北京暮らしを始めてみれば その後

3年間の北京暮らしを終え、2006年1月に帰国しました。
その後の日本での生活を綴っていきます。

中国の法律番組

2005-05-31 | 北京生活編 中国ならでは
 日本にいる時によく見ていたのが「行列の出来る法律相談所」という番組。日常生活で起こりそうな身近な話題を取り上げて4人の弁護士が各々の観点を述べるという番組である。日本ではこういうテレビを良く見ていたよと中国人に話したところ、中国にも似た様な番組があると教えてくれた。

 今日早速見てみたが、なかなか面白い。日本の番組では司会者のしゃべりも面白いが、中国では残念ながら司会者は全く面白くない。若い女性がベラベラしゃべっているだけ。でも取り上げる法律関係の内容は面白かった。

 今日見た内容は、1人の会社員からの相談。彼女が働く会社が新しい工場を立ち上げた。そのオープニングパーティーをしようということで、専門のイベント会社に依頼した。ところが当日彼女がショックを受けたのは、イベント会社が準備したスタッフが皆黒いスーツ姿だったこと。せっかくのオープニングパーティーに、何でよりによって黒い服!!! 激怒した彼女は「イベント会社に一銭も支払わない!」と訴えた。が、イベント会社は「黒い服は欧米では正式な場に着るもので何の問題もない」と反論。果たして弁護士の判断は...。

 弁護士の判断はこうである。確かにお祝いの席では赤い服もしくはそれらしい服を着るのが常識だ。(←常識なんか??) 黒い服で雰囲気をぶち壊した責任を、イベント会社は取る責任がある。しかし、一銭も払わないという訴えは認められない。よってイベント会社は一部金額のみ返金しなければならない。こういうトラブルが起きないように、事前にじっくり服装などについて話し合ってください。 ...以上が弁護士の意見である。

 そうか...。赤い服でお祝いムードを盛り上げねばならないのか。ところでこのVTRの面白い所は全て実話であること、そして訴える側、訴えられる側両方とも本名、及び会社名が公表されているのである。日本ではちょっと考えられないが、中国の普通のニュースでインタビューされている人も、簡単にその人の名前が公表されているので時々びっくりする。

 さてこのVTRが終わったあと、例の面白くない司会者が一言。「黒い服でもいいやん!太い人でも痩せて見えるし。ちなみに私は黄色が大好き!」 ...こんな司会者をなんで雇っているのか...?

ワキの毛が...

2005-05-30 | 北京生活編 中国の人々
 もうかなり知られていることだが、中国人女性の中にはワキの毛を処理しない人も結構いる。夏になって薄着になったらあちこちで目にするのが、伸ばし放題にしている女性。中国に来て初めて目の当たりにした時は腰を抜かしそうになった。

 最近の北京はかなり暑く、みんなどんどん薄着になる。となると、ワキ毛女性を見かける確率も高くなる。今までは地下鉄の中、路上などなど見ず知らずの人だったのでマシだったが、今日は何と知り合いがそうであることを知りショックを受けてしまった。

 いつも行くスーパーの店員である。私がスーパーへ行くと、「ハオメーイ、ちょっと来てみ~」と言うので近づくと、お店の事務所の中でもそもそと別の服に着替えなおして出てきた。それはタンクトップのような黒い服で、彼女はこの服の感想を聞きたかったらしい。可愛かったし、値段も30元(400円程度!)とかなり安かったので、ベタ褒めしていたその時! 私の目は一点に釘付けになってしまった。彼女のワキから伸び放題に毛が生えているではないか!! この夏初めて目にするワキ毛女性が知り合いだとは...。

 私の戸惑いに気付くことなく、得意気に服を見せる彼女。いいから早く上着を着てくれと心の中で懇願する私。これからの季節、無意識に彼女のワキに目線が行ってしまうかも...。(見たくないけど、怖いもの見たさってこういう気持ちなのかも) 

道を聞かれることが多い

2005-05-27 | 北京生活編 中国の人々
 最近道を聞かれることが多い。先日なんて続けざまに2回も! 夫と二人で歩いていた時、中国人老夫婦に道を聞かれた。道を教えてからまたしばらくすると、今度は私たちの前にキキーッと車が止まるではないか。そして「○○はどう行ったらいいねん?」と聞く。そこらに歩いている中国人はたくさんいるのに、何でわざわざ車を止めてまで私たちに聞くのか?? 偶然その人が聞いた場所も知っているところだったので、道順を教えてあげることができた。

