眇めオヤジの独り言

初老で始めたブログも、寄る人もないまま、いつしか定年を迎えた。
あいもかわらず、気ままに書き連ねていく。

STAP細胞論文への疑惑 2

2014-02-19 | 科学事件
正直言って、この研究がマスコミに大騒ぎされたとき、かなりの確率で森口君と同じようなことになると思っていました。
分化したリンパ球から万能細胞が作れるなんて、少なくとも20世紀の研究テーマですよね。
これが実現するなら、iPS細胞などの苦労は何だったのかという事になります。

Natureに投稿したときの査読反応も、当然同様のもので、泣いたと言っていますが、通常予想できるものでしょう。
万能細胞分野の研究発表を、いきなりNatureに送るというのも不自然で、一刻を争う再生医療分野の研究であれば、もっと査読のゆるいWEB版の研究誌に送るはずです。

ただ皮肉にも、疑義が出されたことで、研究論文の裏側が見えてきました。
彼女の形成した細胞が、万能細胞であるというなら、その裏づけになるデーターを、査読者が求めたのは当然です。
かつて彼女の直属の上司であった山梨大教授が、彼女の代わりに行って、写真に撮ったようです。
生物分野のデーターで、細胞については写真がもっとも重要なものになります。
記事は、STAP細胞の作成も、単に方法を教わっただけでできたと明言しているので、かなり信憑性は高くなりました。

一ついえるのは、彼女は研究者として才能もやる気がありますが、非常に運が強いなということです。
早稲田の理工学部に進学して、そのころの大学改革の流れに乗って、他大学や海外の大学で、のびのびと研究ができたようです。
学位取得後も、順調に理研に採用され、大学などでは妨害されたであろう研究を行えて、上司の異動後は自由に研究ができるリーダーのポジションに、卒後2年でつけた。
非常に恵まれすぎた人生を送っています。
その運だけで、このままめぐまれた研究者生活をずっと続けられるのでしょうか?
また、万一、勘違いなどであれば、その責任は複数の研究機関に及んでしまうのが気がかりです。


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