kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

大怪獣のあとしまつ

2022年02月20日 | ★★☆☆☆


我が家の年中行事は、誕生日でもなく結婚記念日でもなく「家族で怪獣映画を観る」ことである。

今年は「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」や「シン・ウルトラマン」も公開され、すでに怪獣が暴れまわることが予定されているのだが、本作はその後日談「怪獣を倒したら後はどうすんねん」というお話。

日本らしき某国で巨大怪獣が出現し、天からの謎の光を浴び絶命。残された巨大な死骸の処置に国を挙げての大騒ぎとなる。
所轄官庁の押し付け合いに始まり、結局、国営の第三機関である特務隊がその任務に当たる。

話そのものは政治家と現場の不毛な議論をネタにした笑いが多く、ワタシとしてはウルトラマンの「空からの贈り物」みたいに考えられる手段を次々に打ち出す大がかりなホラ話としてのドタバタを期待していた節もあるので、その辺は肩透かし。政治コメディとしてもあまり成立しているとは言えない。ちなみに怪獣の死体をインバウンド観光の目玉にと目論むが、そこを仕切るのは外務省ではなく国土交通省ですと心の中でツッコんでしまうのはやむを得ない。

西田敏行の時代がかった総理大臣役をはじめ豪華なキャスティングで、個人的には松重豊の町工場社長役が妙に説得力があったり、菊地凛子の安定した猛女ぶりに実生活の旦那を思い出したり(後で登場する:笑)
「時効警察」組も多数出ており、特に国防大臣役の岩松了と環境大臣役のふせえりが強烈な印象を残す。
こうなってくると、山田涼介と土屋太鳳の主役2人の影が薄くなってしまい、特に土屋太鳳についてはコメディエンヌっぷりも感じられない。ちょっとこの主役には弱かったかな、

でラストは某ドラマと同じ展開になるのだが、確かにここは賛否の分かれるところだろう。ワタシはスッと腹落ちしたって感じ。主人公の一言によって、この映画全体が1つの壮大なパロディだったことが分かる構成になっている。その煙の巻き方にはちょっとした基礎知識が要るので意地悪なオチでもある。

監督の笑いのセンスが好きか嫌いかという点はあるが、評価は★★☆☆☆






題名:大怪獣のあとしまつ
監督:三木聡
出演:山田涼介、土屋太鳳、西田敏行

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