隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

こんな静かなGWも~草戸山散策

2007年05月02日 19時33分42秒 | 私のPLACE(含・旅行記、山記録)
4月29日(日)快晴
JR高尾駅~初沢山~草戸山~三沢峠~三井山(峯の薬師)~津久井湖~JR橋本駅

 最初にお断りしておきます。
 これは山行記録としては、不備だらけです。友人に誘われて、私自身は何の下調べもせずに出かけたうえ、肝心なところの記録もとらず撮影もせず。
 というわけで、ああ、こんなところがあるのか~、程度の関心で読んでいただけたら。
 というのは、これを書くにあたって、いろんなサイトにアクセスしたんですけど、クライマーっていうか、ハイカーっていうか、みんなすごいんですよねえ。とくに中高年の山信奉者が増えたせいか、その記録は微に入り細にわたり、見事! ま、それって当たり前のことなんですけどね。
 次回はもうちょっとまともな記録を残したい…、そんな反省をしつつ、始めちゃおう!


●一応3000メートル級も経験あり、です(ハハハ)
 いやいや、見事な快晴の朝。何もわざわざ山に出かけなくても、自宅周辺からでもこの青空を堪能できそう、そんな一日の幕開けです。
 今回の仲間Y嬢は、実はほかの山仲間ともっと高度のある難易度も高い山を計画していたのですが、相棒の風邪というハプニングで、なぜか私と低山歩き、ということになったわけで。
 私だって一応、北は利尻富士、南は、うーん、白根三山?という登山歴があるんだぞ、とお断りしておきます(笑)。体質的には(体力的には?)登山向き、精神的には…、どうでしょう、ちょっとひ弱? ま、どうでもいいことですが。

●「駅から登山」は最初が肝心?
 JR高尾駅にはハイキング姿の中高年や家族連れ多し。「ね、ね、あの人たち、みんなどこに行くの?」と初心者的な質問。みんな草戸山だったら、ヤだなあ。
 「草戸山は京王線の高尾山口から登る人が多いよ」とY嬢。さすが詳しい。結局、駅前に出て歩き始めたら、ザック姿は私たちだけだったから、ちょっと安堵。
 高尾駅南口前には京王ストアがあるので、食料等ここで調達も可能です。ドトールもあるので、待ち合わせにもOK(関係ないか)。
 大通りに出たところに、草戸山へのコース板あり。住宅地や団地を抜けて行くコースが書かれていましたが、私たちはさら~っと見て、「行こ、行こ」となりました。もうちょっとちゃんと見ておけばよかったかな。
 「駅から歩き始める山って、案外登山口を探すのに苦労したりするんだよね」とベテランY嬢(だったら、もうちょっとちゃんと見ておけよ! ですよね~)。
 案内板の先の十字路を右折すると左に小学校。その小学校の先を左に入ると、古い石段あり。ここを上れば「菅原道真公像」に行き着くはずが、石段を整備中とかで登れず。少し左に行くと公園への入り口が見えたので、そこを入ります。こんなところでも新緑は十分きれい。太陽の日差しも風の流れも、まさしく五月の香りです。気持ちいいなあ~。
 そして目の前に現れたのが、金色の怪しい搭。ちょっと新興宗教っぽい? そういえばこの搭、京王線の高尾~高尾山口間の高架から見たことあり。いつも、あれはなんじゃ?と疑問に思っていました。
 その塔は「みころも霊堂」といい、近くの建物に「産業殉職者」の文字が見えたので、トンネル工事事故とか、そういう犠牲者を祀っている搭なのでしょうか。不明です。
 庭がきれいに整えられて、池のまわりのツツジや木々の若い葉が心地よい。



画像だとツツジが貧弱ですが、群生しているところもあったように記憶しています(定かじゃない)。
 その池の脇の階段を上がると、正面に「菅原道真公像」がそびえている。今調べたら、ここは「高尾天神社」というらしい。学問の神様はここにも、ということですか。




