kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

355

2022年02月09日 | ★★☆☆☆
日時:2月6日
映画館:バルト11


コロンビアの犯罪カルテルが次世代型ハッキングデバイスを開発、闇ルートで販売しようとするが失敗。この情報を得たCIAは工作員(ジェシカ・チャステイン)に入手を命じるものの妨害を受け、デバイスは行方不明に。
そこから、世界各国の女性エージェントを巻き込んだデバイス争奪戦が始まる。

「RONIN」の女性版みたいな話で、女性エージェントたちの顔ぶれが豪華。(ペネロペ・クルスは実は事件に巻き込まれた女医という設定。)

なのだが、一言で言うと脚本が悪い。
主人公たちを活躍させるためにストーリーが進み、物語の上に登場人物が乗っかっていないから、あらゆることが矛盾と混乱に満ちている。
本来対立している陣営が共同戦線を組む話は007でも米ソとか米中ってあったわけだが、この映画では協力する意図が全然見えない。新世代型ハッキングデバイスを手に入れたら米中どころか、米英独間でも取り合うぞ。もっと言うと開発した当の犯罪カルテルが販売などせず、それを元手に脅迫事業をやればいいだけの話。なので、辻褄合わせのストーリーを追いかけるだけで疲れてくる。
さらにそこに「女性だから」みたいな話を入れるから余計に混乱するし、逆にこのご時世、敵をだますためのハニートラップもそんなに派手には盛り込めない。

さらにアクションを銃撃戦と格闘戦のみでカーチェイスの展開にならないから、流れも単調になっている。ところが埠頭のチェイスはリアリティと迫力のいい塩梅だし、クライマックスも悪くはない。各アクションシーンの出来はいいだけに余計にもったいなく感じる。ホント、物語がアクションしていないのが残念。

女性エージェントを演じるのはチャステイン、クルスのほか、ダイアン・クルーガー、ルピタ・ニョンゴ、ファン・ビンビンだが、無鉄砲な狂犬キャラを演じるクルーガーが一番カッコよく輝いている。
逆にファン・ビンビンの顔は不自然で苦手だなあ・・・

ロケで世界各国に行っているところはスパイ映画らしくでいいのだが、中国ロケは台北?

評価は★★☆☆☆

ところで、もうちょっと妙齢の女優で同じような映画という話で盛り上がったことがあり、そのキャスティング案はフランセス・マクドーマンド、ジュリアン・ムーア、ティルダ・スゥイントン、ヘレン・ミレン、シガニー・ウィーバー・・・で、やはりその時も若手として名前があがったのがチャステイン(笑)







題名:355
原題:The 355
監督:サイモン・キンバーグ
出演:ジェシカ・チャステイン、ダイアン・クルーガー、ペネロペ・クルス、ルピタ・ニョンゴ、ファン・ビンビン


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