公益財団法人 がん集学的治療研究財団 HPより
■診断時に、必ず確認していただきたい3つの大切なこと
まず1つめは、それが確定診断なのかどうか。確定診断であるなら、どの検査で判断されたのかということ。
というのも、確定のためには手術が必要だったりなど、まだ確定前であるケースも案外、あります。
2つめは、診断が確定されたら、何のがんなのか、どこにできたがんなのかを、必ず聞いてください。
例えば「肺にがんが見つかりました」と言われても、それだけで肺がんなのかはわかりません。
というのも、大腸がんがもともとあって、それが肺に転移したのかもしれないからです。
この最初にできたがんを原発巣といいますが、治療は原発巣のがんに合わせて行われるのが一般的です。
肺がんと大腸がんでは、基本的な治療法が異なります。
■いい患者になる必要はない
3つめは確定診断時点での進行の度合です。それによってがんの病期(ステージ)が決まってきます。
ステージは「0」から「4」まで5段階ありますが、がんの種類によって内容が異なり、同じステージでも病期の状態や治療法が違います。
また、ステージが患者に伝えられるのは、ほぼ、確定診断のときだけです。
なぜ、この3つを必ず確認するかというと、がんの治療は最初の治療がいちばん大事だからです。
やり直しはできません。あのとき、こうしておけばよかった、と思っても、あのときはもう取り戻せない。
だからこそ、いちばん最初に、診断や治療方針について、医師としっかり話し合っていただきたいのです。
医師に対して遠慮はいりません。
自分の命と人生に関わることですから、納得するまで、コミュニケーションをとっていただければと思います。
いい患者さんになる必要はないのです。
では、医師と何を話し合うかですが、 根拠に基づく医療でもっとも大切なのは、患者さんの価値観であり、その人の生活や人生の質(QOL)です。
治療なんだから科学的データ(エビデンス)が最優先でなはいの? と思われがちですが、それは誤解です。
■治療が目的にならないように、自分の幸せをしっかり考える
もちろん、エビデンスは大切ですが、医療者の専門性(手術、診察法、チーム医療など)やエビデンスよりも、
患者さんの生き方や考え方、希望と価値観が最優先事項です。
なぜなら、治療は患者さんとそのご家族が、がんとよりよく共存するためにあるからです。
この先、患者さんがよりよい人生を送るために治療するのであって、治療は手段の一つであっても、目的にはなりません。
もしも、人生を台無しにするような治療なら、本末転倒です。
しかし、がんの治療には、ともすればそうなる可能性があります。
だから、これから受ける治療で、自分が幸せになるかどうか、自分にとっての望みは何であるかを医師にしっかり伝えて、話し合っていただけたらと思います。
咽頭がんや喉頭がんで、声を仕事にしている方から手術で声帯を除くことがベストなのか、
あるいはピアノなど楽器演奏が趣味の方に手や指がしびれる副作用がある抗がん剤を使うのが適切かどうかなど、
よくよく考えなくてはなりません。
抗がん剤の種類もたくさんありますから、そうした副作用を避ける治療も可能になってきています。
また、患者さんが何よりも大切にされている行事のようなものがあれば、できるだけそれに参加できるようにタイミングの調整も必要になります。
そのためには、治療のなるべく早い段階で、自分はこういう仕事をしているとか、
日々、こういうことを大切にしているということを積極的に医師に伝えてください。
残念ながら、医師からそうした患者さんの背景などはあまり聞きません。
だから患者さんのほうから伝えたほうがいいと思います。
がんの治療は長く続くものだから、そうやって双方向のコミュニケーションに基づいて行われるのが理想なのです。
なぜなら、治療は患者さんとそのご家族が、がんとよりよく共存するためにあるからです。
この先、患者さんがよりよい人生を送るために治療するのであって、治療は手段の一つであっても、目的にはなりません。
もしも、人生を台無しにするような治療なら、本末転倒です。
しかし、がんの治療には、ともすればそうなる可能性があります。
だから、これから受ける治療で、自分が幸せになるかどうか、自分にとっての望みは何であるかを医師にしっかり伝えて、話し合っていただけたらと思います。
咽頭がんや喉頭がんで、声を仕事にしている方から手術で声帯を除くことがベストなのか、
あるいはピアノなど楽器演奏が趣味の方に手や指がしびれる副作用がある抗がん剤を使うのが適切かどうかなど、よくよく考えなくてはなりません。
抗がん剤の種類もたくさんありますから、そうした副作用を避ける治療も可能になってきています。
また、患者さんが何よりも大切にされている行事のようなものがあれば、できるだけそれに参加できるようにタイミングの調整も必要になります。
そのためには、治療のなるべく早い段階で、自分はこういう仕事をしているとか、
日々、こういうことを大切にしているということを積極的に医師に伝えてください。
残念ながら、医師からそうした患者さんの背景などはあまり聞きません。
だから患者さんのほうから伝えたほうがいいと思います。
がんの治療は長く続くものだから、そうやって双方向のコミュニケーションに基づいて行われるのが理想なのです。
※ 3つのことは、③へ続きます
※東洋経済 ON LINE 2024年3月19日 記事より 引用