 さて、その道真公の像の左手の雑木林から軽く上りが始まります。

●初沢山はヒミツの場所?
 明るい雑木林では、犬の散歩をしている地元の方にも出会う。歩きやすい道を北東に向けて少しずつ登っていく。ああ、新しい緑にはたしかに匂いがあるんだなあ、と感慨にふけりながら、静かな散歩?を続ける私たち。
 道は何度か迂回する巻き道になっているが、先頭を歩くY嬢は巻き道なんか無視して(気づかなかっただけなのか??)、果敢に(笑)直登を繰り返す。
 これがけっこうな勾配で、前夜の雨のせいか、ちょっとすべりやすい。「おっとっと」とか言いながら、脇の根っこにしがみついたり。
 こんな低山だからスニーカーでもよかった?なんて最初は思っていたんだけど、やっぱりちゃんとした靴を履いてきてよかった、と。Y嬢はスイスで手に入れたオシャレな軽登山靴を履いているけど、私はスニーカーの次はこのでかい靴しかないもんなあ、と目の前を登っていくY嬢の足元を見ながら…。
 そうなんです、Y嬢はスイスでトレッキング経験もある本格派なのです。
 20分ほどで(ちゃんと記録をとらなかったズサンさを恥じております)躍り出た小さなピークが「初沢山」。
 おお! 前方がみごとに開け、丹沢の蛭ヶ岳~丹沢山~塔ヶ岳が遠くに連なる。左のほうには大山も立派。コナラの木々に重なって、おなじみの、そして私の守り神の天狗のいる高尾山まで。
 画像は、上が初沢山からの高尾山、下が丹沢(遠くに見える山並みです)。





 ちなみに、なんだかボワ~っと写っていますが、これは私の腕とデジカメのいたらなさ。実際は緑が鮮やかで、そのさまざまな色合いの変化が絶妙のコントラスト、そして目に痛いほどの青空でした。パソ上で調整したのですが、私のテクでは自然の美しさの再現は無理だったということで。あとはご想像におまかせします。
 ピークには「初沢城跡」と書かれている。初沢城の言い伝えとしては、
  1.平安後期~鎌倉初期、椚田氏が居城。
  2.室町時代に、高乗寺を開基した長井氏が居城。
  3.室町後期、山内上杉氏 vs 扇谷上杉氏の争いで、扇谷上杉氏側でここを守っていたのが長井氏
 などの説があるらしい。歴史に思いを馳せると、ここをどんな人間がどんな思いで行き来したのか、と想像がふくらんで、少しわくわくしますね。初沢山については、ここで詳しく解説されています。
 初沢山は標高293.8メートル。東京郊外の300メートル足らずの高台から、こんな眺望が楽しめるなんて、東京も捨てたもんじゃないなあ。
 地元のおじさんと出会って少し話をしたけれど、天気のいい日は毎日のようにここに登ってくるそうだ。「50年もここに来ているけど、先週はじめて見た!」というギフチョウの姿を、デジカメの画面でのぞかせてくれた。白黒の縞模様とお尻の鮮やかな朱色の美しい蝶でした。
 ここを目的に来られる人もいるみたいで、ご夫婦、若者の姿あり。それでも本当に静か。ひょっとして「いいとこだよねえ」と騒ぐ私たちこそ、その静けさを破っていた張本人だったかも。
 おじさんからは、どうしてここを知ったの?と聞かれました。あんまり知られてほしくない、大事な場所なのかもしれませんね。私たちの場合は、Y嬢が山と渓谷社の『中央線 各駅登山』という本で見つけたんですけど。ネットでも調べましたが、たしかにそんなに詳しいものはなかったかもしれません。ま、ここに書いたって、そうそう広まりはしないだろうし(笑)。


