kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

モリコーネ 映画が恋した音楽家

2023年03月18日 | ★★★★☆

日時:3月1日
映画館:サロンシネマ

広島では上映期間2週間で終了ギリギリに平日休みを取って観にいったのに、2週間後に再上映。オイオイ。
何でも満席が出るくらい入りが良かったらしい。確かにワタシの時も平日午前中にも関わらず、まずまずの入り。

「ドキュメンタリーで2時間半もあるのに何でですかねー」とは劇場関係者の弁。

確かに映画音楽ドキュメンタリーでこの上映時間は長い(1時間半くらいだと思っていた)し、全編を通して音楽の基礎知識とか素養がないと置いてけぼりをくらうところが多々ある。

にも関わらずロングランしているのは、それだけ世の中にマカロニ・ウエスタンファンが多いから!・・・な訳がなく、やはりそのキャリアゆえなんだろうな。
映画人生が長ければ長いほど、どこを切り取っても聴いたフレーズ、見覚えのある場面に出会うことができる。

モリコーネ本人へのインタビューは深く、矜持と自虐が入り混じった職人としての生き様や、生涯学究の徒のような人生への向き合い方など感嘆しかない。
他の音楽家も同じような思いで仕事しているんだろうけど、モリコーネでしか語れない独特の風格がある。

他のインタビュイーの多彩さも魅力で、半分くらいは誰か分からなかったりするが、そんな中でいきなりエンツォ・G・カステラッリ親方が出てきたのはビックリ。カステラッリ作品ではモリコーネは少ないし、この文脈でカステラッリ親方に声がかかるとは思わなかった。
しぶとく元気で当時の空気感を語れる点では数少ない生き残りなのかも知れない(誉め言葉)

タランティーノなんか「いつも既存の音楽をつぎはぎしているんだから、新曲なんかいらんだろ」って言われながら、最終的にはオスカーをもたらしたわけだから、マカロニ的には感動譚であるわな。

マカロニ野郎としては一部とは言えスクリーンでマカロニが観れるだけで感激で、実質的に映画は中盤で終わったようなものなのだが。

監督が「ニューシネマパラダイス」「海の上のピアニスト」のトルナトーレということで自作の話題が多いかと思いきや、その辺の控えめな配分も好感が持てます(笑)

ということで評価は★★★★☆

にしても、「ガンマン大連合」の指揮シーンは観たかったぞ(笑)







題名:モリコーネ 映画が恋した音楽家
原題:ENNIO
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
出演:エンニオ・モリコーネ


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