かねうりきちじの新書遍歴

多彩な職務経歴を持つ五十路男が、今読むべき新書を紹介します。

南部と伊達の間の沢だから

2011年11月02日 | 遺跡見学
 北上市立博物館で企画展「南部藩の北上川舟運と黒沢尻河岸」展を見た後、同じ“みちのく民俗村”内にある藩境塚を見に行きました。

 この辺りは南部藩と伊達藩の境界付近で、境をめぐって争いが絶えなかったため、幕府の仲裁により境が確定されました。

 まず、絵図上で境(実際はいくつかの点)を決め、その点が現地のどこにあるのかを両藩の役人立ち会いのもと確認し、その場所に塚を築きました。

 その塚が藩境塚。

 重要な場所には境の両側にひとつずつ設けられ、そうしたものは「はさみ塚」と呼ぶようです。

 みちのく民俗村にあるのは、そのはさみ塚。

 まの沢という沢が境で、おそらく南部と伊達の間の沢という意味なのでしょう。

 藩境塚は各地に残されているようですが(例えば津軽と南部)、国史跡の指定を受けているのは南部と伊達の境塚だけのようです。

 正式名称は、南部領伊達領境塚

 南部と伊達の藩境の基点は、北上市と金ヶ崎町の境にある駒ヶ岳のようです。

 できれば今年中に一度登って、来年は藩境塚をひとつずつ訪ねるトレッキングをしてみようかなと思っています。

 
南部領伊達領境塚。左が南部藩側のもの。


まの沢。奥が南部で手前が伊達。


近くには往来を監視する番所のひとつ仙台藩・寺坂御番所が移築されています。

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