●静かな静かな尾根道を行く
 初沢山からはなだらかな道を下り、いったん住宅地にでる。どのくらい前なのかは知らないけど、このあたりの山を削ってできた新興住宅地でしょうか。紅葉台団地という団地もあるらしい。その住宅地を通り過ぎ、突き当たりまで行くと、前方に高みが見えてくる。地元にご夫婦に聞いたら、そのあたりに草戸山への登り口があるとか。
 実際は「峯の薬師へ」という小さな古い板があったのですが、これはわかりにくい。聞いていなければ、絶対に通り過ぎてたな。五万分の一や2万五千万分の一の地図とコンパスでたどっていけばいいんだけど…。
 そこからは、本当に静かな尾根道が続く。誰ともすれ違わず、ゆったりとした勾配の道。左手には無粋な有刺鉄線が張り巡らされているのがちょっと残念。拓殖大学の私有地ってことで、しかたないんだろうけど。グラウンドがあるのか、学生の声が下から聞こえてくる。民謡っぽい音楽はお祭り??
 新緑と深い緑が混ざった尾根道。常緑広葉樹と落葉樹の道なんだろう。秋や冬にはどんな景観になるんでしょうね。下の大学のキャンパスが見えたりするんだろうか。
 右手には、たぶん高尾山やそこからの稜線が見える。濃いめの緑はきっと高尾山のスギ。私にとっては、長年の花粉症の原因である「悪名高きスギ」ってことです。
 いろいろ話しながら、快適に歩いていき、四辻に出る。ここで高尾山口からのルートと合流。父子一組、中高年グループ二組が、ここで休憩をとっていた。高尾山口から登ってくるグループに、「高尾からのルートもあるんですね」と聞かれる。登り口はちょっとわかりにくいけど、静かでいいルートですよ、と情報伝授。中年の女性は昨日もここを歩いたとか。人生も歩き続け、山も歩き続けちゃうのか、すごいなあ、とちょっと思う。私はいつ頃まで歩けるんだろう、とか。平地だって歩くのがイヤになったりして? どうなんでしょうね。
 私たちもはじめて、ここで少し休み、そして先を急ぐ。JRの送電鉄塔をくぐったあたりで、再び「無粋有刺鉄線」登場。広いキャンパスなんだなあ、とヘンなところで感心したり。
 軽く登ったり下ったりの繰り返し。アップダウンが適度にあって、その変化もなかなかいい。そして何度も「新緑が気持ちいいねえ」のボキャ不足の感想を交わし合う。コトバは無力っす。たぶん体中に新緑のいいエッセンスが流れ込んで、私たちはきっとそのとき、コトバはなくても詩人だったはず(あくまで「はず」ですが)。
 画像のような道、いいでしょ。昔はきっとこういう道が、山じゃなくてもそこここにあったんだろうなあ。こういうところを毎日歩いていたら、人は案外、日常的に詩人だったかも。



 こういうところを通って、恋の逃避行をしたり、隣村までお使いに行ったり、子どもが忍者ごっこしたり…。いいなあ、妄想がふくらみます(山に来て妄想なんかして、どーするんだ)。
 梅ノ木平に下りる分岐あたりで北側が開け、ちょっと大きな高尾山が見える(たぶん)。何人かの人には出会うけど、でもGWにこれくらいだったら、ふだんはどうなんだろう、というくらい静かな尾根道です。 


●ちょっとだけにぎわっていた草戸山
 草戸峠は展望もよく、ここで昼食をとっている人もいたけれど、私たちはとりあえず先に行きます。
 峠からは10分足らずで、365メートルの草戸山到着(豆知識:この標高の数字から、この山を「一年山」というらしい)。展望はあまりよくないけれど、真ん中に松見平展望台(画像)があり、家族連れや中高年グループ、夫婦連れで、ちょっと華やいでいる。



 「この展望台はどうなの?」と、Y嬢には不評でしたが。そのせいか、ここで昼食じゃあね、ってことで、休むことなく先に急ぎます。私はそろそろガス欠ですが…。でもリーダーには従わなくちゃ。ガンバルよ。
 草戸山は東京都町田市の最高峰(こういう言い方はヘン?)だそうで、ここからは町田市。そして、市の政策なのか、道が急に広くなり、整備され、ちょっとした遊歩道っぽい趣に。ここは左に(「南に」っつうことですね)城山湖を望みながらの道ということだろう。歩きやすいし、いいんだけど、これ以上手を入れないでね、という感じかな。階段を不用意に増やしたりしないでね、かな。
 道は明るく、空はどこまでも青いことが、こんなに人を幸福にするとは、とちょっと大げさな私がいましたけど。