 私の夫はよく中国人に間違われる。最初の理由は背の高さのようだ。中国人からしてみれば、日本人は皆背が低いという感覚らしく、180センチの夫はそれだけで日本人らしくないと勝手に決め付けられる。更に夫の顔もとある中国人俳優に似ているらしく、旅行先でもベラベラ中国語で話しかけられていた。なので、夫のせいで(?)道を聞かれるのかと思っていたが、そうでもないようだ。

 1人で歩いている時にも道を聞かれる。家の周りを歩いていて、ここ最近何度道を聞かれたことか。それも目的地はみな同じ場所。家の近所にちょっとしたバーや市場が集まっている所があるのだが、皆そこへ行きたいらしい。更に聞かれる地点も同じ。あと一つ信号を超えれば目的地なのに、そこから先がよくわからないようだ。中国の雑誌や何かには、その地点までの指示しか書いていないのだろうか??

1ヶ月ぶりに返ってきた手帳

2005-05-26 | Weblog
 実は約1ヶ月前の4月28日。北京のとあるホテルで手帳入りのポーチをなくしてしまった。その日は夫の会社関係の食事会がホテル内のレストランであったのだが、私はどうしても大学を休むわけにはいかなかったので、少し遅れてホテルに着いたのだ。とりあえずお手洗いだけ...と駆け込んでそのままレストランへ向かったのだが、かなり慌てていたのでその時にうっかりポーチをトイレに置き忘れてしまったのだ。家に帰ってから気付いたのだが、どうせ誰かに取られてるやろ...と諦めて連絡もしなかった。

 さて今日そのホテル近くに用事があったので、ダメでもともとと思いながらフロントへ行ってみた。軽くあしらわれるだろうと思っていたのだが、偶然にもフロントの女性は新人さんのようで、とても熱心に対応してくれ、早速忘れ物係りに電話してくれた。

 ホテルの女性 「忘れたポーチの中には何が入ってましたか?」
 私 「赤い手帳とデンタルフロス(何でそんなものが...?)、あと鏡」
 ホテルの女性 「それぞれをもう少し詳しく説明してください」
 私 「手帳は皮の赤いやつで、小さくて....(細かく説明)」
 ホテルの女性 「あなたの説明にかなり近いものがあります。」
 私 「!!!!!」

 ほんまに?? ほぼ100%無理だと諦めてただけに、ものすごい驚きである。「どうせ誰かが取っていった」なんて疑ってごめんなさい。届けてくれた人(ほぼ間違いなくトイレに常駐する清掃の人だろうけど)、有難う!!

 果たして忘れ物係りの人が持ってきてくれたものは私の手帳であった。身分証明するものを出してくれと言われたので、居留証を見せてようやく無事手元に手帳が戻ってきた。うーん、感激!
   

ドラえもんは日本のアニメじゃ!

2005-05-25 | 北京生活編 中国の人々
 相変わらずスーパーの人との交流は続いている。今日は行くなり「ハオメーイ」と大声で呼びかけられた。何かいな?と近づくと、パンを一つ出され、「美味しいから食べてみろ」と言う。夕方で晩御飯前。今これを食べたらきっと晩御飯に響く...と思いながらも好意を無にするわけにもいかず、もしゃもしゃと食べた。

 食べながら中国のテレビの話をしていたら、何と「中国のアニメで面白いのがあるねんでー。”機械猫”!!」

 ...機械猫=ドラえもん!!! それって日本のアニメや!!

 以前クレヨンしんちゃんのニセモノが、本物として中国で登録されていると言うニュースがあったが、まさかドラえもんまで中国産と思われていたとは...。

中国のテレビに関する疑問

2005-05-23 | 北京生活編 中国ならでは
 中国のテレビを見るたびに不思議に思うことがいくつかある。

 まずはニュース。とにかくアナウンサーの流暢なこと! 日本ではこの時期人事異動の関係か、いい加減にせい!と言いたくなるくらい下手くそなアナウンサー(特にお天気関連)が出てくるが、中国のアナウンサーで言いよどんだり、つまったり、とにかく下手くそなのを見たことがない。お天気のお姉さんですら、もんのすごい流暢、しかも早口。どんな訓練をしているのかわからないが、とにかくすごい。
 ニュースに関してもう一つ不思議なのは、ニュースが終了した時。例えば日本では、画面に映っている限りアナウンサーはその場に座り、じっとしている。多少隣のアナウンサーと話すことはあっても、まあその程度。ところが中国のニュースではアナウンサーが「ニュースを終わります」と言った途端に照明が暗くなることが多い。アナウンサーはてきぱきと書類を片付け始め、耳につけているイヤホンを思い切り取り外す。たまにはADと思われるスタッフまでアナウンサーに駆け寄っていくのが映ることもある。一刻も早く仕事を終えて帰りたいんかい??ほんの20~30秒程度待てんのかい??

