壁のポートレート

道端の壁が気になって写真を撮り続けています。
でもオーロラやら植物・風景などが最近多いですね。

堀文子展

2015年04月19日 | 美術館

 久しぶりに兵庫県立美術館まで、昨日から開催されている堀文子展を見に行って来ました。大雨なら来週に延ばそうと思っていたのですが、大丈夫そうです。美術館に近づくと、「月と猫」がお出迎えしてくれました。実はこの猫君に会うのは2回目です。堀文子展の告知に使われているのを見て、見たことあるな思い、本棚に入りきらずに部屋の床に乱雑に積んでいた昔の図録を探してみると、ありました。2007年に大阪で開催された堀文子展でも出展されていました。渦巻き模様のおなかがキュートな猫君はまっすぐこちらを見る視線が印象的です。

 彼女の絵の魅力は何でしょうね。色合いがカラフルって言う人も多いと思いますが、僕も色好きとしては、彼女のビリジアンが気に入ってます。初期の作品では割とストレートに出てて、力強いタッチとも相まってルソーやゴーギャンを思い出させます。ビリジアンは後期に描かれる、草木画や風景画でも効果的に使われていて、本当に綺麗です。

 今回の一番のお気に入りは、「春の来る路」。うねりながら真っ直ぐ続く道とキブシとハクモクレン。キブシはもちろんビリジアン。早春の静かな風景が心に染み入ります。そのほか、多数の草木画が綺麗です。彼女の描く植物は、ボタニカルアートのような詳細は抜きで、色と形だけで描かれますが、でもちゃんとそれぞれの植物の特徴が出ているのはすごいですね。

 前回も見た絵では、先の「月と猫」のほか、落ち葉や花を燃やす「秋炎」、樹氷の綺麗な「離山凍る」、賑やかな「冬野の詩」、ブルーが印象的な「アフガンの王女」、クレーを思わせる絵本くるみ割り人形原画から「ネズミの王との戦い」(のシーン。絵に名前は付いていない。)などが今回も見飽きません。今回は出品数もボリュームがあり、彼女の世界に浸るにはもってこいの展覧会でお薦めです。

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