念願だったカナダのロッキー山脈への旅に出たロッキー(木之元亮)。
伸びやかな長身が大自然に映えます。ああ、まさにロッキーだなと。ピッタリなあだ名だったなと。
これが最後じゃなければ、雄大なカナダの景色や街並みにわくわくして観ていられたのに…。
東京で起きた殺人事件の容疑者・杜丘(小野進也)がバンクーバーに向かったという情報を得て、
ボス(石原裕次郎)は、ドック(神田正輝)とラガー(渡辺徹)を現地に派遣し、ロッキーと合流して捜査に当たるよう命じる。
その後、長さん(下川辰平)とジプシー(三田村邦彦)も現地入りし、杜丘のかつての恋人光子(高瀬春奈)を張り込み
杜丘が現れるのを待つ。
ロッキー登山の前に捜査に呼び戻されたものの、カナダの大自然を愛する人々に触れ、自然を愛することは人を愛することに通じる、
ここに来て刑事の仕事を続ける自信ができたと照れながら長さんに語るロッキー。
長さんもそんな彼を頼もしく嬉しく思って見つめる。
やがて、杜丘と光子がレンタカーで逃げたことが判明。考えうるいくつかのルートを手分けして追跡する刑事たち。
ロッキーは、遠回りに思えるロッキー山脈を越えるルートを選んだのではないかと睨み、
ついにふたりを発見する。
「太陽」にそれほどしょっちゅう出ているわけではないのに、印象的な小野進也さん。
しばらくは、他のドラマで見ても「杜丘~!!」と思っていましたw
ロッキーに制止され、いきなり銃を発砲し、さらに光子を突き飛ばしダイナマイトを放り投げる杜丘。
岩陰に隠れて応戦していたロッキーは、爆発を阻止するために飛び出し、杜丘に撃たれてしまう。
今まで数々の危機に瀕し、そのたびに生きのびてきたロッキーにしては、ずいぶんあっけない最期だと当時は思いました。
歴代の刑事たちの壮絶な最期と比べても、たった一発で死んでしまうなんて、と。
でも、これが現実かもしれない。みるみるうちに生気がなくなり命の火が消えそうになるロッキーを
長さんとドックが必死に引き留めようとする。ふたりの悲痛な叫びと涙は、何度見ても心を揺さぶられます。
自分が守ったロッキーの景色を目に映し、眠るように息をひきとるロッキー。
妻と子を残し、刑事としてもこれからだというときで、もちろん無念の死ではあります。
でも、憧れのロッキー山脈を守り仲間に看取られて逝った彼は、その瞬間安らかだったんじゃないかと思いたいです。
事件解決の第一報を今か今かと待ちわびていた3人。
長さんからの信じがたい報告に、この笑顔が消えるのがつらい…。
山さんから夫の死を告げられ茫然と座り込む令子(長谷直美)が、ふと部屋の中のおもちゃと眠る子供たちを見て、
堰を切ったように泣き出す。
アパートの外でその泣き声を聞く山さん(露口茂)。
あふれる涙を拭おうともせず、ロッカーに拳を叩きつけるゴリさん(竜雷太)。
そして、ボス。
ロッキーは、みんなにこんなに愛されていたんですよね。
【ロッキー=木之元亮】
インパクトの強い外見のわりに、静かで控えめなロッキーと、演じる木之元亮さん。
DVDの特典映像で、ご本人が「もう一度ロッキーを演じたい」とおっしゃっていて、
本当に太陽とロッキーを愛していたんだなと思いました。
また、神田さん、三田村さん、徹さんの座談会でもカナダロケについて語られていて、
殉職編は、木之元さんはもちろん、周りのキャストやスタッフも並々ならぬ意気込みで臨んでおられたとわかり、
その熱が、長い年月を軽々と越えて伝わってきました。
それだけに、やっぱりいなくなるのは寂しいですね。