 あと、バラエティに関しても謎がある。対談番組にはよく生演奏がある。と言っても心地よい演奏をしてくれるわけではなく、ゲストの台詞の間あいだに「ポロロン」「チャララン」「ダララ~ン」と、ゲストの心情に合わせた効果音を鳴らすのだ。はっきり言って邪魔なだけ。うるさいだけ。何の効果を狙っているのか全くわからない。

 それから、観客が多い番組によく見られるのが、みんな同じTシャツを着ていること。何でお揃いやねん?? 何でみんな赤いTシャツやねん??

 最後にコマーシャル。みんな力みすぎ!中国人の演説を聞いているとわかるが、一言一言を大声で重く読む傾向がある。あらゆるコマーシャルでこれをやられると、ほんま「力抜いたら?」と言いたくなる。それからそれから。道徳心を高めるCMの多いこと。もんのすごい「良い人」たちが出てきてその人たちのお陰でみんなが楽しく生活する、そういうCMも結構見る。なのに実際の社会でそんな人をほとんど見ず、公共のマナーなど全くないように思えるのは一体何故なんや??

やっぱり態度悪いねん!

2005-05-22 | 北京生活編 中国の人々
 今日は天気も良かったので、ぶらぶらとお買い物に出かけた。車で10分ほどの場所。ここにはデパートや、バーや、服飾市場や色々並んでいる。今日の目的はTシャツを買うこと。...が、結果から言うと1枚も気に入るものがなかった。

 日本の流行がどんなものか分からないが、少なくとも中国のTシャツ市場ではスパンコール、ビーズなどなどがビシバシ縫い付けてあるものが流行っているようだ。1回洗濯しただけでバラバラとスパンコールが外れてしまいそうなTシャツは怖くて買えない。 あと、ニセブランドのロゴ入りTシャツ。ぱっと見、どんなに可愛くても、偽物ですと主張しているTシャツは着る気になれないのだ。

 デザイン以外に買う気になれなかったもう一つの理由は店員の態度。もう慣れたとは言え、なーんであんなに態度が悪いんや...。北京に来た頃はこの店員相手にどれだけ値段交渉できるかが何となく楽しみでもあったのだが、今では面倒くさいことも多い。よっぽど欲しいと思わない限り、労力を使い、相手の嫌そうな表情を見ながらの値段交渉は避けたいのだ。 そして自分が値段交渉する以上に疲れるもの、それは中国人同士の値段交渉を目の当たりにした時である。相変わらずけんか腰...。ほんま、たくましいわ!

卓球愛ちゃんはアイドル扱い?

2005-05-20 | Weblog
 ちょっと前の話になるが、ラサへ旅行へ行った時の事。ホテルの部屋でぼーっとテレビを見ていた。チャンネルは中央電視台の体育専門チャンネル。その時放送されていたのは、上海の卓球試合の模様であった。で、何と愛ちゃんがインタビューを受けているではないか。

 中国語で受け答えする愛ちゃん。偉いなあ...。(でもやっぱり南方の方言が強い。)驚いたのは愛ちゃんに割いている時間がかなり長かったこと。人気があるんやなあ。が、内容がちょっと問題。卓球に関する内容はほとんどない。では何があったのか。それは間食について。

 ずーっと「愛ちゃんが食べているチョコレートは歯にやさしい」とか「ダブルスの相手にもお菓子を勧めていた」とか、何かアイドルの生活を追っているような報道である。その愛ちゃん。おもしろかったのは、あるインタビューに対する答えである。
 記者 「今回の目標は?」
 愛ちゃん 「...おやつを減らす。」
 記者 「???」

 ...記者の質問は、卓球試合の目標だとハッと気付いた愛ちゃん。慌てて訂正していたのが微笑ましい。頑張れ!愛ちゃん!

