カウンターの中から客をのぞくといろんなことが見えてくる

日本人が日本食を知らないでいる。利口に見せない賢い人、利口に見せたい馬鹿な人。日本人が日本人らしく生きるための提言です。

日本武尊が怪我と病気を治した井戸水を飲みに行く。杖衝坂の頂上まで。

2013-01-03 | 人間観察
今回の目的は、決して修行などでは無い。

心を洗うつもりではあるが、ある意味の気分転換である。

そして僕の一番の目的は、血塚社で日本武尊が怪我を治した井戸水を飲むためだ。

僕の体が少しでもよくなりたいとの願いからだ、

血液の免疫障害が僕の病気の根幹になっている。

だから、血液に染み渡るほど、神の水を飲んでみたかったのだ。

四日市の采女の山の中にある。

杖衝坂と言う急な山道を登りきったところにある。

本当に小さな社で、日本武尊が祀られている。

井戸はこの社の少し下にあり、蓋は開けられなくなっているが、
何度も来ている僕は様子がわかっている。

井戸の蓋を開け、水を持ってきたペットボトルに入れた。

彰子先生は不思議な表情を見せている。

「あなたは何してる人?」

「人間」

「仕事」

「料理屋兼著述業」

「日本武尊のファンにしては少し知識がありすぎるわね」

「気になるのか?」

「どこの人?」

「今は君と同じ名古屋に住んでる」

「名古屋のどこ?」

「名東区」

「私は昭和区」

「そんなことどうでもいいじゃないか」

「そうね。次にいつ会えるかわからない人だものね」

「いつでも会えるさ」

「私、遊ばれたんじゃないよね」

「遊んでるかもしれない。僕は結婚してる」

「そんなことくらいわかってる。私はこんな気持ち初めてなんだから」

「じゃぁ、帰れ」

「帰らない」

「じゃぁ、黙ってろ。必要な情報はきちんと教える」

「絶対だよ」

まるで子供の会話だ。

それでも魅力的な人だ。

それから日本武尊の古墳に向かった。

ここで、例の井戸水を飲んだ。

これで癌が治ればすごいだろうが、そんなことは起こらない。

それでも気分は晴れた。

彰子先生は少しあきれていた。

それでいい。

僕はこれをしたかったから。

修行もやった。

井戸水も飲んだ。

素敵な出会いもあった。

彰子先生の心の病気も完治したようだ。

これから僕は、水口の山に入る。

拠点は鈴鹿峠のふもとにある、僕の畑のある家だ。

朝早く出て、湧き水を汲んでくるのだ。

彼女も同行すると言うが、果たして足手まといにならないかが心配だ。

ただでさえ、脚の悪い僕が、彼女をリードするのは難しい。

説得しようとしたがまるで聞き入れない。

仕方が無い。

一緒に行くことにした。

まずは僕の家に連れて行った。

風呂を沸かし、一緒に入る。

つかれきった彼女は、裸のまま、僕の隣で寝息を立てている。

添い寝がいい。

心のそこからそう思う。

明日は早起きしよう。

4日の夜には彼女を送っていかなくてはならない。

いい日を与えてくれた彼女に感謝したい。


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