バルカンの古都ブラショフ便り

ルーマニアのブラショフ市へ国際親善・文化交流のために駐在することに。日本では馴染みの薄い東欧での見聞・体験を紹介します。

ルーマニア紹介の講演会

2009年07月28日 14時53分05秒 | プロローグ
 先日、私の住むM市でルーマニア紹介の講演会を行いました。(教育委員会、老荘連合会からの依頼)
当日は朝から、この夏一番の猛暑。私自身も正直、講師でなければ出かけたくないと思うようなバカ暑さでした。それでも150名くらいの方が集まって下さり熱心に聞いて頂けたので、嬉しく思いました。



次のような要旨でお話をいたしました。

★ 日本人は、西欧が一貫して世界をリードしてきたかの如き史観に洗脳されている。しかし、中世においては東欧の方が西欧より進んでいた時代もある。西欧が優位に立つのは産業革命以降であるが、西欧が富を蓄積していたころ、東欧はトルコから西欧を守るための防人の役割も果たした。このような東欧の役割も視野に入れることにより、欧州文明がより立体的に理解される。

★ ルーマニアをはじめ東欧には世界遺産に指定されている歴史的文化財が多く、また手付かずの自然も温存されており、訪問する価値がある。

★ 東欧革命(1989年)により、共産党の一党独裁から自由主義に移行したが、政治・経済面では、まだまだ混乱があり、健全な民主主義・市場経済が根付いたと言える状態ではない。近年はEU加盟により西欧からの援助で7%前後の経済成長が続いていたが、昨年からの世界不況で援助が急減しており困難な局面に入っている。 

★ 実際にルーマニアで生活してみると、貧しいながらも助け合って生きているといった、一昔前の日本のような人情味のある生活を思い起こされることがある。

★ その他、文化交流活動について。