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日本・フランス・アメリカ 3つの国をくらべてみたら

アメリカでの生活を中心に、6年半暮らしたフランスや母国日本との違いに触れながら、気の向くままに書いていきます。

フランスの医療 ー その3

2016-05-01 15:16:03 | 生活
「その1」、「その2」とフランスの医療に対する不満が爆発した形になりましたが、
今回は私の失敗談も含めた具体例を一つ。
今年の2月も終わりの頃、テーブルの上に娘たちが置きっぱなしにして、ちょっと乾き
気味のグミを何の気なしにほおばったところ、口の中にガリッと硬いものがあった。
嫌な予感がしてその硬いものを取り出してみると、案の定、奥歯の詰め物が取れてしまって
いた。サラン・レ・バンに引っ越してきてから誰も歯医者にはお世話になっていなかったが
娘たちの通う小学校の横に歯医者の小さな表札が出ていたので、早速電話をかけてみた。
しかし、何度電話をかけ直しても、いついつまでは休診ですだの、診察時間ではありません
などの録音されたメッセージが流れるのみで、一向に繋がらない。気を取り直して
診察時間にかけ直しても、呼び出し音がなるばかりで誰も電話を取ってくれない。
そうこうしているうちに2週間ほどが過ぎ、別の用事でその歯医者の前を通り過ぎると、
門が開いているではないか。これはチャンスと思い、直接受付に行って予約を取る事にした。
予想通り、今から予約を取っても診察は2ヶ月後の5月12日になると言われたが、他に
知っている歯医者もいないので、取りあえず予約をとった。
診察を待つ間、詰め物の取れた奥歯には大穴が開いており、食事をする度に食べ物が
挟まって、どうにも気になって仕方がない。しかし、セメダインで合金の詰め物を貼るのも
どうかと思われたし、サラン・レ・バンにもう一軒ある歯医者に電話しても、聞き取りにくい
音声のメッセージが流れるばかりで一向に電話が繋がらない。そうこうしている間に
磨きにくいこの大穴の中に虫歯が出来てしまうのではないかとか、隣の歯との間が狭まって
とっておいた詰め物が入らなくなるのではないかなどの不安は増すばかり。
1ヶ月が経ち、ある日の夜、まだ詰め物がきちんと入るのだろうかと試してみると、
今度はスッポリはまった詰め物が取れなくなってしまった。このまま取れないなら、
少なくともあと1ヶ月、診察を待つ間食べ物が挟まる事もなくかえって都合がいいのでは
ないかと思ったがのが間違いだった。そのまま就寝して翌朝、朝食を食べてしばらくして、
歯の詰め物が無くなっているのに気がついた。どうやら、朝食と一緒に食べてしまったらしい。
虫歯が出来ていなければ取れた詰め物を入れてもらうだけで治療は済むと思っていたのに、
これで型を取るところからやり直しになってしまったとがっかりしていると、午後になって
予約をしていた歯医者から留守電が入っていた。聞き取りにくい部分があったが、掛け直せ
という事だったので電話をしてみると、1ヶ月後の5月12日に予約が入っているが、あちらの
都合で、予約をさらに1ヶ月延ばせないかとの事だった。「すでに1ヶ月も待っているんですけど」
と言ってはみたものの、向こうが診察できないと言われて仕舞えばこちらでできる事は何も
なく、しぶしぶOK。電話を切った後で、今度は少し離れたところでも構わないと思い、もっと
早く診察をしてくれるところはないかと別の歯医者を探し始めた。すると、サラン・レ・バンから
10kmほど離れた村にも歯医者があり、予約のために電話をすると2週間後に診てくれるという。
これは良い歯医者を見つけたと思い、前の歯医者をキャンセルして、この歯医者に行ったのが
3日前。詰め物を無くしてしまったというと、3つの選択肢があると言われた。
(1)その場ですぐ出来る樹脂製の詰め物をする
(2)型をとって金属製の詰め物を作る
(3)型をとってセラミック製の詰め物を作る
詰め物の質としては(1)<(2)<(3)となるのだが、値段はと聞いてみると、(1)は
40ユーロ(約4800円)、(2)は300ユーロ(約36000円)、(3)は500ユーロ(約6万円)と
言うではないか!フランスの国民健康保険に入っているので、70%はその保険から、
ダンナの会社の相互保険があるので残りの30%の一部もそこから支払われるかもしれない
という事だったが、あまりの値段の高さに驚いてしまった。
私の飲み込んだ詰め物は(2)の金属製の詰め物という事だったので、私は300ユーロを飲み
込んでしまった事になる。あんな軽率な事をするんじゃ無かったと思っても時すでに遅し。
「じゃあ、一番安い樹脂製のやつにするので、今やって下さい」と言ったら、「そんな風に
決めないで、今日は仮の詰め物を詰めて家に帰って、次回までに考えてきてください」と
言われてしまった。治療してくれないというのだから、こちらは何も出来ず、では、次回の
予約はいつ?と尋ねると、3週間以降だそうな。次回型をとってもらうと、詰め物を注文して
それをはめられるのは更に1週間後。2月の終わりにポロリと落ちた歯の詰め物を治療するのに
5月の末まで掛かるそうな。こんな事なら、薬局で歯の詰め物用の接着剤でも売ってくれれば
良いのに…
それにしても、300ユーロは惜しい事をしたなぁ。


おまけ
↓下の娘が初めて自分で書いた詩



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3 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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翻訳 (ポピパパ)
2016-05-02 09:30:58
nature 自然?

折角の詩  翻訳をお願いします
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Re:翻訳 (kanaemon)
2016-05-10 06:21:57
詩なので翻訳は難しいのですが、ご推測通り『自然』を題材にしています。自然の中にこそ素晴らしい生活があるとか、自然はいつも私たちの側にあるとか、だからこそ自然を守りましょう、と言った内容の詩です。
他の国ではどうか分かりませんが、日本の小学校では自国語を学ぶために短い物語や何かを観察した文章を多く使うのに対し、フランス、ハンガリーでは「詩」を多く使っています。詩の内容をデッサンしたり、暗唱したり、音読を練習したり、書き取りをしたり。子供たちが独特のリズムで暗唱する詩はとても可愛らしいものです。
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治りました (kanaemon)
2016-05-27 05:52:07
詰め物を無くしてしまった奥歯の治療が5/19にやっと終わりました。結局一回で治療が済み、値段も安い(1)の樹脂製の詰め物を選び、今の所特に問題もなく美味しくご飯を食べています
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