2024.06.16
ロック大陸漫遊記
TOKYO FM
「6月3週目。心に余裕がある方も、意外とギリギリな方も、ちょっとした息抜きにしていただけたら幸いです」
そして今週は、【スピッツのアルバム1曲目で漫遊記】。
各オリジナルアルバムの1曲目を聴きながら、「なんでこの曲を1曲目にしたのかな、というのを振り返りつつ進めていきたい」。
オンエア
01 謝々!(杏)
02 ニノウデの世界(スピッツ)
03 ウサギのバイク(スピッツ)
04 クリスピー(スピッツ)
05 ハチミツ(スピッツ)
06 花泥棒(スピッツ)
07 エトランゼ(スピッツ)
08 春の歌(スピッツ)
09 ビギナー(スピッツ)
10 i-O(修理のうた)(スピッツ)
漫遊前の1曲!
スピッツ曲で漫遊のときは、カバーしてくれた方の曲でスタート!
「ありがたいことにいろんな方がカバーしてくれてるんですけど」
最近では、NHKの『SONGS』でSuperflyの志保さんがカバーした「楓」が「すごいよかったけど、音源がないので・・・」。
「少し前だけれど」、杏さんの「謝謝」(2010年、1stアルバム『LIGHTS』/オリジナルはスピッツ、1997年、18thシングル)は、「杏さんの声で全然違う世界になってて、すごいうれしかった記憶があります」。
(懐かしいですね~。素直で自然で・・・、すてきな「謝謝」です)
最初の曲は、「ニノウデの世界」(1991年3月25日、デビューアルバム『スピッツ』)。
(なんてなんて、かわいいんだ! 声も演奏もすべて。泣けてくる)
「オルタナを意識したバンド」としてアピールしたかったデビュー当時。
インディーズ時代は「アコギをfeatureしたバンド」という見せ方だったが、「そればっかりでも違うなあ」「フォークロックみたいに一面的に見られたくない」と思っていたそうで。
次は、「ウサギのバイク」(1991年、2ndアルバム『名前をつけてやる』)。
1stアルバムへの反響(「そんなに売れなかったので、少ないレスポンスだったけど」)では、「オルタナを意識したヘンなバンド」という反応がちゃんとあった。
(だって、1曲目が「ニノウデの世界」だものね)
だから、「2ndでは一転して、またまたフォークロックの感じを出そうとしたんだな。そういうところで、『天邪鬼』が発動してしまったんだと思います」。
「なんかね、とらえどころのないバンドでいたかったって感じかもしれないですね」(売れませんよね~)
(いい曲だー。いつ聴いても、私の風景は変わらない。少年の声)
1992年の3rdアルバムの1曲目「惑星のかけら」は「またまたオルタナ風味のラウドロックから始まる」。
このアルバムは、オーケストラ導入のミニアルバム『オーロラになれなかった人のために』のあとだったから、「また、オルタナとかラウドロックへの揺り戻しがあったんだな」。
で、『惑星のかけら』は「全体でも歪みのギターが多いアルバムになっていた」。
(当時、すごく盛り上がった私です)
次は、「クリスピー」(1993、4thアルバム『Clispy!』)。
このころは、「バンド活動を続けるうえでも、そろそろちょっと売れないといけないな」という危機感もあり、「一生懸命頑張ってくれてるスタッフに恩返しもしたいし」という気持ちもあり・・・。「どポップな路線にしたんですよ」
「わかりやすいノリのいい曲」から始まることで、「ご新規のリスナーをつかもうという、ちょっとヤラシイ感じがあったかもしんないですけど」
昔はCD屋さんの視聴機で聴いて買ってくれる人も多かったから、「アルバムの1曲目は掴みの曲、という意識がすごい強かった」。
「・・・のような感じで、『クリスピー』が1曲目になったような記憶がありますけどね」
(今でも、ライブで盛り上がりますよね。もうまったく違和感なく聴ける楽しいアルバムになったけど、当時はちょっとだけ「あれ??」感はあったなあ。さすがの私も)
次のアルバムは『空の飛び方』で、1曲目は「たまご」。
当時は1曲目、「たまご」と「スパイダー」で「すごい迷ったんですよね」。
「ゆったりどっしりリズムの『たまご』から軽快な『スパイダー』・・・のほうが流れとしていいかも、という流れだった気がするな」と。
どちらも最後のほうにできたキャッチーな曲で、リズムの印象では「たまご」のほうがゆっくり感じられるが、テンポ(BPM)は「スパイダー」のほうが遅い、「これ、不思議なんですけどね」
