バルカンの古都ブラショフ便り

ルーマニアのブラショフ市へ国際親善・文化交流のために駐在することに。日本では馴染みの薄い東欧での見聞・体験を紹介します。

ルーマニアの冬支度

2009年10月11日 00時13分07秒 | ルーマニア事情

 ブラショフは緯度的には、北海道の最北部にあたる。しかも標高600mの所にあるから、冬は長く厳しい。
 夏の間はトマト・キューリなど日本よりずっと美味しかった野菜も、秋が深まるにつれて近農物から、トルコやイタリア・スペインなどからの輸入品に変わって行き、目に見えて鮮度と味が落ちてゆく。(このあたりは、一年中いつも同じ野菜が店頭にならぶ日本と違って、本来の季節感が味わえると言えるのかも知れない。)

 だからルーマニアの人達にとって、長い冬の間、野菜をどう摂取するかは大問題で、いろいろの工夫がなされている。最も一般的な方法は、秋に大量の野菜を仕込んでピクルス化してしまうことである。レストランでも、冬は野菜サラダを頼むとピクルスが出てくる。大きなピクルス用ガラス瓶が並び、ちょっとした秋冬風物となる。
 

  茄子などは、各家庭でも塩漬けにして冷蔵庫に大量に貯蔵する。
 

酒は家で作る人が多い。市販のリキュールに付近でとれたブルーベリーなどで味付けする人もいるし、ブドウを樽に仕込んでワインを作る人もいる。下の写真は、当センターの学生宅で、地下室に発酵用樽や圧搾機を備えて本格的に醸造している。昨年12月初めに試飲させて頂いたが、まだワインとしては若く、クリスマス頃に美味くなるとのことである。

 

ルーマニアの家に招待されると、たいていは自慢の自家酒を振る舞ってくれる。もちろんルーマニア名物ツイカは最も一般的である。日本では、漬物も酒も自家製を作ることは既にすたれてしまったが、この国のように、それぞれの家が伝来の製法と味を守っているのを見ると、なぜか心が和む。


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