ルーマニアの山村は長閑で好きである。しかし、そこで住んでいる人たちの生活は大変なようだ。国全体が市場経済へ移行してゆく中にあって、農業だけでは現金収入が少なすぎる。そこで若者たちは、ほとんどが街へ出てしまう。過疎化は相当にひどく、村には年寄りしか見あたらないし、空き屋になった家々が朽ちるに委されているという光景が、あちこちに見られる。教会も来る人がいなくなって放置されたものも多い。あと5年10年たったら完全にゴースト・ビレッジとなるのだろうか。
トランシルバニア地方は昔からトルコ軍その他と戦って来た土地だけあって、有名・無名とりまぜて多くの砦跡などが残っている。たいていは周囲を見渡せる山の頂上にある。石を運び井戸を掘り・・・・作る時は相当苦労しただろうと思われるが、今は崩れるにまかすという状態である。有名な砦なら改修して観光収入をということもあり得るだろうが、それほどでないなら、仕方がないか。
まわりで羊飼いが番をしていたりする。それを見ると、自然院もここに生まれていたら、あんな風に終日羊を追っているのかなあと思ったりする。経済大国に生まれ常に何かに追いまくられるような人生を送って来た身には、それでは退屈極まりない生活のように思われるのだが、案外あれはあれで幸せなのかなあとか・・・・・訳の分からない思考に入り込んだりしてしまうので、この辺にしておこう。
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実は自然院は2009年2月に日本へ帰国しました。帰国後もルーマニアについて紹介したいことが一杯あったので、本ブログを書き続けています。(あと2-3回かな)
帰国後の日本では趣味三昧の生活を送っていましたが、ふとした縁で中国企業から経営指導をしないかとのお誘いがあり、10月に中国へ赴任しました。
急激な成長を遂げる中国の実態を新たなブログで報告しますので、これまで同様ご愛読下されば嬉しい限りです。よろしくお願いします。
ブログ:中国便り(三国志ゆかりの長沙と万国博の上海から)
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