HSK高級を受けてきた

2005-05-18 | 中国語について
 先週の土曜日はHSKの高級試験だった。北京では唯一の試験会場である語言大学までわざわざ出かけたのだが、とにかく疲れた~。

 HSKは中国語を勉強する外国人が受ける資格試験なのだが、時々カンニングなど不正行為もあり問題になっていた。そのためか、或いは高級だからか、試験官は結構厳しい。まず受験票とパスポートを見せて教室に入るのだが、「ここに入ったらもう出られないからね。トイレに行くなら今のうちやで!」と言われ、行きたくもなかったが念のためトイレへ向かう。で、戻ってきたら筆記用具以外は全て教室の前方に置くよう指示される。また、席順が受験票通りではなく、ランダムに決められていた。一緒に申し込んだ人同士がカンニングするのを防ぐためなのか?? 何にしろここまでちゃんとしてくれた方がありがたい。

 さて、私の隣の席の子はちょっと変わった感じだった。絶対日本人ではないと思っていたら、意外にも日本人だった。まず、筆記用具を用意していない。試験官に鉛筆を借りていた。そして問題なのは「昨日絶対ニンニク食べたやろ!しかもモリモリ!」という口臭。語学力は知らんが、少なくとも生活上では中国になじんでいるようだ。

 試験が始まった。内容は今まで解いた模擬試験よりも難しい。あんたらわざとやろ!と言いたくなるような早口のヒアリング。問題の中には、いわゆるヒアリング用のアナウンサーのような読み方以外に、普通のおっちゃん、おばちゃんが路上でインタビューに答えているような、ほんま普通の人との会話が含まれていた。

 読解問題は時間との勝負。とにかく必死。傍から見ていたら笑えるくらいの形相で問題を解いていたと思う。時間ギリギリで何とか全ての問題を終えた。次の総合問題はあまり印象に残っていない。まあまあ...か??(この頃すでにかなり疲れていたから印象がないのかも) 

 ここで10分間の休憩。全員教室外に出さされる。休憩後、まずは作文の試験。作文は書きなれているし何とかなるかいなと、実は試験前に一度も練習しなかった。なので、普段通りに書いたが結果はどうか??

 そして口語。皆ヘッドフォンを付け、それについているマイクに向かってひたすら話し、テープに吹き込むと言う形である。これに関しても普段通りでいいや...と、試験前にあまり準備しなかった。一応言うべきことは言ったけど...。

 とにかく終了した時はぐったりした。合計3時間半。HSK初中級の時は簡単な問題もあって、リラックスしながらも試験に臨むことができたけど、今回は一瞬でも気を抜けないという感じだった。(とは言え隣のニンニク臭さに時折気がそがれたが)

 試験後その近辺で夫と待ち合わせしてご飯を食べて帰った。夫が来るまでぶらぶら歩いていたのだが、その時のこと。公衆の面前で思いっきり転んでしまったのだ。ほんま、べっちゃーんと音がするくらいの子供のような派手なこけ方。ここ何年もこんなこけ方はしていない。あまりの恥ずかしさにぶっ倒れたまましばし動けなかった。で、ようやく顔を上げたとき、もんのすごい心配そうに覗き込んでいた中国人の若い男の子が目の前に立っていた。ますます恥ずかしくなり、「なんともないです!」と言い放って走り去るしかなかった...。試験のことを考えながらうだうだ歩いてたからかなあ...。とにかく終わったんやし、しばらくはリラックスして好きなやり方で中国語を勉強しよう。と言うわけで、昨日は早速見たかった中国映画(DVD)を見た。


あ~あ

2005-05-18 | 北京生活編 中国ならでは
 いつか出くわすと思っていたが、今日遂に乗っていたタクシーが事故った。とは言えちょっとぶつけた程度なので私や友人には何も影響はなかったが...。

 目的地に着いて「ここでいいです」と言った次の瞬間だった。道の端に寄せようとした私たちのタクシーに、通路際の道を走ってきた車がガーンとぶつかったのだ。タクシーの右前方の角と相手の左前方の角がお互いにへこんでしまった。言葉を失う運転手。びびる私たち。

 「どうすんの??」と聞いたらありがたいことに「君らは降りて学校に行きなさい」と言ってくれた。相手も車から降りてきていたが、見た感じ割りと落ち着いている。タクシー運転手はびびっているのか、或いは慣れているのか、めちゃめちゃ静か。彼らのことは気になったが、お言葉に甘えて私たちはその場を去った。

 相手の車は日本で言う軽自動車のようなもの。私たちの車は、ぶつけた跡を探す方が難しいくらいのぼろぼろタクシーであった。タクシーの修理代は運転手もちと聞いたことがあるが、あの車を見る限り彼は直しはしないだろう。

 それにしても...。乗っているタクシーの事故だけは防ぎようがない。ほんま今までよう大丈夫やったわ、と思う運転もしばしばである。この交通ルール無法地帯、何とかならんのかい!

