続・山形そば黄門漫遊記

記載する情報は、一部のそば好きの食べ歩きによる個人的感覚の押し付です。嘘も少しはあるでしょうから文句はご勝手に。

そばガキの独り言

2006年06月28日 | そばの裏通り

 山形のそばも、少しは有名になったもんで開店する人が増え、ずいぶんそっちこっちに旗がはためくようになってきたけれど、十年二十年と経つうちにやめちゃったりしているところも目立つようになってきました。 ちょっとブームに乗り遅れた人、開店が少し早かった人、鼻が高すぎた人もそうですが、年とったからとか病気がちになったりとか、何ともならない理由もあるようです。 中には代替わりで息子殿ががんばり始めた店もありますが、過渡期の何年かは結構つらいところがあるようで、そば屋にとってもそうですが、そのファンにもそのようです。
 打ち手が代わると当然そばが変わります、味も食感もすべて変わってしまいます。初めて来た人なら「こんなもんか」で通ることも、好き者には「なんだこれ、どこのそばだ」となってしまうのです。 希にいい場合もありますが、大概はダメです。 違和感と言うか、とにかく期待したものがでないということは、「かね はらてまでかんたといい(お金払って食べるものではない)」ということになるわけです。 もっとも、そんな人だって初めて行く店ではもっと不味いのを平気で注文してるのでしょうから、やっぱり我が儘なだけなのです。 そんな意味ではそば屋もたいへんな訳でして、頭が痛くなるのでしょうが、現実として打ち手が代わる一時期は常連ががた減りするのは事実のようです。 災害復旧ではないですが短いところでも一年くらいはかかるようですし、もう戻らなかったなんてこともあります。 そうはいっても腕次第なわけですので、めんどうな薄情者は諦めて新しいファンを作った方が良いのかもしれませんよ、新旦那!。  
 話は変わりますが、今年は暑かった、いやまだ暑い。 どうしてこんなに世の中が暑いのか分からないけど、とにかく暑い。 お陰で夏の新そばなんて言われても「ちっとも美味しくない」という声が多い。 ”夏の新そば”はそば粉が少し少し高いので、いっ時少し値上げをする店がありましたが、今年はどうなんでしょうか、新そばでなくてもいいんじゃないでしょうかと思うのですが。 
 先般来なくてもいいお客が来て、そばを所望しましたので(生意気に!)かなり迷ったのでしたが、結局「こんなもんかと言われるのがいやで」、蝋燭庵に連れて行ったら「美味しい美味しい」と感激してましたので少し見直しましたが、帰りがけこのそば屋が副業で(本業??)読売ジャイアンツのロージンバッグを作っているんだよと教えたら、そっちの方が感激が大きかったようでした(フン!トーシロめ)。 そう言えばその前に来たわけありのお兄ちゃんも感心してましたっけ、意外と山形の知られざる観光資源に成りうるものなのかもしれません。 ただし私はジャイアンツが嫌いです。
 かつて、そばが観光資源になるなんて誰も考えなかったのではないでしょうか、酒にしたって同じこと。 何処にだってある”こんなもの”が目立つはずがないと誰もが思っていたのでしょう。 一体何時何処で誰がどうして何のために何をしたのでこうなったのでしょうか、私としては不思議です。 不思議と言えば混ぜもののあるそば、うこぎやヨモギなどの山野菜(草)に始まって海草や芋類、何考えてんのか紅花、果てはキノコまである。 混ぜりゃ良いっていうもんじゃないんだろうに、田舎はものが少ないから混ぜて増やすという”貧乏くさい”イメージがある、私だけがそう思うのかもしれないが。 麦飯、芋飯、大根飯、雑炊、不味いわけではないが、どうも安っぽい。 ところがところが、私は嫌いですし混ぜる量によって貧富の差が如実に出てくるというキノコ飯や栗ご飯なんかは贅沢品と言うイメージがあるようです。 そう言えば金粉の入った酒やなんかの話しはよく聞きますし、先日は真珠の粉入りの納豆なんかにもお目にかかりました。
 いつも聞かれることですが、「山形のそばで一番美味しいところを教えてください。今度山形へ行くので是非寄ってみたい」と言われたら、本当に困ります。 たかが一日二日山形へ来て、一二回そばを召し上がっていただいて「あぁ美味しい」と感激してもらえるそば屋って何処なんでしょう。 そりゃ「まずい」とは言わないでしょうけれど、”また来たい”とか”あいつにも教えてやろう”と思ってもらえるのは何処でしょう。 山形そば黄門漫遊の究極の目的です。
 先日テレビで例の讃岐うどんをやってました。 いつも思うのですがあの値段だけは本当に羨ましい。庶民の食い物はやっぱり安くっなくちゃ。うどん65円からの讃岐を相手にするわけではないけれど、もりそば450円からではチトつらい。つらいと言ってもそば屋だって食えなきゃしょうがない。 しょうがないから諦めてそばを食う。あぁ~あぁ
 不景気かなんだか知らないけれど、そば屋が増える一方でそば屋が消えていく。昨日、中山の 五郎ちゃん へ行ったら閉店の張り紙がしてありました。 サミシィー!


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