眇めオヤジの独り言

初老で始めたブログも、寄る人もないまま、いつしか定年を迎えた。
あいもかわらず、気ままに書き連ねていく。

STAP;終焉

2014-12-23 | 科学事件
今更の話題ですが、書かないとしまりがないので。

再現実験は、大方の予想通りに失敗に終わり、小保方さんは退職、
そして理研は組織改革で、次年度大量のリストラということで
終着しました。
結局、年内に形式的に終わらせようと、しっぽ切りをして完了という、
日本古来の、どうやら理研でも過去行われたやり方で片を付けたつもりのようです。

平の研究員は年契約で業績を求められ、一般の会社の取締役クラスの
センター長や理事になると、その特権的地位が半永久的に守られるという
組織形勢になっているようですね。
奇しくも、韓国社会の財閥がテレビで取り上げられていましたが、
瓜二つなのに、愕然としました。

自殺した笹井さんは、幹部コースのセンター長への就任が予定されていたようですが、残念なことになりました。
経歴を見ると、研究者としては本当のエリートで、今まで挫折ということを経験したことがなかったのでしょう。
初めての挫折が乗り越えられなかったのは、日本にとっても大きな損失でした。

最近、理研での眼科分野の臨床実験が大きく報道されましたが、その研究にも笹井さんの役割は大きかったはずです。
それがスルーされて、一研究者のみ小保方さんに代わって大きく報道される。
なんかちょっと、怖い社会になってきたなと思います。

さて、STAPですが、科学的な決着はついていません。
小保方さんの再現実験は、発光する細胞は作れたが、それをうまく培養ができなかったのでしょう。
培養して、それが万能性を持つことを証明する実験まではいかなかった。
多くの研究者は、培養の過程でES細胞が入ったのであろうと推測しています。

理研の会見の最後に、蛇足のように科学的ではないという言葉が出てきました。
この科学の定義が、いろいろと論議を呼ぶところですが、発言者の意図は、科学的というよりも理研的ではないと言い換えればぴったりします。
企業での実験では、研究者を監視下に置くところも少なくないはずですから。

年内に再現実験を終わらせたことは、小保方さんにとってもよかったでしょう。
確かに精神的に限界でもあるし、博士論文を書き直す時間がとれました。
マスコミとかは何でもかんでも批判していますが、博士論文の実験自体はちゃんとしたもののようです。
きちんとした瑕疵のない論文にすることはできるはずです。

研究費や給与の返済までとりさだされています。
これをするには、彼女の悪意つまり意図的に研究不正を行ったということを証明する必要があります。
これをやると、学位認定した早稲田大学と同様に、他の理研研究者にも当然責任がかかってきます。
逃げ腰になっている若山氏も、再び関わりを求められるでしょう。

さらに小保方さんの肩を持ちますと、弁償は求めなくてもいいと思います。
STAP細胞の研究は、成否はともかくある程度確認する価値はあったでしょう。
実は、研究者の趣味でしかない対象が、日本の研究費では数多く認められていますし、学会のボスによって仕分けられた研究費の多くは、無駄に使われています。
この辺を、マスコミには取り上げて欲しいのですが、期待できそうもないですね。

小保方さんには、なんか悪意は感じられません。
近年台頭してきた新しい進学校で、無菌的に育てられ、大学卒業後も、
育った家庭環境から、更なる飛躍を求めて、女子医大、ハーバードに
行ける魅力を持ち、教えられたとおりにやってきた。
ただ、その過程で教えなくてもわかるだろうと指導者が思ったところが、
まったくわかってなかった。
ただそれだけなのですが、このような女性(に限りませんが)を、今の日本は次々生み出しているし、し続けるでしょう。


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