仕事の帰り道、町中で耳にした言葉。
長髪とは言わずとも、少なくとも丸刈りからはほど遠い、ごく普通の今時の男児の髪型をした7~8歳くらいの少年、その母親らしき女性、30代くらいの女性、50代くらいの女性が話をしている。
どうやら、30代くらいの女性以外は、家族、またはご近所さんのような身近な存在らしく。
30代くらいの女性が、少年に名前を聞く。
「お名前は?」
少年
「……」
母親らしき女性
「お名前は?って、ほら」
少年
「……」
50代くらいの女性
「お名前は、って聞いてくれてるやろう?
名前はなんていうんや、って」
少年
「……」
50代くらいの女性
「なんで言えへんのやっ。
ほな、いがぐり君か、いがぐり君か、いがぐり君なんかっ?」
自転車で遠ざかる私の背中にもう一発
「いがぐり君なんかーっ!」
「いがぐり」なんて言葉を日常会話で人に向けて音声化されているのを聞いたのは、はじめてなんではないだろうか。
しかし、しかしだ。
なんで? なんで「いがぐり君」なんだろうか。
しかし、自転車乗りながらだったのに、結構、長い会話を聞けたものだなあ。
長髪とは言わずとも、少なくとも丸刈りからはほど遠い、ごく普通の今時の男児の髪型をした7~8歳くらいの少年、その母親らしき女性、30代くらいの女性、50代くらいの女性が話をしている。
どうやら、30代くらいの女性以外は、家族、またはご近所さんのような身近な存在らしく。
30代くらいの女性が、少年に名前を聞く。
「お名前は?」
少年
「……」
母親らしき女性
「お名前は?って、ほら」
少年
「……」
50代くらいの女性
「お名前は、って聞いてくれてるやろう?
名前はなんていうんや、って」
少年
「……」
50代くらいの女性
「なんで言えへんのやっ。
ほな、いがぐり君か、いがぐり君か、いがぐり君なんかっ?」
自転車で遠ざかる私の背中にもう一発
「いがぐり君なんかーっ!」
「いがぐり」なんて言葉を日常会話で人に向けて音声化されているのを聞いたのは、はじめてなんではないだろうか。
しかし、しかしだ。
なんで? なんで「いがぐり君」なんだろうか。
しかし、自転車乗りながらだったのに、結構、長い会話を聞けたものだなあ。