チベットへ行ってきた その12 いよいよ最終日

2005-05-16 | 旅行
 今日はいよいよ最終日。8時に起床、まずは食事。いつもと同じくバイキング形式。食事を終えて部屋に戻る。10時にチェックアウトなのでドアに「Don't disturb (起こさないで)」の札をかけてのんびりしようと思った矢先...。
 ピンポンピンポンピンポーン!!
 めっちゃdisturbやん!! で、ドアを開けると「今日チェックアウトやろ?」とホテルのおばちゃんが聞いてくる。10時には出るよと答えると、大人しく引き下がった。何なんや!一体!?

 さて10時にロビーへ行くとガイド・ジョージが待っていた。が、運転手は11時に来るとのこと。午前中は何処かに買い物に行きたいと昨日のうちに言っておいたのでてっきり運転手が連れて行ってくれるのかと思いきや、そうではない。チベットタクシーに乗って出かける私たち。しかも私たちの自腹。たかだか10元なのでせこい話だが、今までのジョージに対する不信感もあり、何となく不満。

 行き先は百貨店。何とポタラ宮のすぐそばである。あんなすごい建築物なのに、チベットの人にとっては毎日見る当たり前のもんなんやなあ。 百貨店ではお土産用にヤク肉、バター茶を買う。ガイド・ジョージはそこらでうろうろしているサングラス売りにちょっかいをかけ、サングラスを試着しては「似合うか?」などと私たちに聞いてくる。

 ホテルに戻って10:45に出発。途中橋の上で運転手が前方の車両を追い越したのだが、それを警察に見つかり止められてしまった。
 運転手「すんません、次から注意しますんで...」
 警察 「あかんあかん。」
 運転手「ワシ今、日本のお客さんを送ってるとこですねん」
 警察 「日本人なんかおらんやんけ!」
 運転手「いますって、後部座席に」
 私たちの方を覗き込んでなぜかにやりとする警官。で、運転手は急に小声でもにょもにょ警察に耳打ちしていた。すると急に警察は態度を変え、妙な笑みを浮かべて運転手を許したのだ。一体何を言ってん?気になる。どうせ悪口やろ、とついつい考えてしまうのは何故だろう??

 12:15。空港に到着。チェックインは何と12:30まで。ギリギリやん! で、荷物チェックの場所まで来るとガイドジョージは「ここから」とぼそっとつぶやいた。...へ?それだけ? 一応5日間一緒にいてんで! あの辛い山道も一緒に超えたではないか?? えらいそっけないなあ。
 私たちが「有難うございました」と言っても、もじもじしているだけ。ほんま、わけのわからんガイドであった。ポタラ宮や名所旧跡での説明っぷりはすごいのに、それ以外の無愛想さと言ったら...。それに何となくせこい。ガイド魂に欠けている。だれかジョージに教えてやれ。

 さて、機内は行きより空いていた。3人席を二人で座ることが出来てちょっとうれしい。私の通路はさんで右には、やたら図体はでかいくせに小心者っぽい中国人男性(ちょっと小錦似)が座っていた。アナウンスがなるたびに、目を必要以上に見開いて前方を直視し、一言も聞き漏らすまいという風である。くしゃみもげっぷも非常に大きく、まるでお手本のように文字通り「はっくしょん」「げぇーっぷ」というものだった。

 私の前の席は、もう何日も洗ってないようなベチャベチャの髪の毛の男性。離陸前から席を倒しているので不愉快だ。倒されること自体は構わないが、その分私との距離が縮まり、よくわからん悪臭が漂ってきたのだ。

 そんな中国人に囲まれながら1.5時間で成都に到着。成都の空港で40分ほど待って再度同じ飛行機で北京に向かう。空港の売店で本を2冊買った。1冊は日本でもそこそこ売れているという台湾人作家の絵本のようなもの。家でした猫を探す女の人の話で猫好きにはたまらない。

