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HOT TIN ROOF

デジカメからクラカメまで、いろんな写真機で撮ったいろんな写真を載せて行こうっていうブログ。基本方針『無節操』。

ノスタルジック・カラー

2008-04-15 01:00:45 | Contessa35


Contessa35 Opton-Tessar + Kodak Super Gold 400

コンテッサ35で撮影したフィルムが上がってきました。
陽の光をそのまま写し取ったような、鮮やかな菜の花の色。


Contessa35 Opton-Tessar + Kodak Super Gold 400

ぽかぽかとあたたかな日でした。
ここは夜になるとこの提灯が点り、夜桜も綺麗。


Contessa35 Opton-Tessar + Kodak Super Gold 400

風に舞い散る花吹雪。

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伯爵夫人に新しいドレスを。

2008-03-17 23:01:54 | Contessa35



この間入手した“伯爵夫人”の異名を持つ優美なクラカメ、
“Contessa35”ですが、外装がいささかボロボロでした。
そこで、塗装の剥げていた箇所を塗りなおし、
ボロボロだった革をはがして張替えてみました。
革の色も変えて、これで世界でただ1台のカメラに。
まあ、業者さんにやってもらうようなデキにはほど遠いですが・・・
それでも「自分でやった」ことで自然と愛着もわくので、
まずは満足です。撮影が楽しみ。



“CONTESSA”の文字は、怖ろしいことに「プリント」です。
皮を両面テープで厚紙に貼り付け、プリンタに突っ込みました。
無茶するなあ、我ながら。


工程のメモ。
まずは古い皮を慎重にはがします。
この皮をスキャナーでスキャンします。
それをIllustratorでトレースしてきれいにし、
プリントして型紙をつくります。
型紙を新しい皮に両面テープで仮止めし、
カッターで切り出しておく。

本体のほうは、
まずはマスキングテープでレンズその他をカバー。
そのあと、小さく切った紙ヤスリで皮の残りカスや、
錆あとなどをきれいに削り落とします。

そのあとで塗装。
目の細かい紙ヤスリでできるだけなめらかに
下地を処理し、ベンジンで拭いたあと、
まずはメタルプライマー(金属塗装用下地処理剤)
を塗布し、乾燥させます。
その上から黒塗料を塗り、乾燥させました。

本当は分解して部品ごとに
スプレーで塗れば綺麗に仕上がるんでしょうが・・・
このカメラを全部分解してもとに戻せるスキルなどないので、
今回は筆塗りです。

完全に乾いたあと、接着剤で
新しい皮を丁寧に貼り付けて完成です!

ついでにレンズもなんとかバラして中玉清掃。
いや、業者清掃の見積もり見て軽く凹んだので・・・
自分のメモを兼ねて、レンズの外し方を書いておきます。
これを参考にレンズ清掃をされる方がおられるかどうか
わかりませんが、くれぐれも自己責任でお願いします。



レンズの周囲のこの3箇所の「穴」に精密ドライバーを入れ、
ネジを外すと、ピント合わせリングが外れます。
そのあと、捩じ込みになっているレンズを回せば前玉が
外れます。ただし、距離計の連動爪がピント合わせリングに噛み込む
構造になっているので注意。私は一度再組み立てしたあと、
距離計が動かないのに気がついて大変にあせりました。
ちなみにコンテッサのネジは、全般にネジ穴の溝が狭いので、
ヤスリでドライバーの先端を研いで細くすると良いです。



後玉は、後ろのフタを開けると見える二重の輪のうち、
内側の輪を回せばあっさり外れてくれます。
中玉の後ろ側の清掃は、B(バルブ)でシャッターを開きっぱなしにし、
綿棒で清掃しました。

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Story of “Contessa35”

2008-03-11 23:47:20 | Contessa35


Contessa35 Opton-Tessar +  AGFA CT PRECISA

旧岩崎邸庭園にて。逆光ではやはりフレアが強いようです。

先日入手したクラカメ“コンテッサ35”で
撮影したフィルムの現像があがってきました。
今回はリバーサルフィルムでの撮影です。

このカメラの歴史をたどってみました。
写真に合わせてご笑覧ください。

西ドイツ、ツァイス・イコン社の傑作中の傑作と言われるカメラ、
“コンテッサ35”は、ツァイスの中盤スプリング(蛇腹)カメラ、
“イコンタ”の系列に連なるカメラです。

ドイツを代表する光学企業、カール・ツァイスは、
第二次大戦後、ドイツの東西分割に伴って二つに分かれる
のですが、ツァイス社の本拠地は東側のイエナにあった関係で
大部分の生産施設は東側に渡り、西側にはシュトッドガルトの
“イコンタ”生産工場のみが残りました。


Contessa35 Opton-Tessar +  AGFA CT PRECISA

もやがかかったような描写は、レンズの曇りのせいか?

