-どうして、いつも一人で、校庭を見ているんだい。
君は、何も答えなかった。
-好きな人でも、見ているの?
相変わらず、何も答えない。
-本当なら、あそこで、俺もサッカーをしているはずなんだけどね。足を捻挫して。
-知っているわ。ここから見えたわ。
-かっこ悪いところを見られたな。
-結構、さまになってたわよ。足を引きづって、校庭を去っていくところなんか。
でも、何かに打ち込めるものがあるって、いいわね。私も、、、、。
-俺も、その他には何もないよ。確かに、何もないよりいいかもしれないけど。
あるだけに、その他の時間が空白なんだ。
-私は、いつも空白。
-ホシは、いつも寂しそうだね。
-あなたは、いつも楽しそう。
遠くでキラッと光るものが見えた。それが、何にか目をこらして見ると、それは船だった。漁船だろうか。微動だにせず、灰色っぽい青い海に浮かんでいた。とても気持ちよさそうだ。全てを捨てて、船乗りになるのも悪くないな。でも、今の僕は海の藻屑になるのが落ちだろう。それでもいいかもしれない。
-楽しく見える?
-ええ、とても。廊下で、よく騒いでいるし。友達とも仲よさそうだし。
-俺だって、寂しいよ。
-本当に寂しいの?・・・・何か嘘っぽい。
-本当だよ。俺が陽気に見えるのは、寂しさを誤魔化すため。
寂しさを紛らわしているんだ。
-紛らわせる寂しさなんて、やっぱり、本当じゃないと思うわ。
寂しい自分に酔っているだけじゃないかしら。
-そうかもしれないけど・・・・・・。
確かに、ホシの言うとおりかも知れない。
ホシは、そんな、なんと言うか、本当の寂しさって味わったことがあるの?
-さあ、どうかしら?
そう言って、君は少し微笑んだ。そのとき、初めて君の笑顔をみた。
つづく
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君は、何も答えなかった。
-好きな人でも、見ているの?
相変わらず、何も答えない。
-本当なら、あそこで、俺もサッカーをしているはずなんだけどね。足を捻挫して。
-知っているわ。ここから見えたわ。
-かっこ悪いところを見られたな。
-結構、さまになってたわよ。足を引きづって、校庭を去っていくところなんか。
でも、何かに打ち込めるものがあるって、いいわね。私も、、、、。
-俺も、その他には何もないよ。確かに、何もないよりいいかもしれないけど。
あるだけに、その他の時間が空白なんだ。
-私は、いつも空白。
-ホシは、いつも寂しそうだね。
-あなたは、いつも楽しそう。
遠くでキラッと光るものが見えた。それが、何にか目をこらして見ると、それは船だった。漁船だろうか。微動だにせず、灰色っぽい青い海に浮かんでいた。とても気持ちよさそうだ。全てを捨てて、船乗りになるのも悪くないな。でも、今の僕は海の藻屑になるのが落ちだろう。それでもいいかもしれない。
-楽しく見える?
-ええ、とても。廊下で、よく騒いでいるし。友達とも仲よさそうだし。
-俺だって、寂しいよ。
-本当に寂しいの?・・・・何か嘘っぽい。
-本当だよ。俺が陽気に見えるのは、寂しさを誤魔化すため。
寂しさを紛らわしているんだ。
-紛らわせる寂しさなんて、やっぱり、本当じゃないと思うわ。
寂しい自分に酔っているだけじゃないかしら。
-そうかもしれないけど・・・・・・。
確かに、ホシの言うとおりかも知れない。
ホシは、そんな、なんと言うか、本当の寂しさって味わったことがあるの?
-さあ、どうかしら?
そう言って、君は少し微笑んだ。そのとき、初めて君の笑顔をみた。
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