 そうこうしている内にまた機内食が出てきた。中華系の飛行機はもっと愛想が悪いと思っていたが、そうでもないかも。乗客の態度もそれ程悪くない。むしろJALとか乗って日本に行く中国人のマナーの方が悪いかも。

 無事北京空港に到着した。運転手の張さんが迎えにきてくれている。ありがたい!!! 普段以上にものすごいご機嫌なのが不思議だが...。 こうして色々トラブルはあったものの無事にチベット旅行を終えることが出来た。

チベットへ行ってきた その11 

2005-05-15 | 旅行
 再びラサ飯店にチェックイン。今晩の夕食はホテル内のレストランらしい。ということは、もうガイド・ジョージと一緒に晩御飯を食べなくて良いのだ。明日の朝集合まで自由行動なのだ。ジョージは私たちに部屋の鍵と食事のチケットを渡したきり、何故かぼーっとつっ立っている。 お互い無言のまま妙な間が。 私たちは明日の集合時刻などの指示を待っていたのだジョージは口を開く気配もない。仕方なく「明日は何時集合ですか?」と聞くと、ジョージ答えに詰まっているではないか。 明日は最終日なので空港へ行く時間を考えてここを出発せねばならない。が、ジョージは飛行機の時刻をすっかり忘れていて、何時に出発したらよいかわからなくなっていたようだ。私たちが「明日は○○時の飛行機だけど」というとようやく「では11:00に」と答えが帰って来た。聞かんと答えんのかい!! 私たちがそのまま去ったら、明日一体何時に迎えに来る予定やってん?? で、明日私たちはそれまでの時間を利用して買い物をしたかったので、10:00集合に変更してもらう。

 今日の部屋は1、2日目の部屋よりもずっと良い。ランクは同じなのだが、トイレは流れるし(当たり前か)、暖房もしっかり効く。夕食まで時間があったので近くを散歩する。小さな商店を見つけたので入ってみると、北京で見慣れたものがたくさん並んでいた。ここでしか見ないのはヤク牛の乾燥肉くらいか。驚いたのはアイスワインがあったこと。アイスワインといえば、他のワインよりもずっと高額の、なんともいえない濃縮された甘みがおいしいワインである。が、ここでは60元(800円程度)で売っている。迷わず買ったが、味は...。(北京に戻ってから飲んだら、単に甘みが強いワインだった。不味くはなかったけど。)

 その店からの帰り道。チベット仏教の格好をしたお坊さんに声を掛けられる。「あなたの健康のために祈ります。」 日本でもこういうのよく出くわしたなあ。どこの国にもあるんやね。 寺院から出て修行もせず、実にあやしい。こういうチベット仏教の服が露店で売ってるくらいやもん。誰でもニセ修行僧になれるわな。

 さて夕食はホテル内のレストラン。その名も「ヤク レストラン」。ホテル内でオープンしているのはこの「ヤク レストラン」だけらしく、エレベーターで一緒になった西洋人はそのことに憤慨していた。「どこのレストランで食べるのかしらね?」と聞いた初老の女性に向かって中年の西洋人女性が、「私たちが食べるのはヤク レストランしかないのよ! ”オンリー ヤク!”」と叫んでいる。何がそんなに不満なのか? それが嫌なら私たちのようにそこらの中華料理を食べてみれば良いではないか?

 さて、食事はバイキング形式。西洋料理と中華料理の両方がそろえてある。なぜかチベット料理はない。味は普通。ビールを1本注文したら20元(250円くらい)。これは中国ではかなり高い!ホテル価格か。 ふと見るとワインをボトルで注文してゆーっくり飲んでいる老夫婦が。4000m級の高地ではお酒を飲まないほうがいいと言われていたので、お酒の強い私たちですら控えていたというのに。西洋人は高山病にならないという話はもしかして本当かも。 何処にいてもお酒を楽しむ老夫婦の姿をみて、数十年後もかくありたいと思う私たち。

 部屋に帰って商店で買ってきたチベットビール「雪花ビール」を飲む。激マズ!!! テレビではハリーポッターの中国語吹き替えがやっていた。日本語吹き替え並みにかなり不自然。見ていたらあっという間に眠くなった。明日はいよいよ最終日。続きはまた明日。

