jojony HULA sisters

フラダンスのお教室です。
豊島区目白で活動しています。

カヒコとアウアナ

2011年05月16日 | ○フラについて
フラをやっている方なら、よく聞く「カヒコ」と「アウアナ」。
一言で言ってしまえば、カヒコは「古典フラ」、アウアナは「現代フラ」。

カヒコは、イプヘケ(ひょうたんでできた太鼓)や笛など、
古代から伝わる楽器に合わせ、歌い手が唱えるメレに応じて踊るもの。

対するアウアナは、私たちがよく知るハワイアンミュージックに合わせて踊るものです。

いま、カヒコやアウアナを見る機会といえば、カヒコならポリネシアンショー、
アウアナならホテルやレストランなどで踊られるハワイアンショー、
そして、毎年、楽しみなのがハワイ島で開かれるメリーモナークフェスティバル。
ミスアロハが披露するソロ部門も、ワヒネ(女性)やカネ(男性)のグループ部門も、
カヒコとアウアナのそれぞれで競われます。

カヒコとアウアナの衣装もそれぞれで、
カヒコの衣装は、ティーリーフなどの葉やカパといった木の皮を使ったスカートや
ふっくらとしたシンプルなブラウス、
頭や手足には、レイ・ポオ(頭にするレイ)、クーペエ(手足にするレイ)といったものが多く見られます。

カヒコは、そもそも文字を持たないハワイアンが、歴史や神話、教えなどを
後世に伝えるために踊られたもの。
アリイ(酋長)など身分の高いものは、系譜などを継承するためのおかかえハラウが
あったといいます。
正しく継承するためには、オリもメレもフラも、勝手に書き換えることはできません。
責任重大なフラだったわけです。

現在、踊られる場合も、伝えられたまま、史実に忠実に踊られます。
メリーモナークなどで踊られるカヒコも、
衣装やレイなどの選択も時代考証が厳格に行われたものだそうです。

一方、アウアナの衣装は、豪華なドレス(ムウムウ)や髪飾りが印象的です。
歌の意味にあわせた衣装がチョイスされるため、カヒコ風のものもありますが、
カヒコに比べるとエンターテイメント性が高いのが特徴のようです。

カヒコとアウアナを歴史から見てみますと、
まずカヒコは、もういつからかわからないくらい前から踊られていました。
当初は、男女ともに上半身裸で踊っていました。
ヘイアウ(神殿)などで踊られる正式なカヒコは、
選らばれた男性だけによって踊られていましたが、
比較的緩い公の場では、女性も踊っていたようです。

そこに、1820年。キリスト教の宣教師たちがハワイに上陸。
宣教師たちの指導のもと、女性は徐々に露出を抑えるようになっていきます。
上半身裸から、チューブトップ風の布をまとったもの、
イギリスの影響を受けたビクトリア調のブラウスなど。
これが、文化の変化なのですね……。

(日本女性も着物の生活から、洋服の生活に変化してから約80年。
1932年、白木屋デパートの火災の際、着物の裾がはだけることを躊躇して
逃げ遅れた女性が数多くいたことから、洋風の服装や下着が推奨されたそう。
ところが、いまでは、裾のはだけを気にするどころか、見せる下着の時代。
ほんとうに、文化の変化は早いものです…)

しかし、いくら古代は上半身裸で、史実に忠実にといっても、現代は、なかなかそうできる女性はいません。
できる女性がいても、認める社会でもありません。
ハワイ文化は、キリスト教の影響を強く受けながら変化していきました。

ただ、こんな手があったのか、という衣装も。
本当の狙いは違っているのかもしれませんが、
2009年メリーモナークのカヒコ部門で、ハーラウ・ナー・レイ・カウマカ・オ・ウカが
踊った「プーナナ・カ・アヌ・イ・ハイリ」。子宝に恵まれるパワーを与えるカヒコだそうですが、
このときの衣装が、なんだか上半身裸に見えるのです。
ベージュのチューブトップは、遠くから見ると肌のように見えます。
そして、バスト部分のステッチは、豊かな胸に見えます。
彼女たちの踊りをみていると、遠い、遠い、はるか昔は、こんな感じに踊られていたのかなーと
想いは古代に飛んでいきます……。
あー、キリスト教の影響を受ける前の純粋カヒコを見てみたい。
タイムマシーンがあったらなーと、強く思います。

そして、1825年、カヒコは禁止されます。
上半身裸は控えるようになったとはいえ、腰をふって、足を開いて踊るカヒコは、
キリスト教の宣教師から見たら、大層、不道徳に映ったようです。
宣教師団が上陸したわずか5年後のことです。
それからのカヒコは、偉大なるクムフラによって秘密裏に継承されていくことになります。

