Japanese folk(Minyo) singer "Akiko kiyono" support blog
日本民謡歌手「清野明子」応援ブログ
今回は「清野明子」加賀の旅に因んで、当地加賀の民謡2本を紹介いたします。意外な事ですが、前田利家の御城下にしては全国的に有名な民謡と言うものが少ない。創作、発掘、継承民謡合わせて105曲にも上るが知名度が高いのは「山中節」と「能登麦屋節」ぐらいである。前者が「加賀市無形文化財指定」、後者が「石川県無形文化財指定」であり、石川県が発掘民謡である「能登麦屋節」の普及に力を注いでいる事が窺われる。
「山中節」
1 ハアー忘れしゃんすなー 山中道を 東ゃー松山 西ゃ薬師
2 ハアー送りましょうか送られましょうか せめて二天の橋までも
3 ハアー山が高うて山中見えぬ 山中恋し山にくや
4 ハアー谷にゃ水音峰には嵐 あいの山中湯の匂い
※15番までありますが割愛します。
700年も前に長谷部兵衛信蓮が鷹狩に来たとき、傷ついた白鷺(さぎ)が湯に浸かるのを見て発見したとされる歴史ある山中温泉に継承されてきた民謡で、「眠れる獅子」と言われた加賀藩らしく「重厚な民謡」です。
「能登麦屋節」
1 能登の七浦(しつら)でエエナ 炊け切るイナー(チョイト)
音はイナー三里聞こえてイナー(チョイト)
五里サーイナー響くイヤー(アラチョイト五里響くヤイナー)
三里聞こえてイナー(チョイト)五里サーイナー響くヤー
(以下はやしことば、繰り返し略)
2 麦や小麦は 二年ではらむ 米やお六は 年 ばらみ
(アラチョイト年ばらみヤーイナ)米はお六は 年ばらみ
3 竹の丸木や滑って転んで危ないけれども 君となら 渡る
落ちて死ぬとも 諸ともに
輪島地方に伝わる「能登素麺」の原料となる小麦粉を作る段階で、娘3人が臼と縦杵で麦を搗く時に唄った作業唄である。元来リズミカルな唄が、その後杵から石臼に代り、石臼の緩やかな回転にあわせる様に伸びやかな調子に変化し、現在に至っています。この唄は滑らかで美しいが「息つき」が大変長く、難しい唄です。石川県と言えば「輪島塗」と「食の文化」、何れも食に関するものでありますが超一級の文化です。
前田公の音曲に対する興味が薄かったのだろうか。そうとも言えまい、京にも近く「能楽」に関しては高い見識があった筈だからです。一向衆に関係するのかも知れない。元来一向衆は寺との絆が強く、信長にも反抗した全国的にも珍しい「自治権」を持った民衆でしたから「半農半武」の生活が続き民謡が根付かなかったとも考えられる。読者の皆さんはどうお考えですか?
石川県出身の民謡歌手では「加賀山昭」さんがTV、ラジオに活躍しておられます。
清野さん金沢の旅お疲れ様でした。