チベットへ行ってきた その10 再びラサへ

2005-05-13 | 旅行
 タルシンボ寺を見終わってようやくホテルにチェックイン。3つ星のホテルとのことだが、想像以上にちゃんとした所だった。
チェックインを済ませたらすぐに夕食。が、連れて行かれたところは、「玉包子」というチェーン店。北京でも何処にでもあるような、小汚い食堂である。机の上には小さなメニューがあり見ると内容はどこにでもある中華料理。更にガイド・ジョージは、「何が食べたいですか?」と聞きおる。何が食べたいと聞かれたところで、食べたいものもメニューにはない。仕方なく、お粥、火鍋、麺を頼んだ。おかゆが意外とおいしかったが、それ以外はどこにでもある味である。

 こんな食事なら20分もしないうちに食べ終わり、さくっとホテルに戻った。夜になると近くで花火が上がっていた。今日は5月1日。労働節だからお祝いなのかもしれない。

 シャワーに入ったが、このホテルのタオルは恐ろしく水を吸い込まない。防水加工でもしてあるのかと思うくらいのゴワゴワ感である。洗濯の際何か一手間を加えているのなら、それこそが無駄だと教えてあげたいほどである。この町でも相変わらず寒く、今までと同じくフリースなどを着こんで眠った。

 
 さて翌日。朝食はホテル内の食堂。中国式でお粥、ゆで卵、ものすごい脂っこい肉まんなどなど。荷物をまとめて8:30に出発した。

 昨日来た道を、ものすごい揺れとともにまた走る。10:30頃に一度休憩。牛や馬の視線を感じながらそこらでトイレを済ませた。
 12:30にとあるテントのような所に到着。そこは一つ星のホテルに隣接した食堂のような所であった。この写真ではわかりにくいが、雪及びみぞれが降っている。めちゃめちゃ寒い。牛も寒いのか、心なしか猫背だ。

 
 昼食はカレーだった。運転手はカップ麺を食べていたのだが、ものすごくそれがうらやましかった。カレーもいいんやけど、味は美味しいとは言えないなあ...。チベット人、中国人、観光客に混じりカレーを食べる。私たちのすぐ隣に中国人のツアー客がやってきた。聞くと何と彼らも北京から来たとか。缶詰など持参してなかなか用意がいい。私たちが日本人だとわかってからも、嫌な反応もなく、最後も気持ちよく分かれることが出来た。

 さて、またまた車に揺られ、延々と広がる大地を走り抜ける。所々にヤク、ヤギの大群。ヤクもヤギもひたすら草を食んでいる。それ以外することがないように、草にいっつも鼻を突っ込んでいる。一体彼らはどこからやってくるのだろう? 連れてくる人は何処に住んでいるのだろう? 大地の向こうに岩肌ばかりの山、そのまた向こうに延々と連なる山々。(写真は車内から撮ったためにガラスが反射してしまった)

 昔絵本で読んだ世界が、想像したままの光景がそこにある。 ふと前方を見るとこんな大変な道を中国郵便局の車がよたよたと走っている。こうやって今も郵便物を届けてるんやなあとしみじみ見てしまった。一つ間違えたらがけっぷちに落ちていきそうな道路をゆらりゆらりと超えていく。

 時々見かけるチベットの人たちは皆顔が浅黒くほっぺたが赤い。砂埃がひどいせいもあって、マスクをしている人も多かった。この人たちはどうやって生計をたてているのだろう?子供たちは一見無邪気に見えるが、観光客を見つけるとものをねだってくるのが悲しい。しみついた習慣のようで、条件反射のように観光客に近づき「money、money」と手を伸ばしてくる。

 さて、夕方5時半、雪山を超え、でこぼこ道を超え、何とか無事にホテルにたどり着いた。続きはまた明日。

チベットへ行ってきた その9 

2005-05-12 | 旅行
 さて、あの渋滞の原因は結局何だったのか?ガイドは何の説明もしようとしない。そこで夫がカメラ持参で様子を見に行った。結果、前方のバスが脱輪していたことが判明。 ふと気付くと、またしても物乞いのチベット人が...。一体どこからやって来たのだろう。事故が起こらなかったら単なる山道、しかも雪山なのに、一体どこから彼らはやってきたのだろう?