ですから、戦後間もない1950年という時期に、
西側のツァイスから発売された35mmフィルムカメラ、
“コンテッサ35”が、イコンタの発展形という形だったのは、
非常によくわかる話です。
時代の要求する小型35mmフィルム使用カメラを、
手持ちの資産・生産設備を生かして作ろうと考えれば、
自然とイコンタ型の小型スプリングカメラに行き着きます。
35mmフィルムを使用したスプリングカメラは、すでに
ドイツ・コダック社の“レチナ”という成功作がありましたから、
なおさら話は早かったでしょう。

ではなぜ、このカメラは“コンテッサ”と名づけられたのか。
「Contessa=伯爵夫人」という高貴な名前のインパクト?
もちろんそれもあるでしょう。
ただ、それだけではなさそうに思われます。


Contessa35 Opton-Tessar +  AGFA CT PRECISA

その昔、1926年にカール・ツァイス財団のもと、4つの企業が
統合合併し“ツァイス・イコン”社が誕生しました。4つの企業とは
「イカ」「エルネマン」「ゲルツ」そして「コンテッサ・ネッテル」。

この「コンテッサ・ネッテル」を率いていた技術者は、
ドクター・アウグスト・ナーゲル。ナーゲル博士です。
ナーゲル博士がツァイス・イコンに入った後に
設計を主導したカメラが、他ならぬ“イコンタ”でした。


Contessa35 Opton-Tessar +  AGFA CT PRECISA

順光の条件では結構きれい。


その後、ツァイス・イコンを退社したナーゲル博士は、
“ナーゲル社”を設立。このナーゲル社がアメリカの
イーストマン・コダックに買収され、“ドイツ・コダック”となります。
“ドイツ・コダック”時代にナーゲル博士が設計したのが、
“レチナ”でした。コンテッサ35とレチナは、
同じ設計者が基礎設計を担当した
従兄弟?くらいの関係に当たるカメラなのです。

つまり、“コンテッサ”という名前は、
イコンタとレチナ双方の設計者で、
1943年に永眠した偉大なナーゲル博士に捧げる意味で、
かつて博士が在籍したコンテッサ・ネッテル社の名をもとに
命名されたたものではないでしょうか?
そう思われてなりません。

“コンテッサ35”の精緻なシャッターを慎重に切る時、
このカメラの背景にある膨大な時間を思います。
膨大な時間が手の中に詰まっている、
そんな錯覚に襲われることがあります。
この感覚だけは、どう足掻いても
新しいカメラでは味わえないものなのです。


Contessa35 Opton-Tessar +  AGFA CT PRECISA

水面の色の表情が好きです。この日一番の一枚。

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独逸生まれの伯爵夫人

2008-02-28 22:36:25 | Contessa35



また物欲に負けました。
西ドイツ、ツァイス・イコン製のクラシックカメラ、
「コンテッサ35」です。1950年発売。

ドイツ語の「Contessa」は、「伯爵夫人」という
意味だそうですが、確かにその名前にふさわしい、
瀟洒でぜいたくな雰囲気を持っています。

実は、デザインに魅せられてずっと欲しかったカメラでした。
ただ、そう考える人はやはり多いのか、
なにしろ「高い」んですこのカメラ。
店で完動品を買うと5万は下りません。
まあレンズはあの名玉「テッサー」ですしね。

で、手を出しかねていたところ、
オークションで安く手に入りそうだったので
つい「ポチッ」と行っちゃった次第。

値段は・・・ヒミツ。
まあ安かったとだけ言っておきます。
ただ、それだけに結構くたびれた「伯爵夫人」です。

外見に汚れ、皮がはがれかけている箇所が数箇所、
レンズカバーの通常「CONTESSA」の刻印がある貼り皮が
そっくりはがれおちている。

機能的には・・・
まず、露出計不動。
スローシャッターに粘り。
レンズの内側にカビっぽい汚れ。
あと、フィルム巻上げ時にカチカチと音がして、
うまく巻き上げられないことがありました。

だいじょぶかなコレ、と思いつつ試写した結果。


Contessa35 Opton-Tessar + DNP CENTURIA100

んー。60年前のレンズとは思えないくらい鮮明です。
さすがはツァイスのテッサー。
このカメラのテッサーは、コントラストが際立って
高いらしいのですが、確かにそんな感じがします。

もう一枚。


Contessa35 Opton-Tessar + DNP CENTURIA100

単体露出計の針を読み間違った結果、どアンダーで
色がすごいことになっちゃってるんですが、
絵画みたいでなんか気にいったので載せます。
うーん。全体がアンダーで飛んじゃってる中、
派手な色だけは明るく残ってるんですよね。
多分極端に高いコントラストの賜物でしょう。

・・・わりに地味目なCENTURIAでコレなら、派手目の
フィルム入れたらどんなことになっちゃうんだろうこのカメラ。
CTプレシーザとかベルビアとか。

うーん。そのうちオーバーホールかなあ。
値段見て考えよう。

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