そして、禁止から50年後、1874年にカラカウアが王位についたことにより、
ハワイ文化復興の旗のもと、フラが再び表舞台に登場します。
このときに、ハワイ文化と西洋文化が組み合わされた新しいスタイルのフラが誕生します。
これが、アウアナです。

アウアナがはじめて披露されたのは、新築されたばかりのイオラニ宮殿前。
1883年2月12日、即位後9年目に行われたカラカウの戴冠式でした。

カヒコを復活させ、新しいアウアナを生んだカラカウア。
音楽や踊りを愛した陽気な王様(メリーモナーク)。
そんなカラカウアを讃えたフェスティバルが、メリーモナークフェスティバルなんですね。

なお、カヒコのオリやメレは、史実や神話などを正確に伝えるため、
力強く、言葉がきちんとわかるように、ひとつひとつの音が発声されます。
美しい歌声を披露することが大事なのではなく、あくまで正確に「伝える」ことが重要だったから。
日本でいえば、講談のような位置づけでしょうか(違うかな…!?)(これを言うためには、講談についても知らないとならないですね…)。

ところが、宣教師によって賛美歌がハワイに上陸すると、和音という概念が入ってきます。
伝えるというより、美しいハーモニーを楽しむことも行われていきます。
これが、アウアナ(ハワイアンミュージック)のベースになっていったようです。

きちんと調べていないので、なんともいえないのですが、
2010年のメリーモナークでスノーバード・ベント率いるハラウが演じたカヒコの
ハウマナたちが謳うチャントは、どことなくハーモニーを響かせているように聞こえます。
カラカウアの奥さん・カピオラニをテーマにしたカヒコなので、
比較的新しいカヒコといえます。
時代的には、和声でも問題ない時代です。
賛美歌の影響を受けたカヒコと言ってもいいのでしょうか!?
もう一度、あのカヒコをDVDで観てみようと思います。

また、2009年のメリーモナークのハーラウ・フラ・オラナのカヒコも
ワヒネが唄うハーモニーが美しい。
虹をイメージしたというカラフルな衣装も、カヒコにしては斬新な感じです。
クム、オラナ・アイさんは、どんなイメージでこのようなカヒコに仕上げたのか…。
いつか、うかがってみたい(なーんて、そんな機会がいつあるか…)

一口に「古典フラ」「現代フラ」と言ってしまうフラですが、
いろいろ調べてみると、ほんとうに面白い。

サークルでは、「カヒコとアウアナ」についての勉強会「カヒコ・カフェ」を開催しようと思います。

■2011年7月31日日曜日 14:00~16:15
……14:00~15:15 勉強会
  15:30~16:15 みんなでカヒコを踊ろう! みんなのカヒコを観賞しよう!
それぞれ踊れるカヒコを踊りましょう。
もちろん、踊らず見学だけでも構いません。

■テーマ:カヒコは、どうやって踊られていたんだろう。
…さまざまな資料をたどり、カヒコの歴史や目的などを探ります。  

■参加費:1500円(このうち500円は「あしなが育英会」に寄付させていただきます)
※あしなが育英会とは、親をなくしたお子さんたちを支える民間非営利団体です。
東日本大震災で遺児となったお子さんも寄付の対象に含まれています。
http://www.ashinaga.org/

■ナビゲーター:ジョアン アベ
…アベが資料集め、まとめなどをさせていただきますが、
不手際、誤解などもあるかもしれません。
「私はこう思うわ」「この資料によるとね」「こんな面白い記録も残っているの」などなど、
みなさんで盛り上げていただけましたら助かります。

■持ち物
筆記用具、お飲物(お菓子程度の飲食はOK)、カヒコを踊る方はCDや楽器など
お持ちの方は資料など

■申し込み方法
メールにて、以下の内容をご記入ください。
jojonyhula@mail.goo.ne.jp
※グループでお申し込みの場合は、代表の方がお願いします。

①申込者名
②グループの場合は、参加人数
③カヒコを踊る場合は、その曲名。
できれば、その曲の意味合いも。

■開催場所
スタジオ「flow jojony」
http://flowjojony.com/tsukaitai.html
※豊島区目白3-16-14 ジャヌービルB1
JR目白駅より徒歩3分

今後も、秋には「BBQ HULA」、12月には「クリスマス・メレフラ」を開催予定です。
そのほかにも、「アミアミ・リボンレイの会」「チクチク・ハワイアンキルトの会」などの開催を考えています。
どうぞ、よろしくお願いいたします。




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