結果的には、「スパイダー」のほうがシングルカットされて、ライブの定番曲になった。
(でも、最近は、ライブのセットリストに「たまご」がよく登場してますよね)
次は、「ハチミツ」(1995年、6thアルバム『ハチミツ』)。
これは1曲目として、すぐ文句なく決まったそうだ。
「スピッツのひねくれポップな持ち味がすごい出せている曲」で、プロデューサーの笹路さんも「絶対に、コレ、1曲目だよ」と。
「これが1曲目だから、アルバムタイトルも『ハチミツ』になったんじゃないかな、流れ的に。1曲目が『あじさい通り』だったらアルバムタイトルも『あじさい通り』になっていたかもしれないですね」
(声が今より細くて尖ってて、やっぱり若いなあ)
スピッツ / ハチミツ
次は、「花泥棒」(1996年、7thアルバム『インディゴ地平線』)。
1995年から1996年はヒット曲も出て、「いわゆるブレイクしたという感じ。スピッツバブルとかよく言ってましたけど。そういう時代でした。すごい忙しかったですね」。
「ロビンソン」「空も飛べるはず」「チェリー」のポップなイメージを「ちょっと裏切りたいなという思いもあったり」。
そんな中で「テツヤが作ってきたこの曲をあえて選んだ」。
「短いし、なんかなめてんのか?という始まりがロックっぽいんじゃないか。若かったしね、そういうことを考えていた気がします」
(ロック!だよ。声もいいし。テツヤくんが歌う「花泥棒」も好きです)
次は、「エトランゼ」(1998年、8thアルバム『フェイクファー』)。
「今思えば、このころがいちばん疲れてた気がしますね。頼ってたプロデューサーから離れたのも大きかったかな。自分でも癒される曲で始まりたいな、と思っていた記憶がありますね」と。
ツアーで初めて訪れた沖縄がきっかけで海にはまってスキューバダイビングが好きになって、「ウミガメがすげー好きだったんですよね」。
ZO-3で「ウミガメの頃 すれ違っただけの♪」(ここ、大好きなフレーズです)で歌ってくれて、「これは実際にウミガメさんとすれ違った経験からきています」。
(私の中では、太古への壮大で切ないイメージ)
曲終わりで、「こういう短い曲はレギュラーの番組ではかかんないし、1分半の曲って、リクエストしてもかけてくんないかも」。
次のアルバム『ハヤブサ』の1曲目は「今」。
「基本的にはこういう短いノリのいい曲で始まるアルバムが、ワタクシ、好きなんですよね。人のアルバム聴くときもね」
ノリ的には『インディゴ地平線』の「花泥棒」に近いかも、と。
プロデューサーの石田ショーキチさんも「イケイケロックな人だったから、その影響もありますね」。
そして次のアルバム『三日月ロック』の1曲目は「夜を駆ける」。
草野くん自身も、このアルバムは「今でもよくできたなと思える。どの曲が1曲目でもいいかも、という感じだった」。
いちばん存在感のある曲・・・ということで、この曲になった、そうだ。
(イントロのピアノだけで胸が震えます)
そして次は、「春の歌」(2005年、11thアルバム『スーベニア』)。
アルバムの全体像が見えてきて、もうすぐレコーディングが終わるというころ、当時マネジャーだった坂口さんから「まだなんか物足りないな」と言われる。
草野くん自身も「そうかも」と思い、「最後のパッとした曲をもう1曲作ろうよ」となったとか。
「だから、あのときのグッちゃんのあのダメ出しがなかったら、『春の歌』は存在しなかったかもしれない・・・そういう曲ですね」
(おお、あぶなかった・・・)
次のアルバム『さざなみCD』の1曲目は「僕のギター」。
このころは、ゆずなど、ストリートの弾き語りから人気になったアーティストがたくさん出てきて、「例えば自分がストリートでアコギ一本で歌うんだったら、こんな感じかな」とイメージして、そこから生まれた曲。
なので、「小雨降るストリートで歌ってるようなイメージで始まる曲」。
次は「ビギナー」(2010年、13thアルバム『とげまる』)。
草野くんは個人的には「(1曲目は)『えにし』がいいんじゃない」と思っていたけど、ミーティングを重ねた結果、「『ビギナー』になった記憶があるな」。
(ふむふむ。「ビギナー」で正解だとは思うけど、1曲目「えにし」!も捨てがたい)
