60代の男のつぶやき

60代の男の行きつ戻りつ日記。バツイチオヤジの日常を過ごしていますが、なんて事のない日常を丁寧に楽しみながらの日記です。

何とも言えないもやしラーメン

2011年08月15日 | 日記
数年前のこと、まだ父が元気で一人暮らししていた時。
私と高校生の息子で実家に立ち寄った。
午後2時で昼飯はまだだった。
無性に近所の「萬来軒のもやしラーメン」が食べたかった。
何気に「親父はお昼食べたの?」と聞くと
食べたとのこと。
「じゃー2個頼めば良いね」と何の考えも無しに2個電話で出前を頼んだ。
空いている時間で、さほど待つこともなく配達されテーブルへ・・・
息子に1個、私に1個前に置き、食べ始めたが、
食べ始めた途中に、ふと「父はお昼を食べていないのではないか?」と
考え始めた。
何か父の視線に感じる物があった。
お昼を食べたと言っても、父の嘘のようだ。
父を誘えば良かった。すぐに反省した。
と思いながら、「半分食べる?」と気軽に言えなかった。
気軽に「半分食べる?」と言えない何か心にわだかまりがあった感じがする。
あんなにスパルタに育てられたんだ・・・物も言えず叩かれたこともあったし
お昼は食べたって親父が言ったんだし・・・
でも3個頼めばよかった。
「半分食べる」と誘え!という心のアドバイスもあった・・言えない・・・
心の中は悶悶とした。
味は途中でわからなくなっていた。

今、物が言えず、胃ロウになってラーメンも食べられない父を見て思い出す
「お昼食べた?」「ラーメン食べる?」「俺の半分食べる?」
今なら言えるのになー、あの時は言えなかった。
「もやしラーメン」の何とも言えない話です。
コメント
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