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『雪と毒杯』 エリス・ピーターズ(著),猪俣美江子(翻訳)

2020年12月16日 22時16分00秒 | ■読書
イギリスの作家「エリス・ピーターズ」の長篇ミステリ作品『雪と毒杯(原題:The Will and the Deed、米題:Where There's a Will)』を読みました。


「ジェフリー・アーチャー」「マージェリー・アリンガム」「エレナー・アップデール」に続き、イギリスの作家の作品です。

-----story-------------
クリスマス直前のウィーンで、オペラの歌姫の最期を看取った人々。
帰途にチャーター機が悪天候で北チロルの雪山に不時着してしまう。
彼ら八人がたどり着いたのは、雪で外部と隔絶された小さな村のホテル。
歌姫の遺産をめぐり緊張が増すなか、弁護士によって衝撃的な遺言書が読みあげられる。
そしてついに事件が──。
修道士「カドフェル」シリーズの巨匠による、本邦初訳の傑作本格。
解説=「三橋暁」
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1960年(昭和35年)に発表された作品、、、

外部と途絶したホテルでの惨劇を描いたクローズドサークル物… この舞台設定、大好きなんですよね。


欧州のオペラ界に歌姫(ディーバ)として君臨した老女優「アントニア・バーン」が大往生を迎える… 姪の「ミランダ・クウェイン」と、その息子「ローレンス・クウェイン」、マネージャーの「トレヴァー・メイスン」、主治医の「チャールズ・ランドール」、共演者の「リチャード・ヘリャー」、秘書の「スーザン・コンロイ」等を引き連れての最後の公演旅行を終え、ウィーンのホテルで彼らが見守る中、「アントニア」は息を引き取った、、、

残された一行は葬儀のためロンドンへと出立するが、チャーターした飛行機は折からの悪天候でオーストリアの山岳地帯に不時着を余儀なくされる… パイロットの「マクヒュー」を含む8人は村人に救出されるが、大雪のために山間の小さな村オーバーシュヴァンデックに足止めされてしまう。

折しも翌日はクリスマス・イヴで、やがて一行が泊まることになった、家族経営の小さなホテル<牧場の馬>で晩餐が始まった… 故人の遺産を巡る言い争いから、同行の事務弁護士「ニール・エヴァラード」は、その席で老女の遺言書を朗読するが、思いがけない内容に一同は色を失う、、、

故人の親友で、遺言にも名前のあった「リチャード・ヘリャー」がテラスルームで毒殺されて発見されたのは、その夜半のことだった… しかし、13キロメートル下方のバート・シュヴァンデック村とは、谷間の隘路で結ばれているが、大雪によりスキーも使用困難で不通となり、電話線も降雪により断絶され、村は孤立し、警察とも連絡が取れない状況だった。

そんな中、パイロットの「マクヒュー」、事務弁護士の「ニール・エヴァラード」、秘書の「スーザン・コンロイ」が中心となり、犯人捜しが始まる… そして、動機と機会があったことから、「リチャード・ヘリャー」殺しの容疑者として部屋に隔離されていた「ローレンス・クウェイン」が毒を飲んで瀕死の状態で発見される、、、

真犯人は別にいて「ローレンス・クウェイン」は殺されかけたのか… それとも、犯行が露見したことから「ローレンス・クウェイン」は自殺しようとしたのか!?


遺産相続の関係で、5人の人物に動機があり、当然、その5人に容疑が向けられるのですが… 遺書を巡る事実が明らかになることで、状況が一変します、、、

この仕掛けは面白かったですね… 本格推理としては物足りない感じで、もどかしさもありますが、物語全体の雰囲気は好みだったので愉しめました。


以下、主な登場人物です。

「アントニア・バーン」
 オペラ界の歌姫

「スーザン・コンロイ」
 アントニアの秘書

「ミランダ・クウェイン」
 アントニアの姪

「ローレンス・クウェイン」
 ミランダの息子

「トレヴァー・メイスン」
 アントニアのマネージャー

「ニール・エヴァラード」
 事務弁護士

「リチャード・ヘリャー」
 オペラ歌手。愛称ディック

「チャールズ・ランドール」
 アントニアの主治医

「マクヒュー」
 パイロット

「フランツ・メーレルト」
 ホテル<牧場の馬>の主人

「リーズル・メーレルト」
 フランツの娘

「アガーテ・クロースターマン」
 ホテルのメイド


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