 これは同行したY嬢の後ろ姿。草戸山からの道を歩いています。後ろ姿なら、アップしても怒られないでしょう(と思う。汗)。足が長くて、なかなかかっこいい歩き姿です。
 「ねえ、このまま行って、休むのにちょうどいいところある? まさか津久井湖まで下っちゃわないよねえ」と心配な私。「どうだろうねえ。私はどこまでも歩けちゃうタイプだから」と、そっけないY嬢。ふだんは大食らいのくせに…、と私は心の中で。
 でも、ありました、かっこうの場所が。「ふれあい休憩所」。おお、やっとたどりついたぞ!
 Y嬢リクエストの「シマダヤ」のうどんはなかったけど、「まるちゃん」のうどんと汁を買ってきました、私が。ホエブス、ナベその他の装備は彼女が用意してくれたので、文句は言えません(笑)。
 うーん、うまいうどん、そしておにぎりです。一気に食って、紅茶も飲んで、よもやま話が止まらない。いい時間だ。居酒屋で語らうのもいいけど、こういうところで話すのもなかなか、です。もつべきものは友、を実感する瞬間かな。

●湖に下る
 重い腰をようやくあげて歩き始める。しばらく行くと、五叉路の三沢峠。高尾山口に下るルートもある。



 ここらあたりは「関東ふれあいの道」の一部だそうで、道は整備され、道標も立派。木々に囲まれた峠は、さまざまな時代にさまざまな人が行き交ったのだろう。人の通った証のある道というのは、なんとなく生きているような気がしてしまう。
 そして私たちは五つの中から、峯の薬師へ通じる道をたどります。下り始めたところで、眼下に津久井湖が広がる。春の午後の日差しを受けて、深い緑色の湖面が輝いています。



 ああ、これもね、実際はもっと鮮やか。風景はやっぱり目の中におさめておいたものが最高です。
 最後の登りで到着したのが三井山。そしてこの山頂にあるのが峯の薬師。15世紀末期に建てられた曹洞宗大覚山東慶寺の別称だそうです。詳しくは、こちらで。
 ここは「姿三四郎」で、三四郎と檜垣兄弟の決闘の場として有名だそうで(なんで、こんな山の上で??)、小学校の友人で、異常に「姿三四郎」が好きだった友人を思い出す(父親が柔道の師範でしたっけ)。
 境内がどこにあったのか、そういう余裕?もないままに下ってしまったのですが、ガイドブックを読んだら、眺めがいいそうで。今さら、ですが。
 私たちは峯の薬師の表参道から車道へと出ました。そこからは車の激しく通る道路を避け、林の中の道を進み、小さな沢を渡り、住宅地へ。そこから振り返ると、さっきの三井山(峯の薬師)がこんもりと見えました。



 たぶんこれが三井山だろうと。ちょっと姿のいい山です。
 そして、津久井湖にかかる三井大橋を渡り、湖からの心地よい風に、しばし浮き世を忘れ(古いなあ)。





 そして、沿道のデニーズでノドをうるおし、JR橋本行きのバスに揺られること30分(ちょっと渋滞していましたが)で、橋本駅に到着です。
 最後はちょっと急ぎ足のレポになりましたが(笑)、GWのさなか、静かでのどかで、そして快適な新緑の山歩きができました。
 誘ってくれたY嬢に感謝します。サンキュ!


 ちなみに、尾根道では、白い可憐なニリンソウやチゴユリの花を見ました(そのときはわからなかったのですが、さっき調べました)。撮影したのですが、あまりうまく撮れていなかったのでカット。

 そうそう、峯の薬師では地元の農家のおじさんから、大和芋を購入。サービスで三つ葉もどっさりいただきました。大和芋は濃厚で、だし汁と卵でのばし、クリーミーなトロロ飯を味わいました。
 以下は、ドロを洗った大和芋君です。



 なんか、ちょっとセクシーです(?)

 コースタイムも記載していない、こんな記録を最後まで読んでくださって、ホントにありがとうございました。

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