眇めオヤジの独り言

初老で始めたブログも、寄る人もないまま、いつしか定年を迎えた。
あいもかわらず、気ままに書き連ねていく。

森口尚史氏の研究履歴

2012-10-16 | 科学事件
森口氏は自分から多くのマスコミに売り込んだようですが、
読売新聞が一面で報じたために、これだけ大きい騒動になってしまいました。

所詮小さい学会のポスター発表です。
日本のマスコミが取り上げなければ、ポスターに集まった数十人の研究者から
しか関心をもたれなかったでしょう。

バイオ関係では、学会発表よりも専門雑誌の査読論文掲載、時を争うのであれば、
そのネット版に投稿するのが、本筋です。
小さな学会のポスター発表ぐらいで、一面記事にする記者も記者でしょう。

森口氏は、ちゃんと大学院で修士の学位を取っていますが、これはレセプトなどの
医療の二次情報をデーター解析する研究です。
その研究は、医療経済研究所でも続いており、この分野の研究者として
認められていたことがわかります。

東大に移って、当初どのような研究をしていたのかわからないのですが、
特任助教授の専門は知的所有権で、この重要さは山中教授も熟知し、
研究所を作るときに専門家を呼んできています。
しかし、森口氏の経歴から、この領域を担当できる専門知識があったとは
思えません。
弁護士もしくは弁理士の資格、もしくは法律の研究履歴が求められます。

さらにわからないのが、この間東大から博士を授与されているのですが、
それが細胞の遺伝解析に関する研究です。
学位をとるときに相談した教授の専門分野だったのでしょう。
今までの研究とは全く無関係で、その後の疑惑の研究発表は、
細胞に関する研究になります。

研究者が専攻分野を変えることは、全くないわけではありませんが、
全く離れた領域に2回も変えるというのは、あまりありません。
細胞分野の研究に進むならば、ドクター取立てになるので、
40半ばにして30前後のポスドクとポストを争うことになります。

完全な医学分野の研究になるのですが、倫理委員会の承認など、
非常に手続きが面倒だと言うことも知らなかったようです。
何とか早くポストを得たかったのでしょうが、お粗末と言うしか
ありません。


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