どっちもCMで取り上げてもらったし、「どっちでもよかったのかな。今でも『えにし』が1曲目の『とげまる』もよかったかも、と思うこともある」って。
(「えにし」の疾走感、いいですよね。でもファンとしては、もう「ビギナー」1曲目の『とげまる』しか考えられないけど。この凛とした覚悟の1曲、いいですよね)
次のアルバム『小さな生き物』の1曲目は「未来コオロギ」。
このときは「小さな生き物」が1曲目で「なんとなくまとまりかけてた」が、前作の1曲目「ビギナー」がゆったりめの曲だったので、「(新作は)軽快な曲が1曲目のほうがいいかも」という話になった。
草野くんは「個人的には『オパビニア』もいいかも」と思ったけれど、『未来コオロギ』になった・・・という流れだった気がするなあ」。「結果的には、(『未来コオロギ』で)よかったと思います」
そして、アルバム『醒めない』と『見っけ』の1曲目、それぞれ「醒めない」と「見っけ」は、どちらも「アルバム1曲目!というコンセプトで作ったので、これははまってると思う」。
最後は、最新アルバムから、「i-O(修理のうた)」(2023年、17thアルバム『ひみつスタジオ』)。
当初はラストの曲「めぐりめぐって」を1曲目の曲として作っていた、「やっぱりアップテンポの曲で始まるアルバムが好きなので」。
でも「思いのほか『i-O』がいい感じで録音できた」。「こういうしっとりした曲で始まるアルバムってなかったよね」と思ったそうです。
のちのち、junaidaさんが描いた『ひみつストレンジャー』を読むと、「この流れでよかったな。オープニングが『i-O』でラストが『めぐりめぐって』で、ちゃんと物語になっている」。
(今の世界に消えかけてて、でも大事にしたい諸々が詰まっている楽曲)
特集の終わりに。
結構駆け足なところもありましたけど(ずっと駆け足でした(笑))。
こういう感じで「スピッツのアルバムラスト曲で漫遊記」(ぜひぜひ!)とか、「アルバム2曲目で漫遊記」とか、そういうのもできそう、って。
(その際は、Part 1、Part 2とかでお願いします)
スピッツ以外でも「レッド・ツェッペリンのアルバム1曲目で漫遊記」とか(これもぜひぜひ)。
「ロック大陸、ネタが尽きないな、という感じですけど」とドヤ!!
そして、今日の「ちょっぴりタイムマシン」は、おやすみです。
「来週から、整備点検して運転再開しますので」。
そして来週は、「十二弦ギターで漫遊記」。
ギターの種類縛り。
ロックに限らず結構使われていて、と言いつつ、六弦と十二弦の違いをZO-3の「空も飛べるはず」で弾いてくれました。
十二弦ギターが使われているロックナンバーで漫遊記です!
「草野さん、うちのイグアナちゃんが10歳になりました」
最後にプレゼントのお知らせ!とラストのキーワード。
3つめ、やっぱりね(笑)
ココからどうぞ。
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個人的には、『Crispy!』はあんまり聴かないかなあ。「夏が終わる」の切なさとか、「黒い翼」の壮大な感じは好きだけど。『三日月ロック』は、いまだにいちばんのお気に。「夜を駆ける」から「水色の街」への流れにぞくぞくする。ちょっと敬遠してた(ごめんなさいw)ファーストも、最近は楽しんで聴けるようになりました。
こうして振り返ると、スピッツの歴史って偉大だなと、改めて誇らしく思います。どこかで見た、「子供みたいな声で歌ってた、あのスピッツが…」というコメにもうなずける。すっかり素敵に成長した今も、心の初々しさや、いい意味でのヘンテコさを残しつつ、次なる歩みを期待させてくれますね。
おはようございます。
こんな天候の中、バタバタしていて(-_-;)、コメントに気づかず・・・。
(今日はちょっと涼しい?)
ホントに、聴いててヒヤヒヤしましたよね。
三回くらいに分けてくれればよかったのに。
あの曲も、あの曲も、エピソード聴きたかったです。
vampirekittenさんのおっしゃるとおり、すっかり「大人」になっても不思議に失われない(彼らの矜持かな、自然体なのかな?)ものがあって、そこがファンとしては「誇らしい」。
また次!と期待しちゃいます。
ときどき「スピッツ全曲アトランダム」とかで聴いて、おお!となったりしていますが、基本的には「古い」アルバム世代なので、アルバムの曲順で思い出に浸ったりしています。
猛暑の中、お気をつけて!