以前は、めったにお目にかかれなかった珍しい
エチゼンクラゲが、ここ4年ばかり毎年のように
大量に発生し、大きな問題となって頻繁にマスコ
ミに登場しています。
先日(11月26日)も、NHKスペシャルで特別番組「巨大クラゲ襲来」
がありました。
特に今年は、大量発生した一昨年(平成15年)をしのぐ異常な大発生
です。この番組では、
(1)最近の大量発生の原因
(2)なぜ巨大化するのか
(3)発生源はどこか
などについて、クラゲ研究の権威である広島大学の上真一教授の研究を
中心に紹介しながら、解説していました。
要約すると、(1)については、まず第1に海水温の上昇。この5年間
に海水温が1.7℃上昇しているそうです。水温の上昇はクラゲのポリ
プがストロビラを経て、さらにエフィラ(クラゲの子供)になる段階で
大きな影響を与えるとのことでした。
第2に、生活排水などの海への流入による富栄養化。これによりクラゲ
のエサとなるプランクトンなどが大量に発生していること。第3に、魚
類の乱獲により、本来クラゲを食べるべき魚が大きく減少したこと。
一方、(3)の発生源については、これを探るため朝鮮半島西岸と中国
の長江河口域をモデルに海流の影響などをもとにシミュレーションを行
いました。
例年なら、クラゲは日本海全体に広がりながら、9月下旬頃、津軽海峡
から太平洋側に移動していきます。ところが、今年は早くから西日本の
太平洋側に現れ、9月には三重県沖に現れているそうです。
このような現象は、朝鮮半島西岸を発生源とした場合には起こりえず、
中国の長江河口域を発生源とした場合には、よく合致するとのことでし
た。
どうやら、人口が密集した上海を中心とする長江河口域の生活排水など
の海への流入、そしてこの地域での魚類の乱獲(沿岸の漁獲高は以前の
20分の1とか)などが大きい要因のようです。
では、対策は?
この点については、番組でも、時間の関係かあまり触れていませんでし
た。ですが、早急に対策をうたなければ、毎年泣き言をいうはめになり
ます。
発生源が中国で、環境問題や漁業の問題が絡むとなるとヤッカイな問題
で、簡単に解決しないかもしれません。でも、協力して知恵を出すしか
ありません。妙案はないものか。(画像は下記HPより)
「Diving spot BLUE MARINE」:
http://www7.ocn.ne.jp/~etizen/kurage.html
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