「かえるの日」後日メモ

豊島由香のブログです。2006年5月の「かえるの日」公演後から始めました。演劇のことや、日々の出来事などつづっています。

「太宰さんとゴーゴリさんをやります公演」

2014年05月20日 | 舞台などの感想メモ
このしたPosition!!
「太宰さんとゴーゴリさんをやります公演」……「葉桜と魔笛」「鼻」
西陣ファクトリーガーデン 3月27日(木)


「葉桜と魔笛」作:太宰 治 演出:山口浩章
動きに、はっとさせられる。長椅子にばっと飛び乗るときや、すっと伸ばされた手に。

若くして死を迎えようとしている妹との最後の日々を、老女となった姉が回想する。話の登場人物には死に近い人たちが出てきて、その物語やいろんなイメージ、気持ちが伝わってくるのに、演じる俳優の広田ゆうみさんがときに見せる動きは大胆で、生き生きとしていて、瞬時に心奪われる。話に描かれる人物と俳優の動きは、まるで逆の方向を向いているかのような矢印であったりするのに、それらが一人の俳優の声と身体のありようにちゃんと成立していて、納得させられ、魅了された。
恋への憧れ。手紙の真の差出人。太宰さんの描く寂しさの愛しさ。またそこで描かれる恥ずかしさは、ほんとに恥ずかしくなるから苦しくて好きだ。その切なさと、またユーモラスなさまの素敵な表現も拝見したような。自分一人の読書では見られなかったやろな。

このまえに燈座公演で、大熊ねこさんも長らく観てきたのに知らない彼女に会って感動して、そして此度も思った。何年も観てきたと思うのに、まだ知らない広田さんを拝見させてもらった。終演後は俳優の方も楽屋から出てこられる。広田さんに感激をお伝えしに行くと、山口さんの演出のことを話してくださった。お互いにとって、ほんとにいい出会いをされたんだな、とあらためて思った。

老女の瞳の奥。きっと深化して変わってゆく作品なんだろうな。それを拝見したい。


「鼻」作:N.ゴーゴリ 構成:山口浩章 演出:油田晃
面白かった!
ほかほかパンから鼻が出てくることに出会える人生はきっと豊かだ。
山中秀太郎さん演ずる鼻の紳士ぶりがどうにも可笑しくて。さいごの3人会議も楽しい。
ナンセンス、きっと大事。とても大事。少なくとも私にとってはすごく大事!


この公演前日の二口大学さんの駆け込み訴えの話もお友達から聞いて、あーそれも観たかったな~、と残念!ずいぶん前に1度観ているんだけど、また全然違っているらしい。

このしたやみの三人が出会われて、お互いに刺激し合って、新たなものが生まれたりしているんだろうな。そしてまた三重の劇団Hi! Position!!と出会われて、またまたそこから人のつながりがまた広がって。それって素敵なことやなぁ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「父を葬る」 | トップ | いったん感想文お休みです »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

舞台などの感想メモ」カテゴリの最新記事