反日デモ

　中国に住んでいたら避けて通れないのが日中関係の問題である。これまでもタクシーの運転手から日本人だと言う理由で非常に冷たい態度を取られたことが数回あった。友人の中には延々と日本の侵略について責められ謝るしかなかったという人もいれば、見ず知らずの人からすれ違いざまに日本人を侮辱する暴言を吐かれたという人もいる。

　ただ、最近流れている日本の報道だけを見れば、中国には日本人に反感を持っている人が非常に多いという印象を与えるが、ここで生活している限りではそういう人は一部のような気がする。今の自分達はもっと交流を深めていくことが大切だと力説してくれた運転手さんもいたし、大抵の人は国籍関係なく一個人として接してくれる。だから、最近のニュースをとても複雑な思いで見ていたのだ。

　実際北京でも反日デモが行われるらしい。北京の日本大使館からの連絡によると、明日北京のとある場所で反日デモが行われるそうだ。だからそこへは出来るだけ近づかないようにと注意を呼びかけている。デモの行われる場所は私の住む所からはかなり離れているので恐らく目にすることはないだろうが．．．。

　先日は私の通う大学内でも、日本の常任理事国入り反対の署名活動が行われていた。一個人として中国人と交流できたとしても、国同士が微妙な問題を抱えている限り、いつまでもこういう光景を目にすることになるのだろう。とても残念な気持ちである。