本来なでしこが為すべきプレーを逆に相手にされてしまった、そこに問題点の一つが有った様です。これはなでしこが有る程度研究されてしまっていた…と云う事。つまり相手が進歩していたのに対し、佐々木監督は新たな手を講じていなかったとも言えます。そのいい例がキリン・チャレンジ・カップでの澤を復活させた事でも解ります。「何で今更澤なの?」というのが大きな疑問でした。そして疑問どおりの結果。先を見ている様で全く見ていない佐々木則夫の思い描く図式が表面化していた試合でした。辛くも1-1のドローという、最少失点での引き分けであった事が、何よりの救いでした。果たして佐々木則夫はどんなゲーム展開を描いていたのでしょう?
大きな誤算は鮫島彩と近賀ゆかりのDF二人が欠場した事で、戦力ダウンが余儀無くなってしまったという事。これはなでしこにとっては大変大きな痛手となりました。なにしろDFの要の二人なのですから。しかしそれでもチームの立て直しを考えるのが監督の仕事。キリンC.C.(vsニュージーランド)、欧州遠征(vsイングランド、ドイツ)の3試合で熊谷と岩清水はそれなりに頑張ってはいました。有吉、宇津木、田中、長船も代表経験は有りました。が、世界との比較をするならば、まだまだ『小粒』の感が否めませんでした。タイトルにした『ディフェンス・ゾーンの不安』というのはこの事を指しています。鮫島・近賀の二人の穴埋めを、彼女達のポテンシャルで如何に補うのか? それが佐々木監督の課題であった筈。彼は見事に失敗した。
vsニュージーランド、vsイングランド、共に1-1のドロー。vsドイツでは2-4の完敗。問題はこの結果をどう捉えるかです。単なる数字(点数)として捉えるのか、そうなった内容を重視するのか。私は内容の問題として捉えたい。
先ず、宮間のイエロー・カード3枚。これに由りイングランド戦には出場できず、3枚目はドイツ戦。一体どうしてしまったのでしょうか? 普段の宮間らしくも無い事ですよね。久し振りの代表復帰、この一年間で何が起きていたのでしょう。彼女だけを責めるつもりは有りません。チーム全体が本来の「なでしこ」らしからぬ試合運び。攻撃と守りの切り替えがちぐはぐで、全く別のチームの様でした。繋がらないパス、トラップ・ミス、ボール・キープに時間をかけ過ぎ奪われるなど・・・。GKにも頼りなさが残りますね。特にvsドイツの前半17分の失点。これはドイツ選手の見事なシュート(スーパー・プレイ)と言えるのですが、それ以前の福本のポジショニングにも問題が有ったのも事実です。が、それを責めてはちょっと可哀そうか !? それにしてもこのままですと先行き不安を覚えます。単なる私だけの危惧なら良いのですが。
そんな中でも注視していたのが川澄奈穂美選手。間違いなく奈穂ちゃんは成長していましたね。目立ったプレーはしていませんでしたが、スピードと体力と運動量には特筆すべきところが有りました。安藤梢さん共々陰のヒロインと言えるでしょう。
まだまだ続くなでしこの試合。今回の試合ではっきりとした課題が浮き彫りになったのですから、次には少しでも克服していて欲しいと願うばかりです。
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