ロブロイカヌーの設計図。いまだにロブロイカヌーは多くのカヌービルダーにインスピレーションを与え続けている。図面を起こし、レプリカが作る人も多い。
モダンカヤックの父といわれる人物がいる。1850年前後に活躍したジョンマグレガーという人物だ。
元々セイラーで、子供の頃から両親と帆船でインドやアメリカへ航海を繰り返していた。成人して法律家として独立した彼は、ライフワークとしてカヌーを始めた。まずアラスカに渡り、イヌイットの村に滞在しながらスキンカヤックの情報や資料を収集。母国イギリスに帰り、ヨットの製法でロブロイカヌーという2/3がデッキで覆われた、セーリングカヌーを自作した。そしてこのロブロイカヌーを相棒にヨーロッパ中の海、川、運河を旅した。さらにバレンツ海、中東までツーリングした記録が残っている。
1900年代に入ると、紀行家という人達が現れる。長い秘境の旅や探検を行い、それを本にしてその印税でまた旅にでるという人達だ。この連中が好んでカヌーで旅した紀行を本にした。この頃、ファルトボートを使った旅もすでに散見される。
現在のシーカヤックの原型は1970年前後のイギリスのノードカップ艇を使った遠征からだろう。FRPのリジット艇。デリクハッチンソンがドーバー海峡横断に使ったシーカヤックは王立海事博物館に展示されている。
1980年、イギリスにニュージーランドからポールカフィンというシーカヤッカーがやってきて、イギリス人のパートナーを見つけ、6ヶ月でブリテン島を一周していった。イギリス人でさえ、ブリテン島一周がシーカヤックで可能と考えていなかったのだ。その後、ポールカフィンはイギリスでベストシーカヤッカーだという評価を得る。この時、ポールカフィンのパートナーを務めた青年はシーカヤックの経験がほとんどないビギナーだったという。
この青年の名はナイジェルデニスという。僕が逗子から九州まで漕いで行ったときに使ったシーカヤック、エキスプローラーの開発およびデザインをした人物だ。
こうしてみると、カヤックの世界は大きな輪になっていて、そして皆つながっているように感じる。多くの先輩の努力や創造、犠牲を僕らが受け取り、そして次の世代に伝えていく。しかし、ただ受け取って、次に
まわすのではいけないような気がする。何かカヤックの可能性を広げて、重みをつけて次の後輩たちに残して行きたいものだ。
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