「日本臨床腫瘍学会編:頭頸部がん薬物療法ガイダンス」 より
日本人が一生のうちにがんと診断される確率は2人に1人。5人に1人ががんで亡くなる「国民病」と言われながら、
その特徴や治療法、社会保障について詳しく知らない人がほとんどです。知らないどころか大きな誤解も多々あります。
抗がん剤治療のパイオニアで、腫瘍内科医の勝俣範之氏が、ステージ4や再発がんに関する誤解について解説です。
■確定診断まで、2週間から1か月間ほどかかる
がんと診断されるときに、医師に必ず確認してほしい3つのことをお伝えします。
がんが見つかるきっかけは、市町村や職場のがん検診や、痛みや出血、体調不良などの自覚症状があって病院で診察を受けて見つかるケースが大半です。
そして、検査を経て診断となります。 疑いから検査がはじまるわけですが、がんの確定診断にはひじょうに時間がかかります。
診察、血液検査、画像検査、病理検査など複数あり、現在は、内視鏡などを使って組織をとって調べる組織学的検査(生検)を行い、
本当にがんなのかどうかを確定するのが基本になっています。
診断までには、だいたい2週間から1か月はかかると思います。がんによっては手術をして調べなければわからないものもあります。
早期発見、早期治療の意識が強いとは思いますが、一部の急速に進行するがんを除き、
多くの場合は、がんが発見されるほどの大きさになるまで数年かかると言われています。
2、3週間の間にいきなり手遅れになることはあまり考えられないので、検査が続いても、決して焦らないでいただきたいです。
■がんの告知のほとんどは、非常にあっさりとしている
そうした期間を経て、主治医から確定診断を受けるわけですが、現在のがんの告知はひじょうにあっさりしたものであることが多いです。
裁判官から判決を言い渡されるような、ものものしいシーンはほとんどありません。
拍子抜けするほど淡々と「がんです」と告げられるのが一般的です。
しかし、たいていの患者さんは、それだけの検査期間を経ても、まさか自分ががんになるとは思ってもいなかった、青天の霹靂という状況の方がほとんどです。
だからこそ、診断時に、必ず確認していただきたい3つの大切なことがあります。
※ 3つのことは、②③へ続きます
※東洋経済 ON LINE 2024年3月19日 記事より 引用