 さて、また数時間走り、ようやく舗装道路に出た。うひょー!と訳分からん雄叫びをあげるドライバー。こんな道を運転してきた自分を褒めてやっているのかもしれない。雄叫びついでにガンガンと音楽をかけ始めた。少々うるさい。一人で盛り上がる運転手、助手席で爆睡中の無責任なガイド。疲れ切った私たち。

 シガツェという町に着いたのは夕方5:30。結局9時間もの旅になった。明日も同じ道を戻らなければならない。本来なら明日の午後出発だったのが、急遽出発時刻が前倒しになった。それによって、明日の午前中見学するはずのお寺を今日これから慌てて参観することになる。

 これがタルシンボ寺。山をバックに実に美しいお寺である。が、この時間に開いているのはわずかな部分だけ。数箇所参観して、最後に見たのはお坊さんの念経の修行部屋。100人以上の修行僧が薄暗い中ひたすらお経を唱えている。1人のお坊さんがえらいでっかいお線香のようなものを持って、その煙を修行僧1人1人にかけていく。お寺の最後尾には観光客が20人程度座っていたのが、その線香坊主はすたすたと観光客の方にもやって来た。そうか、私たちにも同じように煙をかけてくれるのだな、と神妙に待つ。案の定、夫と私に線香煙をふわりとかけてくれた。...が、私たち二人にかけた後、くるりと向きを変えて修行僧達の方へ戻って行くではないか?? 何で私たちだけ?? 他の観光客は?欧米人たちは?? 西洋人のうらやましそうな視線を感じながらも、どこか納得のいかない私たち...。

 さて、そうこうしている内に、修行僧達にバター茶が配られた。みんな懐から自分のお椀を出して注いでもらっている。...が、ふと見ると、若い修行僧達の間で空のペットボトルが回っている。そこに皆飲み残しのバター茶を注いでいるではないか。 そうか、私も美味しくないと思ったが、彼らの口にも合わないようだ。

 修行の部屋から出たら、そこにも数人の修行僧たちがいた。と、突然軽快な音楽が...。振り向いたら修行僧の1人が携帯を取り出して何やら楽しそうに話している。 ほんまに厳しい修行なんやろか??

 結局そのお寺は夕方になってほとんど閉まっており、さくっと見ただけで終わった。車に戻ってきた時にガイドが運転手に「ほとんど(見るところは)なかった」と中国語でこっそり言うのが聞こえてきた。ガイドへの不信感はますます高まるばかり。続きは又明日。 

チベットへ行ってきた その8 雪山でトイレ!

2005-05-11 | 旅行
 次第に周りは雪山だらけになってきた。 

 一見道などないように見えるが、この山を越えてきているのである。しかも町乗り車で! 両側は切り立った岩山にびっしりと真っ白な雪。そんな中にもヤク(黒い牛)が点々と草を食んでいる。一体どうやって生きているんやろう?そもそも、一体誰がこのヤクを飼育しているのだろう?

 さて、ついに5200m地点に到着! 寒い!! 心なしか息も苦しい。(当たり前か...) 頂上にはチベット仏教の旗がかけてある。旗にはお経が印刷されていて、彼らにとってはとても重要なものらしい。が、車を停めた途端にその旗を売る人がわらわらとやって来る。一気に有難味が失せた。


 その後、車を適当な場所に停めて車内でお昼ご飯を食べる。この日はお弁当。中身はパン、ソーセージ、フライドチキン、りんご、ゆで卵(妙な線が入っていたので食べるのをやめた) 私たちの停めている車を目ざとく見つけた一人のおばあさんが、よたよたと近づいてきた。そしていつまでも窓越しに物乞いをする。ガイドが見かねて1元渡した所、大喜びで去っていった。

 その後また山道を走り始める。4800mの頂上も越える。そしてしばらくしたら、急に前の方で車がつまりだした。何かあったらしい。なすすべもなくしばらく様子を見る私たち。が、ランクルはそんな私たちを尻目にわき道を物ともせずに下っていく。私たちの車がそんなまねを使用ものなら、一気に転落して即死に違いない。ここでもまた自分達の車に大いに不満を抱く。

 しばらく止まっているまま動かない。ふと周りを見ると中国人女性たちが車から次々と離れていく。そう、彼女達はトイレの場所を探しているのだ。雪山で。 一瞬びびったが、この後まだまだ移動は続き、トイレなどありそうにもない。意を決して彼女達についていき、私も同じく雪山でトイレを済ませた。不思議なことに何人も一緒に同じ事をすると、それがどんなに不自然なことでも至って自然に思えてくるものである。恐ろしく汚れたトイレで吐きそうになってするくらいなら、何て清潔なんだ!と思ってしまうほどである。

 そうこうしている間にようやく車が動き出した。続きは又明日。