
沢山の新しい知識や技術を吸収できて、本当に楽しかったです。
作業行程も撮ってたので、合わせて載せてみます。


まず、メインの横4M×縦2.5M程の壁用に、「アマルフィ海岸」の風景。
20cm×20cmのタイルを敷き詰め、陶器専用の塗料で描いていきました。


1:下描きして


2:線描きして


3:色を重ねていきます

全く水を吸収しないものに水彩風に描くのは変な感じでした。

大きさは靴と比べてコレくらい。



そして1枚1枚番号をふり、バラバラにしてオーブンで焼いて完成。
焼く事で塗料が定着し、何をしても落ちなくなるそうです。
あとは職人さんに番号通りに壁に貼付けていってもらいました。

拡大。
焼くと色が褪せてアンティークっぽくなりました。(隠れ猫、沢山います)



入口裏側の「イタリアの厨房の棚」の絵もおんなじように

1:下描きして


2:線描きして


3:色をのせていきます。


貼ったあとはこんな感じ。(反対側にもう半分)




入口2枚もおんなじように。
周りに託児所や保育園が多く家族連れも多い立地なので、
子供が飛びつくような絵を。というご依頼でした。


拡大。


夜で見づらくてごめんなさい。



あとはタイル1枚づつに、小さいイタリア食材の絵を沢山描き、
通路や階段部分の壁にランダムにはめ込みました。


こんな感じ。



誰かのイメージに合わせて描くのはやっぱり不思議な感覚で、
気に入ってもらえるかとても緊張します。
描いたもの達がこれからお店と一緒に年を重ねていき、
本当の「Posto felice」になっていけるといいな。と思います。


先週末にレセプションも終わり、12月1日から通常営業がはじまります。
1階ではジェラートやピザのテイクアウトも出来るので、
お近くにお越しの際は、お気軽にお立ち寄りくださーい。


Posto felice
東京都目黒区柿の木坂1-31-14[東急東横線都立大学駅徒歩5分]
http://postofelice.com

Posto Felice!

2011-11-16 | Weblog




12月1日に目黒にオープンする「Posto Felice」という
イタリアンレストランの壁画を依頼してもらい、只今せっせ制作しています。

今回話をくれたオーナーのカズさんとは、8年前イタリアのフィレンツェで、
私がAndreaの工房にいる時に、料理の修業にきているところ知り合いました。
(なんかこう書くとおしゃれがすぎる。。)

その頃私は人や集団行動が極端に苦手な上、それを全面に出してしまう
面倒くさい時期で、フラフラ単独行動ばかりしていたのですが、
そんな私をいつも気にかけてくれていた、兄ちゃん肌の優しい人です。
久しぶりに再会したカズは、海外飲食のコンサルやイタリアンシェフとして、
メディアでも取り上げられる程の料理人になっていて、
8年かけてこうして夢をきちんと形にしている姿を、本当に尊敬します。

お店の名前の「ポストフェリーチェ」とはイタリア語で「幸せの場所」。
こわもてな外見とは裏腹に、懐の温かいカズにぴったりの名前です。

そいで。
11月25日(金)に、レセプションがあります。
入場は無料で18:00~23:00の間、いつ来ても大丈夫です。
(フードフリー、ドリンクはキャッシュオンです。)
入口の外壁から1階は店内ほぼ全面に描いてあるので、
出来上がった壁画を見がてら、是非足をお運びください。




PostoFelice’s OpeningParty
2011.11.25(FRI)18:00~23:00/ADMISSION free/FOOD free/DRINK cash on
〒152-0022 東京都目黒区柿の木坂1-31-14(東急東横線都立大学駅徒歩5分)
http://postofelice.com

*入場には招待状が必要なので、来て下さる方はご一報ください。


というか、実はまだ半分も終わってないけど間に合うのかな...
ワタシセイサクニモドリマス。



共同通信社

2011-10-11 | Weblog



東日本大震災の情報を海外へ発信するツールのひとつとして、
震災後に描いた「pray 3.11」を使いたいというお話を頂きました。

「共同通信」=「ジャーナリスト」っていう勝手な短絡的なイメージしかなく、
実際何をやってるのかなんて正直気に留めた事もなかったのですが、
時事ニュースを伝える情報発信の会社で、海外への発信にとても強いみたいです。
今はネットを使った海外に向けた震災支援のアプローチを、
国内外のボランティア団体と組んで行っているとのことです。

震災支援に関しては、人それぞれ様々な意見があるとは思うけど、
この人達は「伝える」事に長けてるから「伝える」ことで震災を支援する。
そして私はその人達の「伝える」力を借りて「絵」で支援する。
微力だとは承知ですが、今日でちょうど7ヶ月。良くも悪くも落ち着いてきた今、
ペイフォワードのように続いていく一部になれればと思いました。

今は共同通信社のfacebookに載ってます。
良かったらご覧ください。


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